目次
1. ウイングカラーシャツとは?

ウイングカラーシャツは、襟全体が立ち上がり、襟先だけが手前に折れている特徴的なデザインをしている。折れた襟が鳥の翼(Wing)のように見えることからそう呼ばれ、きりっとした品のよい佇まいが魅力だ。かつては英国貴族が競馬場における正装として用いた格式高いシャツであり、現在でも結婚式やパーティなどのフォーマルシーンで頻繁に着用される。タキシードやモーニングなどには欠かせないシャツだが、最近はブラックスーツやダークスーツに合わせてウイングカラーシャツを華やかに着こなす男性も増えているようだ。
2. ウイングカラーシャツの種類

ウイングカラーシャツには大きく分けて3種類のデザインがある。それぞれの特徴や相性のよいスーツを見ていこう。
プレーンタイプ
最もシンプルなタイプで、胸の部分に何も装飾がないものを指す。襟以外は普通のドレスシャツに近い見た目だ。結婚式にゲストで出席する際などにウイングカラーシャツを着る場合、目立ちすぎないこのプレーンタイプが最適である。また、昼の正礼装であるモーニングコートに合わせてもよい。前ボタンが隠れるものはよりフォーマルな位置づけとなる。
イカ胸タイプ
イカ胸タイプは、胸の前の部分に固い胸当てが入ったデザインだ。勲章をしっかり留めるために胸に固い芯地を入れたことが起源であり、より格式高い装いの際に着用する。夜の正礼装である燕尾服と合わせるのが定番だ。胸当ての形がスルメに似ていることから、日本ではイカ胸と呼ばれるようになった。
ヒダ胸タイプ
ヒダ胸タイプは胸にプリーツが入ったデザインでプレーンよりゴージャスな雰囲気になる。タキシードやモーニングコートに合わせるのが一般的で、朝から夜まで時間帯を問わず着用することが可能だ。
3. ウイングカラーシャツに合わせるネクタイ

ウイングカラーシャツは襟の折り返しが小さいため、普通のネクタイだとずれやすいという欠点がある。ウイングカラーの高貴な雰囲気を活かすためにも、合わせるネクタイは以下の2種類がおすすめだ。
蝶ネクタイ
フォーマル度をぐっと高めてくれる蝶ネクタイは、ウイングカラーシャツと相性バツグンだ。本来は夜に着用するアイテムだが、最近はオシャレのひとつとして昼間に蝶ネクタイを付けるスタイルも広まっているので、気軽に挑戦してみるとよいだろう。首の後ろに背テープ(ネクタイを通す紐)が付いているウイングカラーシャツだと固定しやすい。
アスコットタイ
アスコットタイは、スカーフのようにふわっと広がる幅広のネクタイだ。もともとはモーニングコートに合わせるアイテムとして誕生したが、スーツやジャケットスタイルに合わせてもOKである。スティックピンを刺して着用する華やかな雰囲気が魅力であり、ウイングカラーシャツの存在感を引き立ててくれるだろう。
4. ウイングカラーシャツの着用シーン

上品な印象を演出できるウイングカラーシャツは、やはりフォーマルな場に相応しいアイテムだ。ウイングカラーシャツのおすすめ着用シーンを見ていこう。
結婚式や披露宴
結婚式や披露宴は、ウイングカラーシャツが最も活躍する場だ。新郎をはじめとして、主賓がモーニングやタキシードを着るときにもウイングカラーシャツは定番である。また一般ゲストとして招かれた場合にも、ウイングカラーシャツは問題なく着用できる。ただし主役より目立たないのがマナーなので、派手になりすぎないようブラックスーツやダークスーツに合わせるのが基本だ。
カジュアルなパーティ
カジュアルなパーティや二次会などに、オシャレアイテムとしてプレーンのウイングカラーシャツを着るのもおすすめだ。ポップな色合いの蝶ネクタイやアスコットタイを選べば、パーティに相応しい華やかな装いになるだろう。シックに決めたいならベストやダブルスーツと合わせるのもよい。また、高級レストランやクラシックコンサートなどの場でも、ウイングカラーシャツを着用することが可能である。
結論
ウイングカラーシャツは日常生活では着用機会が少なく、なかなか馴染みのないアイテムといえる。もしこれから結婚式やパーティなどに出席する機会があるなら、特別感のあるウイングカラーシャツに挑戦してみてはいかがだろうか。ワンランク上の着こなしで周囲に差をつけられるのはもちろん、普段と違ったフォーマルな気分を味わえるに違いない。