1. ジンとウォッカの共通点とは

ジンもウォッカも、醸造酒を蒸留してアルコール度数を高めたスピリッツ(蒸留酒)に分類される点が共通している。まずはジンとウォッカの共通点をおさえておこう。
■見ためが同じ
たとえば同じスピリッツでもラムにはダークやゴールドなど色がついているものもある。しかし、ジンとウォッカはいずれも無色透明だ。見ためだけではジンとウォッカの区別はつかないだろう。
■原料はほぼ同じ
ジンの原料は、大麦・ライ麦・じゃがいも・とうもろこしなどだ。ウォッカも、大麦・ライ麦・じゃがいも・小麦などから造られる。いずれも同じような穀物を原料とする点は共通している。
■アルコール度数もほぼ同じだが...
スピリッツはアルコール度数が高いことで知られているが、ジンもウォッカも一般的なアルコール度数は40度ほど。ただし、ウォッカにはアルコール度数がなんと96度という世界最高度数のものもある。そのため、ジンよりもウォッカのほうが強い酒だと認識されることも多い。
2. ジンとウォッカの違いとは

原料がほぼ同じスピリッツなら味も変わらないと思ってしまうかもしれないが、ジンとウォッカの味は明確に違うといっていい。それぞれの味の違いには、製造工程の違いが関係している。それではどのように異なっているのか、具体的に見ていこう。
■ジンとウォッカの味の違い
ジンは薬草系のボタニカルフレーバーが特徴のお酒だ。口に含むとわずかな苦みと華やかな香りがふわっと漂う。この独特なクセのある風味がジンの特徴といえるだろう。一方ウォッカはというと、まろやかでクセがなく、無味無臭とも評されるすっきりとした飲み口が特徴。純粋なアルコールに近いハードな味わいが楽しめる。
■ジンとウォッカの製造工程の違い
ジンには、蒸留の際にジュニパーベリー(ネズの実)やボタニカル(薬草成分)が加えられている。独特な薬草の風味はこの工程によるものだ。一方、無味無臭のウォッカは蒸留した原酒を白樺の炭で濾(ろ)過して造られるため、不純物がほとんど含まれない。このように、ジンは薬草で風味付けされているが、ウォッカには薬草は使われず炭で濾(ろ)過され不純物が取り除かれているという点に大きな違いがある。
3. 一般的なジンとウォッカの飲み方

ジンもウォッカもアルコール度数がかなり高いため、よほど酒が強い人でなければストレートやロックでは飲めないだろう。一般的には、カクテルのベースとして使われる。ジンとウォッカの代表的なカクテルを紹介する。
■ジンベースのカクテル
- ジントニック...トニックウォーターで割ったシンプルなカクテル
- ジンフィズ...レモンジュースと炭酸水で割る
- マティーニ...ドライベルモット、オリーブを使った辛口なカクテル
- ジンライム、ジンリッキー...ライムの果肉や果汁とライムジュースや炭酸水を加える
■ウォッカベースのカクテル
- ウォッカトニック...トニックウォーターで割る
- モスコミュール...ライムジュースとジンジャーエールで割る
- ソルティドック...グラスの縁に塩をつけたカクテル。グレープフルーツジュースで割る
- スクリュードライバー...オレンジジュースで割る
結論
ジンとウォッカは製造工程が異なるゆえに、味にそれぞれ違った特徴がある。違いをふまえて飲み分けられるようになれば、酒の楽しみ方も一段と深まるはずだ。スピリッツが苦手な人でも、ジュースなどで割るとかなり飲みやすくなる。ジンとウォッカの特徴に合ったカクテルを自宅でも気軽に作ってみてほしい。