目次
1. ビールのアルコール度数は低い?

現在日本で販売されている、大手ビールメーカーの商品は多くがアルコール度数5.0%だ。掘り下げていくと「ライトビール」は3.0〜4.0%、「黒ビール」は4.0〜8.0%、「アイスビール」は10.0%〜など厳密には平均5.0%では括れないが、ここでは日本の大手ビールメーカーの主要ビールを例に解説させていただく。
ビールのアルコール度数は、アルコールの中でも「低め」
- ビール:5.0%程度
- 日本酒:15.0%程度
- 焼酎:20.0~40.0%程度
- ウイスキー:40.0~55.0%程度
- ワイン:10.0〜15.0%程度
- シャンパン:10.0~12.0%程度
このように、焼酎のアルコール度数は20.0~40.0%程度、ワインのアルコール度数は10.0〜15.0%、ウイスキーは40.0〜55.0%程度であることから、ビールのアルコール度数は低めということが分かる。なお酒税法では、ビールのアルコール度数は20.0%未満としている。
アルコールの「度数」と「%」の違いは?
アルコールがどれほど含まれているかを表す際「◯度」という表記と「◯%」という表記がある。これらはいずれも15°Cのときに含まれるエチルアルコールの割合を示す数値だ。アルコール度数5.0%のビールは、アルコール度数5度である。日本酒や焼酎では「度」が使われることが多く、ワインやビールなどでは「%」がよく使われる。
2. 日本のビールのアルコール度数を比較

日本で販売されている代表的なビールや発泡酒の、アルコール度数を比較してみよう。
ビール
- キリン「一番搾り 生ビール」:5.0%
- サッポロ「生ビール黒ラベル」:5.0%
- サッポロ「エビスビール」:5.5%
- サントリー「モルツ」:5.0%
- アサヒ「スーパードライ」:5.0%
先述の通り大手ビールメーカーのビールはほとんどがアルコール度数5.0%である。とはいえこれらはあくまで一例であり、日本でも世界でもさまざまなアルコール度数のビールが販売されている。
発泡酒
- キリン「淡麗グリーンラベル」:4.5%
- サッポロ「極ZERO」:4.0%
- サントリー「おいしいZERO」:5.0%
- アサヒ「スタイルフリー」:4.0%
こちらも一例ではあるが、発泡酒はアルコール度数4.0〜5.0%のものが多いことが分かる。ビールと比べると若干、低めといったところだ。
ところで、ビールと発泡酒の違いは?
ビールは国が定めている原料を使用しており、かつ麦芽が67.0%以上使われているアルコールだ。一方、発泡酒は国が定める原料を使用しており、かつ麦芽が約67.0%未満、あるいは国が定める以外の原料を使用しており、かつ麦芽が約67.0%以上といったように「原料」と「麦芽の割合」で分かれている。
3. アルコール度数別におすすめビールを紹介

ビールのアルコール度数は平均5.0%程度であるとお伝えしたが、上述のように異なるアルコール度数のビールも数多く販売されている。度数別におすすめのビール(一部発泡酒)を紹介しよう。
サントリー「金麦糖質75%オフ」(アルコール度数4.0%)
麦の旨みがありながらすっきり楽しめる、糖質75%オフの発泡酒だ。
アサヒ「グランマイルド」(アルコール度数7.0%)
ゆっくり飲み続けられるというコンセプトの、爽やかさを楽しめるビールだ。
キリン「喉越し STRONG」(アルコール度数7.0%)
飲みごたえと飲みやすさを両立させた、パワフルな味わいを楽しめるビールだ。
サッポロ「LEVEL9贅沢ストロング」(アルコール度数9.0%)
名の通り高いアルコール度数のため、パンチのきいたビールの美味しさが味わえる。
スプリングバレーブルーワリー「Experimental Beer ~Type Cassis~」(アルコール度数10.0%)
カシス由来のフルーティーな香りと酸味を楽しめる高アルコール度数のビールだ。DRINXオンラインショップから購入できる。
4. これは驚異!世界の「超高アルコール度数ビール」3選

世界を見渡すと、日本では考えられないような高アルコール度数のビールが数多く存在することに気づく。その中から、とくに高アルコール度数のビールを紹介しよう。
Brouwerij't Koelschip「スタート・ザ・フューチャー」 オランダ(60%)
イエローペールを使用したビールで、アルコール度数は60.0%だ。2010年に発売され話題となった。
Brewmeister「アルマゲドン」 スコットランド(65.0%)
日本語で「最終戦争」と訳される衝撃的なネーミングが特徴のこのビールは、なんとアルコール度数65.0%を誇る。
Brewmeister「スネークヴェノム」 スコットランド(67.5%)
「ヘビ毒」を意味するスネークヴェノムは、アルコール度数驚異の67.5%だ。世界一アルコール度数が高いビールともいわれている。注意しながら飲む必要があるが、高アルコール度数にも関わらず飲みやすさがあるとのことだ。
5. ビールのアルコール度数から「アルコール量」を計算する方法

ビールのアルコール度数が分かると、どれくらいの量のアルコールが含まれているのかが分かる。計算方法を知っておくと、アルコールの摂取過多を防ぐための役に立つかもしれない。
アルコール度数5.0%のビールに含まれるアルコール量
- 350ml(酒の量)×0.05(アルコール度数5%)×0.8(アルコールの比重を考慮)=14.0g
- 500ml(酒の量)×0.05(アルコール度数5%)×0.8(アルコールの比重を考慮)=20.0g
アルコール度数5.0%のビール350ml缶および500ml缶に含まれるアルコール量は、上記の計算式で求めることができる。同様に、アルコール度数9.0%のビール350mlや500mlに含まれるアルコール量を求めると次のようになる。
アルコール度数9.0%のビールに含まれるアルコール量
- 350ml(酒の量)×0.09(アルコール度数9%)×0.8(アルコールの比重を考慮)=25.2g
- 500ml(酒の量)×0.09(アルコール度数9%)×0.8(アルコールの比重を考慮)=36.0g
アルコール度数が4.0%違うと、ここまでの差が生まれる。アルコール度数5.0%のビール500ml缶を飲むより、アルコール度数9.0%のビール350ml缶を飲んだ方がアルコール摂取量は多くなる。
結論
日本の大手ビールメーカーの主要ビールのアルコール度数は、平均5.0%程度である。発泡酒は3.0%程度から販売されているので、アルコール量を減らしたいときは発泡酒に切り替えるのもよいだろう。世界ではさまざまな高アルコール度数のビールも販売されているので、ビールが大好きな方はぜひ、挑戦してみてはいかがだろうか(ただし飲み過ぎにはくれぐれもご注意を)。