1. シャンパンの賞味期限とは

賞味期限とは、美味しく飲食できる期限のことを指すが、シャンパンの賞味期限を知っているという人はあまりいないかもしれない。
■シャンパンには賞味期限が表記されていない
とりあえず、賞味期限を知るためにはシャンパンのボトルのどこかに記載されていないか探すだろう。しかし、シャンパンには賞味期限の表記がない。
■賞味期限がない理由は腐らないから
なぜシャンパンには賞味期限が表記されていないのだろうか。シャンパンにはアルコールが含まれている。アルコールが一定量含まれているものは腐らないという理由で、シャンパンには賞味期限がないのである。同様の理由で賞味期限がない酒はほかにも多い。
■開栓後の保存はできない
ただし、シャンパンが長持ちするのはあくまで未開栓の状態に限られる。開栓すれば、炭酸が抜けて風味が劣化するうえ、空気に触れ酸化することで品質も落ちる。そのため、シャンパンを開栓後に保存することはできない。開けたらできるだけ早く飲みきってしまおう。
2. 熟成期間によってシャンパンの賞味期限は変わる?

シャンパンには賞味期限が表記されていないが、「飲みごろ」という意味での賞味期限は存在する。そして、それはシャンパンの熟成期間によって異なるという。
■熟成期間別のシャンパンの賞味期限
シャンパンはカーヴと呼ばれる貯蔵庫で熟成してから出荷される。この熟成期間の長さによってグレードが決まっており、熟成期間が長いほど高級となる。それぞれのシャンパンの飲みごろの賞味期限は熟成期間が目安とされているのだ。
- 熟成1~2年(ノンヴィンテージ)...出荷後1~2年までが賞味期限
- 熟成3~5年(ヴィンテージ)...出荷後3~5年までが賞味期限
- 熟成7~10年(プレステージ)...出荷後7~10年までが賞味期限
飲みごろの目安としてこの考え方が広まっているが、保存状態が悪ければ品質はどんどん落ちていってしまう。出荷後はできるだけ早く飲んだほうが望ましい。
■古いシャンパンでも飲める
では、飲みごろを過ぎてしまったシャンパンはもう飲めないかというと、そういうわけでもない。古いシャンパンでも腐るわけではないため、保存状態さえよければ美味しく飲むことはできる。古酒として逆に価値を得ているものもあるが、あくまでも適切な保存が前提となる。
3. シャンパンの品質を長持ちさせる方法

いくら賞味期限が定められていないシャンパンでも、適切に保存しなければ風味も品質も落ちてしまう。少しでも長持ちさせるために、保存のポイントをおさえておこう。
■シャンパンの保存のコツとは
シャンパンを長期保存する場合は、「コルクを乾燥させないこと」「適温で保存すること」が重要。コルクが乾燥すると、空気が通りやすくなり劣化につながる。立てるのではなく寝かせて保存することでコルクの乾燥を防げる。また、シャンパンの長期保存に適した温度は10~12℃といわれる。専用の保存庫が最も望ましいが、家庭用の冷蔵庫で保存するなら野菜室に入れよう。
■シャンパンが劣化しやすくなる条件とは
シャンパンは冷暗所を好むため、明るい場所や温度の高い場所で保管するのはNGだ。また、温度変化が激しい場所も避けよう。においの強いものを近くに置いたり振動を与えたりすることも劣化につながってしまうため要注意だ。
結論
シャンパンには定められた賞味期限はないものの、保管状態が悪いと劣化しやすいデリケートな酒である。飲みごろに関わらず、入手したらできるだけ早く飲むことをおすすめする。長期保存は冷暗所が最も適している場所である。