目次
1. 肩こりの原因とは?

肩には、頭や腕を支えたり動かしたりする筋肉が集まっている。筋肉は、ゆるんだときに酸素や栄養を取り込んでいるので、デスクワークやスマホ操作などで長時間同じ姿勢のままでいると、筋肉の緊張状態が続いて酸素不足になってしまう。酸素不足が続くと発痛物質がたまり、つらい肩こりを引き起こすだろう。(※1)
2. 肩こりに効果的なツボ

ここからは、肩こりにアプローチするツボを紹介していこう。次項以降で紹介する押し方や注意点もあわせてチェックしてほしい。
合谷(ごうこく)
手の甲にあり、外出先でも押しやすいツボだ。親指と人差し指の骨がつながっている部分に位置する。幅広い効果が期待されているツボだが、とくに首から上の不調に有効だといわれている。
後渓(こうけい)
手のひらを握ったときに小指側にできる大きなシワの先にあるツボだ。小指の側面を指でたどっていくと出っ張った骨があるが、その骨の下にある。指先に向かって、下から上に押すとよいだろう。
手三里(てさんり)
手三里は、腕にあるツボだ。肘を曲げたときにできるシワから指3本分手首側に近いところに位置する。肩こりがひどいと痛みを強く感じるかもしれない。
臀臑(ひじゅ)
臀臑は、肩にある三角筋の終わりに位置するツボだ。肩と肘を結んだ線の中間くらいにあり、指の腹を使って軽く揉むようにして刺激するとよい。
肩井(けんせい)
肩こりのツボとして有名なのが、肩井である。首を前に倒すと、後ろ側に大きく出っ張る首の骨と肩先のあいだに位置する。反対側の中指か人差し指で揉むように刺激するとよい。
肩中兪(けんちゅうゆ)
肩中兪も、肩こりのツボとして広く知られている。首を前に倒すと、後ろ側に大きく出っ張る首の骨から指2本分外側にずれた場所にある。反対側の中指を引っかけるようにして押すとよい。
3. 肩こりに効くツボの探し方や押し方

肩こりに効くツボの探し方や押し方など、刺激するときのコツを紹介していこう。
ツボの探し方
ツボは、圧痛点とも呼ばれる。つまり、押すと痛いところがツボである。そのため、ツボを探すときは、押すと痛いところや刺激を感じるところを目印にするとよいだろう。
ツボの押し方
ツボは、強く押せばよいというものではない。力を入れすぎず「痛気持ちいい」と感じる程度に押すのがベストである。また、やりすぎにも注意が必要だ。ツボ押しは1日1回、15秒3~5セットを目安にしてほしい。
4. 肩こりに効くツボを押す前に行うべきこと

ツボを押す前に、身体を温めたり姿勢を安定させたりすると、より効果的だといわれている。ここからは、肩こりに効くツボを押す前に行うとよいことを紹介していこう。
身体や手を温める
ツボ押しをする前に身体や手を温めておくと、血行が促進されて効果を得やすくなるといわれている。ツボ押しのタイミングは、入浴後がとくにおすすめだ。(※2)ただし、入浴中はのぼせやすくなるので、ツボは刺激しないほうがよいだろう。
姿勢を安定させる
姿勢が不安定な状態だと、ツボに十分な力を入れられない。立った状態よりも、椅子や床に座ってツボを刺激するのがおすすめである。
5. 肩こりに効くツボを押す際の注意点

肩こりのツボを押すときは、いくつかのポイントに注意してほしい。最後に、肩こりに効くツボを押すときの注意点を紹介していこう。
妊娠中や怪我をしている場所は押さない
セルフでツボを押すなら、妊娠中は避けるべきだ。(※3)ツボの中には、古典文献で妊娠中には禁忌とされているものがあるため、自己判断で押すのはおすすめできない。どうしてもツボ押しがしたい場合は、プロに相談しよう。
また、ツボがある場所を怪我している場合は、むやみに刺激しないほうがよいだろう。怪我が治ってからツボを押すようにしてほしい。
飲酒当日や食後すぐは押さない
飲酒当日や食後は、ツボ押しをしないほうがよい。(※4)ツボのなかには血流を促進するものがあるので、アルコールが回りやすくなったり消化不良を起こしたりする可能性があるからである。
結論
肩こりに効果が期待されているツボを紹介した。ツボはたくさん押せばよいというものではない。また、ツボ押しをしないほうがよいタイミングもある。そのため、正しい場所を適切な頻度と方法で刺激してほしい。適切にツボ押しをして、肩こりをセルフケアしよう。
(参考文献)
※1 特定非営利活動法人日本成人病予防協会「肩こり -気になるからだの危険信号-」
※2 株式会社アリナミン製薬「肩こり改善のツボはどこ?肩の痛み・だるさに効果的なセルフケアも紹介」
※3,4 明治国際医療大学 鍼灸学部「ツボ刺激のやり方と注意」