1. ジンフィズとは

■アメリカ生まれのさわやかなカクテル
ジンフィズは1888年に誕生した歴史の長いカクテルで、アメリカ南部のニューオリンズにある「インペリアル・キャビネット・サロン」のオーナーであるヘンリー・ラモス氏がジンにレモンスカッシュを入れて飲んだのが始まりといわれている。現在はレモンスカッシュではなくレモンジュースと炭酸水を使うのが一般的だが、味の特徴は受け継がれている。ジンとレモンと炭酸水の組み合わせが絶妙で、アルコール度数も13度ほどと軽め。さわやかですっきりとした飲み口が特徴の定番カクテルとなっている。
■フィズという名は泡の音が由来
ジンフィズのほかにもピーチフィズやアプリコットフィズなど、「フィズ」がつくさまざまなカクテルがある。フィズとは、ジンなどのスピリッツやベースに、レモンジュースと砂糖(ガムシロップ)を加えてシェイクしてから炭酸水を注いで作られるカクテルのこと。フィズという名前は炭酸ガスの「シュワッ」と泡がはじけた音(a fizz)が由来となっている。つまり、フィズがつくカクテルには必ず炭酸が入っているということだ。
■ジンフィズは作るのが難しいカクテル?
シンプルな材料と作り方のため簡単な気がするジンフィズだが、じつはバーテンダーの間では難しいカクテルとして認識されている。シンプルなカクテルだからこそ味の違いがわかりやすく、砂糖やレモンの塩梅などの調整も含めバーテンダーの腕が試されるというのだ。自宅で作る場合も、好みに合わせて配合を変えたりしてみるのもいいかもしれない。
2. 基本のジンフィズの作り方

ジンフィズの一般的な配合は、ジン6:レモンジュース3:ガムシロップ2:炭酸水18だ。作るときは以下のことに注意しよう。
■炭酸水は最後に!グラスは冷やしておこう
ジン・レモンジュース・ガムシロップを入れてシェイクしてから一度味見をしよう。氷と炭酸水で薄まることを考えると、少し甘めなくらいがちょうどよい。次に氷を入れて再度シェイクする。しっかり混ざったら、氷を入れ冷やしておいたグラスに注ぎ、炭酸水を加え軽くかき混ぜれば完成だ。
■炭酸が抜けないように注意
最後に炭酸水を入れるのは、炭酸が抜けないようにするためでもある。炭酸水を加えるときは、氷に直接あてないようグラスに添わせるようにしながら注ぐとよい。また、炭酸水を加えたあとはかき混ぜすぎないよう、氷を持ちあげながら大きく混ぜるのがポイントだ。
3. ジンフィズをアレンジしてみよう

ジンフィズは簡単にアレンジを楽しむことができる。ベースのジンは変えずにほかの材料を変えたり追加したりすることで、いつもと違うジンフィズを作ってみよう。
■ジュースを変える
レモンジュースを別のジュースに変えるだけならとくに簡単だ。おすすめなのは、同じ柑橘類のオレンジジュース。レモンジュースをオレンジジュースに変えたものは、「テキサスフィズ」という名のカクテルとして知られている。レモンのジンフィズよりも甘く酸味がまろやかで飲みやすい。
■卵を入れたジンフィズ
変わり種としては、卵を使うというもの。卵黄を加えたものはゴールデンフィズ、卵白を加えるとシルバーフィズというカクテルになる。ほかの材料はいつものジンフィズと変わらない。卵を入れる酒としては玉子酒が有名だが、同じように滋養強壮を目的にひそかに飲まれているカクテルである。
結論
さわやかなカクテルを求める人は、ぜひジンフィズを試してみてほしい。バーでジンフィズを頼むとその店のレベルがわかるといわれるほど、ジンフィズは意外と作るのが難しく奥深い飲み物である。家飲みでバーテン気分を味わいたいときも、ジンフィズをさらっと作れたら一目置かれそうだ。