1. カラーとラペルとは何か?
スーツの襟は、カラーとラペルに分けられる。カラーは上襟、ラペルは下襟を指すので覚えておこう。また、カラーとラペルの境界線をゴージライン、ゴージラインの外側にある「く」の字になっている部分をノッチと呼ぶ。
襟は顔に近い部分なので、これらのデザインが変わるだけで見た目の印象が大きく変化する。好みや着用シーンにマッチした襟デザインのスーツを見つけよう。
2. スーツのラペルの主な種類
スーツのラペルには、さまざまな種類がある。その中でも、メジャーなノッチドラペル・ピークドラペル・セミピークドラペルの3種類を紹介していこう。
その1.ノッチドラペル
ノッチドラペルは、カラーとラペルが直線でつながっていて、ノッチがV字になっているデザインだ。メジャーなデザインのため、既製スーツに多く用いられている。ビジネスからフォーマルまで幅広いシーンで活用できるのが魅力だ。流行に左右されないデザインなので、スーツ選びに迷ったらノッチドラペルをセレクトすると無難だろう。
その2.ピークドラペル
ピークドラペルは、ラペルの上側が尖っているデザインが特徴だ。ダブルスーツの襟に取り入れられることが多く、エレガントな雰囲気を演出できる。やや個性的な襟のデザインで、ビジネスシーンにはマッチしない場合があるため、着用シーンは慎重に選んだほうがよいだろう。また、ラペルを細くしたデザインをピークドスリムと呼ぶ。
その3.セミピークドラペル
尖っているラペルの角度が、ピークドラペルよりもゆるやかなのがセミピークドラペルだ。先端部分がやや丸まっていることも特徴である。ピークドラペルよりもやわらかな印象があり、ビジネスやフォーマルの場で使いやすい襟のデザインである。
3. スーツのラペルの主な幅
ラペルのデザインだけでなく、幅によっても印象が変わる。ここからは、スーツの襟に多く用いられる、レギュラー・ワイドラペル・ナローラペルについて解説していこう。
その1.レギュラー
幅7.5~8.5cmのラペルは、レギュラーと呼ばれる。スーツに多く用いられるデザインで、幅広いシチュエーションで着用可能だ。そのなかでも、8cmがもっとも一般的な幅といわれている。
その2.ワイドラペル
やや太めの9.0~10.0cmは、ワイドラペルと呼ばれる。ラペルが太くなると、クラシックな雰囲気に近づく。太いネクタイと相性がよく、信頼感を演出できるだろう。しかし、太すぎる襟はビジネスシーンにそぐわない場合もあるので注意しよう。
その3.ナローラペル
幅5.0~7.0cmのものをナローラペルと呼ぶ。都会的で洗練された雰囲気を演出したいときにおすすめな襟のデザインだ。細めのネクタイと相性がよく、コーディネート次第でスタイリッシュな大人の男性を演出できるだろう。
4. スーツの襟に関するよくある質問
ここからは、スーツの襟に関するよくある質問に答えていこう。コーディネートの参考にしてほしい。
Q1.スーツの襟にある穴は何に使う?
スーツの襟にある穴は、フラワーホールと呼ばれている。フラワーホールが開いているのは、スーツの由来に理由がある。スーツは立て襟デザインの軍服が元となっていて、襟を折って着るようになったのが始まりといわれている。そのときについていた第一ボタンの跡がフラワーホールだ。現在では、アクセサリーや社章をつけるときに使われることが多い。
Q2.ラペルにあわせてシャツも変えるべき?
ラペルとシャツの相性を考えると、コーディネートがしやすくなるだろう。基本的に、細いラペルには小さな襟のシャツ、太いラペルには大きな襟のシャツがマッチする。また、後ろから見たときに、上襟からシャツの襟が少し覗いている状態にするのがベストだ。
シャツとジャケットの襟が重なる部分は顔に近く、周りの方の目に触れやすいため、気を配ってコーディネートしてほしい。
結論
襟は、スーツのデザインを左右するポイントだ。襟のデザインによって見た目の印象や適した着用シーンが変わるので、スーツ選びのポイントのひとつにしてほしい。また、襟のデザインとシャツ・ネクタイの相性を考えてコーディネートすると、よりかっこよく着こなせるだろう。スーツの選び方や着こなしをマスターして、大人のオシャレを楽しもう。