目次
1. ブランデーとはどんなお酒?

ブランデーはお酒の種類で大きく分けると、ウイスキーや焼酎、ウォッカなどと同じく、蒸留酒に分類される。原料に使用されるのは主にブドウだが、ほかにリンゴや洋ナシなどが使用されることもある。ブランデーの大きな特徴は、熟成年数によって等級が決められていることだろう。ここでは等級について、解説する。
ブランデーの等級について
ブランデーの等級は、市販されているブランデーのラベルを思い出すとピンとくる人もいるだろう。基本的にブランデーは「コント」という単位で熟成年数が表され、コントの数を基準にランクが決められる。よく目にする等級だと、V.S(ベリー・スペシャル)、V.O(ベリー・オールド)、V.S.O.P(ベリー・スペリオール・オールド・ペール)、X.O(エクストラ・オールド)あたりが代表的で、熟成年数が長いほどランクが高くなる。コニャック、アルマニャックという種類のブランデーのみ、コントの数によるランク付けが厳正な基準により決められているが、実はそれ以外のブランデーには基準が決められておらず、メーカーによって熟成度合が異なることがあることも覚えておこう。
2. ブランデーの仲間とは?種類を確認

焼酎が原料や産地によって種類が分けられるのと同じで、ブランデーも原料や産地によってさまざまな種類に分けられる。ここでは数ある種類の中で、「世界3大ブランデー」とも称される3種類を紹介しよう。
コニャック
コニャックはブランデーの代名詞といえるほど世界的に有名なブランデーである。フランスのコニャック地方で定められた製法でつくられたブランデーだけが、コニャックを称することができる。ブランデーの定番銘柄の多くがコニャックであることも特徴だ。
アルマニャック
アルマニャックはコニャックよりも歴史が古く、フランス最古のブランデーといわれる。こちらもコニャック同様、フランスのアルマニャック地方で定められた製法でつくられたブランデーだけが、アルマニャックを称することができる。
カルヴァドス
カルヴァドスの原料はブドウではなく、主にリンゴが使用されることが特徴だ。リンゴを原料としたブランデーはアップルブランデーとして分類されるが、フランスのノルマンディー地方でつくられたものだけはカルヴァドスを称することができる。
3. ブランデーのアルコール度数とは

ブランデーのアルコール度数は、平均して40度から50度あたりと、高いことが特徴だ。同じ蒸留酒に分類される、焼酎のアルコール度数の平均が20度から25度あたりなので、およそ倍ほどになる。蒸留されたばかりのブランデーの原酒のアルコール度数は約70度で、色は無色透明。この原酒を樽でじっくりと熟成させていくことによって、ブランデーは琥珀色へと変化していき、アルコール度数も少しずつ落ち着いていくのである。
4. おすすめのブランデー5選

ブランデーは種類や熟成年数によって、販売価格が大きく異なる。プレミアの付いた高級品であれば、100万円を超える価値が付くことも珍しくない。これからブランデーを飲み始める人は、まずはリーズナブルな銘柄から試してみることをおすすめする。ここではブランデー初心者から上級者まで、幅広くおすすめできる銘柄を5つ紹介する。
サントリー V.O
「サントリー V.O」は国内で高いシェアを誇る、国産ブランデーを代表する銘柄だ。お手頃価格ながら、クリアでクセのないフルーティな味わいは本格派。ブランデー初心者の人でも、気軽に楽しめるのでおすすめだ。
レミーマルタン V.S.O.P
レミーマルタンは、ヘネシー、マーテル、クルボアジェ、カミュと肩を並べ、「5大コニャック」と称される一流銘柄のひとつである。この「レミーマルタン V.S.O.P」は、比較的安価でコニャックを楽しみたい人におすすめだ。上品な味わいと華やかな香りが特徴で、コニャックを飲み始める入口としても人気がある。
ポールジロー エクストラビュー
「5大コニャック」からは外れるものの、コニャック通から高い人気を誇るのがポールジローだ。ブドウの収穫から瓶詰めに至るまで、全ての工程が丁寧に手作業で行われるので、品質はまさに最上級。こちらの「ポールジロー エクストラビュー」は熟成年数25年の表記ながら、40年以上の古酒もブレンドされており、繊細であり力強い味わいが特徴だ。また、ポールジローはコントによる等級表示がなく、貯蔵年数がそのまま表記されていることも特徴である。
シャボー X.O クール
シャボーはアルマニャックの中でも輸出量トップを誇る銘柄である。こちらの「シャボー X.O クール」は25年から35年の熟成酒をブレンドしており、しっかりとした力強い味わいが特徴だ。ハートを模したかわいいボトルデザインも人気があり、贈答品やインテリアとしても好まれている。
ポム・ド・イヴ
カルヴァドスの「ポム・ド・イヴ」の一番の特徴は、ボトルの中にリンゴが丸ごと入っていることだ。まだ成長過程のリンゴの実を枝の付いたままボトルの中で育て上げ、成熟した後に枝から切り離し、カルヴァドスを3度にも分けて注ぎ入れてつくられる。リンゴのフルーティな香りとマイルドな味わいが特徴だ。
5. ブランデーの楽しみ方とは

ブランデーはストレートで飲むもの、というイメージが強く、飲むことをためらってしまう人もいるのではないだろうか。確かにアルコールが得意でない人が、ストレートのブランデーの力強いアルコール感を受け入れられるか、といわれると難しいだろう。しかし、ブランデーをいろいろな割り方で楽しむことは、決して邪道ではないのだ。楽しみ方をいくつか紹介しよう。
水割りは「トワイスアップ」で楽しもう
ブランデーの水割りを美味しく飲むポイントは、氷を入れずにブランデーと水を1対1で割る、「トワイスアップ」という飲み方だ。常温の水で割ると、ブランデーの風味をより感じることができる。
貴族も愛したソーダ割り
ソーダ割りはハイボール感覚でブランデーの風味を楽しめる飲み方だ。近年から始まった飲み方のようにも思えるが、実はかつてヨーロッパの貴族からも愛された飲み方だったという。飲みやすく、ブランデー初心者の人にもおすすめだ。
カクテルベースにもおすすめ
ブランデーはカクテルベースとしても人気がある。ストレートのブランデーが入ったグラスにフタをするように輪切りのレモンが添えられ、レモンに盛られた砂糖と一緒に楽しむ「ニコラシカ」、ブランデーにホワイトキュラソー、レモンジュースを加えた「サイドカー」などが代表的だ。
6. ブランデーとウイスキーの違いとは

ブランデーとウイスキーは同じ蒸留酒に分類され、見た目も似ていることから、違いが分からない人は多いだろう。しかし、実はブランデーとウイスキーにはとてもわかりやすい、大きな違いがあるのだ。
大きな違いは使用される原料
ブランデーの原料に使用されるのはブドウやリンゴなどの果物だが、ウイスキーの原料に使用されるのは大麦やライ麦、トウモロコシなどの穀物である。こう聞くとブランデーとウイスキーが全く別物であることが分かるだろう。主な楽しみ方の違いは、ブランデーは香りを楽しむものであり、ウイスキーは味わいを楽しむものということである。こういったことが、ブランデーがストレートで飲むことを好まれる理由となっているのだ。
結論
ブランデーにはとても多くの種類があり、楽しみ方もさまざまである。もし今までブランデーに苦手意識があった人も、この機会に一度手に取ってもらいたい。ブランデーを片手にゆっくりと過ごす時間は、ほかのお酒ではなかなか味わえない贅沢な時間となることだろう。