目次
1. スピリタスはどういうお酒?度数が高いのはなぜ?火がつくのは本当?

スピリタスとは、ポーランドで生まれたウォッカの一種である。一般的なウォッカのアルコール度数は平均して40度ほどであるが、このスピリタスはなんとその2倍以上の96度というアルコール度数の高さを誇っており、他を圧倒している。では、なぜここまでアルコール度数が高くなったのか、また本当に火がつくのかということを解説していこう。
アルコール度数の高さの秘密とは
スピリタスのアルコール度数がここまで高い理由は、蒸留の工程がポイントになる。蒸留を繰り返すことでアルコール度数はどんどんと高くなるのだ。普通はそこに水を加えアルコール度数を調整していくのだが、スピリタスには加水の工程がないのである。加水しないままろ過することで、高いアルコール度数を保った非常に純度の高いスピリタスができあがるのだ。
本当に火がつくのか
スピリタスのアルコール度数は96度とほとんど純粋なアルコールと同等であり、タバコの火程度でも発火するほど瞬間的に火がつく。そのため取り扱いには十分な注意が必要だ。ちなみに、瞬間的に火がつくといわれるアルコール度数はおよそ75度以上である。つまり一般的なウォッカなどの40度から50度ほどのアルコール度数では、少し温めないと発火しない。強いお酒イコールすぐに火がつく、というわけでもないことは覚えておきたい。
2. スピリタスにはどんな種類がある?度数や味は?

スピリタスの原産国であるポーランドでは数種類販売されているが、現在国内で手に入るものは2種類のみとなっている。いずれもアルコール度数は96度と世界最高の度数を誇っているので、ストレートではじっくりと味わえるものではないがそれぞれの違いを紹介しよう。
ポルモス ワルシャワ スピリタス
緑のラベルが特徴で、国内でもよく見られるのが「ポルモス ワルシャワ スピリタス」だ。ポーランドで製造されており、原料には厳選されたライ麦や穀物が使用されている。スピリタスを代表する銘柄として世界中で広く流通している銘柄であり、味わいは超辛口である。
アクアウィット ブラスコ スピリタス ヴラティスラヴィア
白いラベルで大きく世界最高のアルコール度数をアピールしているのが、「アクアウィット ブラスコ スピリタス ヴラティスラヴィア」だ。こちらもポーランドで製造されている。「ポルモス ワルシャワ スピリタス」と同じく超辛口ながら、舌がしびれるような味わいを持っており、こちらも人気の銘柄である。
3. スピリタスの高い度数で梅酒がすぐに作れる?作り方と注意点を解説

スピリタスはそのアルコール度数の高さから、果実酒づくりにも適している。普通の果実酒専用酒に比べてより短時間で漬け込むことができるので、スピリタスの使い方の中でも特に人気があるのだ。ではその中から、おすすめの梅酒のレシピを紹介する。
スピリタスで梅酒をつくろう
つくり方は簡単でホワイトリカーなどで梅酒をつくるときと同様、消毒した容器に梅と氷砂糖を重ねそこへスピリタスを加えたら完成。スピリタスを加えてからわずか数分で梅の色が変わり始めるほど、抽出時間が早いことが特徴だ。梅とスピリタスの分量はおよそ1対1。たとえば梅を1000g使用するなら、スピリタスは1000ml使用するのがよい。気になるアルコール感だが、漬け込むほどにスピリタスの強力なアルコール度数は落ち着き、非常に飲みやすい梅酒が完成する。とはいえ、アルコール度数の高いスピリタスを使っているので飲み過ぎには注意しよう。
4. スピリタス以外のお酒の度数は?

世界最高のアルコール度数を誇るスピリタスだが、他に流通している強いお酒のアルコール度数は一体どれほどのものだろうか。いくつか紹介していこう。
ウォッカのアルコール度数は?
一般で広く流通しているウォッカのアルコール度数の平均は40度ほどだが、同じウォッカに分類されるスピリタスのアルコール度数が96度であるように、さまざまな種類がある。また日本でもウォッカの製造は盛んであり、意外なことに世界で第2位のアルコール度数を持つウォッカは国産なのである。銘柄はドーバー社の「ドーバー スピリッツ」でアルコール度数は88度と、スピリタスに劣らず非常に高い。
テキーラのアルコール度数は?
テキーラの飲み方と聞くと、ショットグラスで楽しむ「テキーラショット」をイメージする人が多いだろう。このようなテキーラのイメージだけで、相当強いアルコール度数を想像してしまいそうだが、実はテキーラにはアルコール度数の下限、上限が法律で定められており、35度から55度までとなっている。また一般でよく飲まれるテキーラのアルコール度数は平均で40度ほどなので、焼酎の原酒やウイスキーと比べても、アルコール度数はさほど変わらないのである。
5. スピリタスを正しく理解して安全に利用しよう

スピリタスはウォッカの一種なので確かにお酒ではあるが、96度というアルコール度数の高さから火気厳禁の表記がされるように燃料の取り扱いと同様、慎重に使用する必要がある。ここに注意点をまとめよう。
火気厳禁は鉄則!
スピリタスを使用する際はタバコも含め、必ず周りで火を使ってはいけない。タバコのような小さな火種でも、火事や事故の原因となるケースは多く報告されているのだ。床や衣服にスピリタスが少量付着しただけでも、そこから発火する危険性は高い。厳重に注意しよう。
無理な一気飲みは絶対NG!
世界最高のアルコール度数という看板には大きな話題性があり、ときにそれを経験することがステータスと思われがちな部分もあることは事実。しかし、ただでさえ危険な一気飲みを度数の高いスピリタスで行うということは、最悪重篤な状態にも直結するということを理解してほしい。もちろん一気飲みを無理強いすることも言語道断、絶対にしてはいけない。
結論
スピリタスはそのアルコール度数から、ただお酒を飲むという感覚で気軽に楽しめる代物ではないが、しっかりと使用方法を守れば果実酒にもカクテルベースにも相性がいいなど、幅広く使えるお酒である。正しく安全に使用して、自分好みのスタイルでスピリタスを楽しんでもらいたい。