1. ジャケットのボタンの違い
はじめに、ジャケットのボタンの違いから解説していこう。一般的なスーツのジャケットには、シングルとダブルの2種類があり、それぞれでボタンの数が異なることを押さえておきたい。
シングルジャケットとは?
シングルジャケットとは、主張しないシンプルなデザインが特徴だ。ビジネスシーンをはじめ、フォーマルシーンに出席する際にもふさわしいジャケットとして、認知されている。ボタンの数は少なく、2~3個となっている。
ダブルジャケットとは?
ダブルジャケットとは、もとは軍服由来のデザインであることから、堂々とした気風をアピールできることが特徴だ。経営者やチームリーダーなど、社会的立場を持つ方におすすめしたい。ボタンの数は4~6個と、シングルジャケットよりも多くなっている。
2. シングルジャケットのボタンの留め方
本項では、シングルジャケットのボタンの留め方について解説する。ビジネススーツのなかでも、最も定番のジャケットのため、ボタンに関する基本的なマナーは知っておきたい。
その1.2つボタンの場合
2つボタンのシングルジャケットの場合、上のボタンだけを留め、下のボタンは基本的には留めないのがマナー。下のボタンは飾りボタンとも呼ばれ、装飾品として付いているものである。また、下のボタンを留めるとシワができやすく、シルエットも悪くなりやすいので、おすすめできない。
このように、ジャケットの飾りボタンを留めないことを、アンボタンマナーと呼ぶ。スーツスタイルにおける基本用語のひとつなので、覚えておこう。
その2.3つボタンの場合
3つボタンのシングルジャケットの場合、2つボタンと同じく、一番下のボタンは留めないのが基本。マナーとしての理由以外も同様、下のボタンを留めるとスーツのシルエットが崩れてしまうので、外しておくようにしたい。
その3.段返り3つボタンの場合
段返り3つボタンのシングルジャケットの場合、3つボタンでも、一番上のボタンが襟の裏に隠れているので、見た目には2つボタンのジャケットに近いことが特徴だ。また、現在における3つボタンのシングルジャケットとは、そのほとんどが段返り3つボタンを指すことも覚えておきたい。一番下のボタンだけでなく、襟裏にある一番上のボタンも装飾品として扱われているので、どちらも留めずに、真ん中のボタンだけを留めるのが基本マナーとなる。
3. ダブルジャケットのボタンの留め方
続いて本項では、ダブルジャケットのボタンの留め方について解説する。ボタンの数が多いからといって、留め方を悩まないように、こちらもよく確認しておこう。
その1.4つボタンの場合
4つボタンのダブルジャケットの場合、基本的には下のボタンだけを留めればよい。シングルジャケットとは異なり、ダブルジャケットは上のボタンが飾りボタンとなるので、混同して考えないように注意しておこう。
その2.6つボタンの場合
6つボタンのダブルジャケットの場合、真ん中のボタンのみ留めるか、真ん中のボタンと下のボタンを留めるのがマナーとなる。ただし例外もあり、Vゾーンを広く見せるための着こなしテクニックとして、一番下のボタンだけを留める方法もある。
4. ジャケットのボタンに関するよくある質問
最後に、ジャケットのボタンに関するよくある質問を、2点紹介していこう。ジャケットのボタンマナーの応用編として、頭に入れておきたい。
Q1.ベストのボタンはどう閉める?
クラシックな印象のスーツスタイルが好みの方であれば、ベストを取り入れたスリーピースを着用することもあるだろう。この場合は、ジャケットのボタンはすべて外しておくのが基本である。ベストの上からジャケットのボタンを留めると、太ってみえてしまうなど、シルエットが崩れる原因になるのだ。
では、ベストのボタンはどう閉めるのかというと、こちらもジャケットのアンボタンマナーに従い、基本的には一番下のボタンは外しておくのが正解である。スリーピースのオシャレな着こなしとして、覚えておこう。
Q2.座るときにはボタンを外す必要がある?
実は椅子に座るときにも、ボタンマナーがあることを知っておきたい。オフィスなどで椅子に座る前には、ジャケットのボタンはすべて外してもOK。ボタンを留めたままで椅子に座ると、生地が引っ張られてしまい、シワが入る原因になってしまう。
ただし、重要な商談時や面接時の場合、ジャケットのボタンを外すと、相手によっては失礼に思われてしまうケースもある。そのため、まわりの状況に合わせて、ボタンを留めておいたほうが無難と思われる際は、そのまま着席しても問題はない。
結論
シングルジャケットとダブルジャケットでは、ボタンの数が異なることに加え、ボタンの数に応じて、ふさわしい留め方があることを解説した。知らずにすべてのボタンを留めてしまうと、マナー違反として見られてしまうこともあるので、十分注意したい。ジャケットのボタンは全体で見ると細かい部分ではあるが、そのぶんよく目立つ部分でもある。オシャレな大人の常識として、本記事の内容はよく理解しておこう。