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グラッパとは?お酒についてや、ブランデーとの違いなど詳しく解説

グラッパとは?お酒についてや、ブランデーとの違いなど詳しく解説

投稿者:ライター 岡本優美(おかもとゆみ)

監修者:管理栄養士 水島知美(みずしまともみ)

鉛筆アイコン 2020年7月14日

グラッパとはイタリアの焼酎のようなお酒として有名である。日本では「粕取りブランデー」「火酒」などと呼ばれることもあるが、グラッパにはブランデーにない魅力もあるのだ。今回はそんなグラッパについて紹介し、おすすめの飲み方や銘柄なども解説する。

  

1. グラッパとは?お酒についてや、ブランデーとの違いを解説

グラッパの定義

グラッパは、ブドウを主原料にした蒸留酒である。とはいえその原料はブドウの果実そのものではなく、なんとワインを作る時にでる「しぼり粕」。そのため、ワインを蒸留して作るブランデーとは原料が違う。ブランデーは一度ワインとしてできあがったものを蒸留するのである。一方、グラッパはワインの搾り粕を発酵させ、さらに蒸留して作ることもあるお酒なのだ。赤ワインの搾り粕にはアルコール分が多いので発酵をさせなくても最高60度程度のアルコール度数になる。しかし、白ワインの搾り粕にはアルコール分はほぼない。そのため一度搾り粕を発酵させ、そこからグラッパに加工するのである。

グラッパの由来

原材料が搾り粕であるグラッパは、一般庶民がワインやブランデーなどのお酒に手を出せなかった頃に作られた。一説ではワイン農家がワインを作った後の搾り粕を見よう見まねで蒸留してできたのがグラッパだといわれている。当時は搾り粕に水を加えた「ヴィネッロ」を蒸留して作っていたという。10世紀ごろには流通してたという説もあり、実は古い酒なのだ。とはいえ庶民の酒であり、ブランデーのように作り方が統一されたこともない。そのため今でもグラッパには作り手の個性が光るのである。

グラッパの条件

実は、グラッパが「グラッパ」と呼称されるには条件がある。それはイタリア産である、ということ。なんとこの「イタリア産」ということはEUの法律で決まっている。例えばドイツでグラッパを作った場合、グラッパという商品名を使うことはできないのだ。さらに加水、再発酵などをしても「グラッパ」と名乗ることができない。伝統を守るためにかなり厳しい基準があるのだ。

2. グラッパにはどんな種類・ブランドがある?マールやシボーナとは?

「マール」とは

マールというのは、いわゆるフランス版グラッパのことだ。グラッパを探す時、検索候補に出てくることもあるため少し紛らわしいかもしれない。だが、実際は「フランス版のグラッパ」と考えていいだろう。マール、というのはフランス語では「砕く」という意味があるそうだ。ワインの搾り粕はかなり砕かれているので、名前の通りのお酒といえる。さてそんなマールだが、イタリアのグラッパと比較するとかなりブドウの味が濃いといわれている。とくにブルゴーニュやシャンパーニュといった、ワインや発泡性ワインの産地のマールはかなり有名である。しかも、グラッパは樽で熟成させず無色透明な蒸留酒だが、マールは樽で熟成させるため琥珀色のものが多いのも特徴だ。

グラッパの代表ブランド

さて、イタリアとフランスで呼び名が違う「グラッパ」だが、やはり本場イタリアのグラッパはとても有名である。最近ではイタリアワインでは最高級といわれる「バローロ」という地方のグラッパが最高級グラッパとして有名である。また、サッシカイアやルーチェ、オルチェカイアなどの高級ワインの生産地のグラッパも有名である。しかし、グラッパの元祖といえば「シボーナ」という会社のグラッパ。シボーナの蒸留所はイタリア・ピエモンテ州の中でも最も古く、これは他のグラッパの蒸留所と比較してもかなり古い部類のものである。そのため、元祖はシボーナやグラッパの生まれ故郷であるバッサーノといえるだろう。

3. グラッパの選び方とは?何を基準に選ぶべき?

グラッパを香りと味わいで選ぶ

グラッパはかなりブドウの香りが強いものである。透明なのにワインのようで、少し不思議な飲み口だ。グラッパの香りや味わいは原材料に左右され、主に赤ワインの搾り粕がメインであればアルコール度数も高い。白ワインの搾り粕の場合は最低アルコール度数が30度程度なので比較的飲みやすいとされる。そのため、香りが強く味も強いものを選ぶ場合は赤ワインベース、飲みやすいものを選ぶ場合は白ワインベースを選ぶとよい。

グラッパを飲み方で選ぶ

グラッパは基本的にストレートで飲むことが多いが、割り材を加えても美味しい。同じイタリアで開発されたエスプレッソコーヒーと組み合わせることもあるのが特徴である。ストレートで何杯も飲みたい場合はまろやかな口当たりの物を選ぶとよいだろう。まろやかな口当たりのものは、基本的に長く熟成させたものが多いので、古いグラッパがおすすめだ。一方で若いグラッパはコーヒーの苦味に負けない味わいである。そのため、味の強い割り材を使う場合に向いている。

グラッパをボトルで選ぶ

最近のグラッパは贈答用のためにボトルを凝ったものにしていることも多い。そのため、ボトルのデザインで選ぶのもいいかもしれない。とくにボトルは棚に置いて眺めておいてもよいデザインにしておくと、飲んでいる最中や飲み切った後もオブジェとして利用できる。またプレゼントする場合でもボトルがおしゃれであれば、もらう方もあげる方も嬉しくなるものだ。

4. グラッパのおすすめの飲み方とは?作り方も合わせて確認

基本的なグラッパの飲み方

グラッパを飲むときは基本ストレートがよい。冷蔵庫で冷やして食後酒として飲むと胃をさっぱりさせてくれる。また、割り材を使う場合は甘めの炭酸水を使うと飲みやすくなる

コーヒーを使ったアレンジ

イタリアの伝統的なグラッパアレンジに「レゼンティン」というものがある。これはまずエスプレッソコーヒーに砂糖を入れて溶かしきらないまま飲み、コーヒーの香りが移った砂糖の上にグラッパを入れて飲むというもの。さらにグラッパにコーヒー豆を入れ、そのコーヒー豆に火をつけてグラッパに香りを移し、2、30秒で火を消して飲む「グラッパ・コン・モスカ」という飲み方もある。

イタリアンスティンガー

グラッパを3、アマレットという杏の種の核から作ったリキュールを1の比で混ぜ合わせると「イタリアンスティンガー」というカクテルになる。アマレットが杏仁豆腐のような香りと味のリキュールなので、ぶどうと杏仁豆腐のデザートのようなカクテルとなる。飲みやすく、また口当たりも良いが度数が高いので飲み過ぎには気をつけたい。

5. グラッパのおすすめ銘柄5選

ボッデガ・アレキサンダーグラッパ

ボッデガ社はグラッパの世界シェア国が110か国とかなり大手の会社である。そんなボッデガ社のアレキサンダーというグラッパは芳醇な香りと優しい飲み口が有名である。3度蒸留しているために香りは立っているが、白ワインの搾り粕が原料なのでさほどアルコールが強いわけでもないのである。

ロマーノ・レヴィ グラッパ リゼルヴァ・ビアンカ

こちらも白ワインの粕ベースであるが、味わいはどっしりとして長く余韻のある飲み口。また、何よりも手書き風のラベルが可愛らしく、中にはプレミアの値が付くものも。グラッパの中では高価な部類である。

ベルタ ジュリア・グラッパ・ディ・シャルドネ

このグラッパは白ワインで有名なシャルドネ種のブドウの粕を使っている。シャルドネ種のワインの特徴であるバニラのような甘い香りが特徴であり、とくに女性に人気だ。

シボーナ バルべーラ・グラッパ

ピエモンテ州最古のグラッパ蒸留所として有名なシボーナ社。そんなシボーナ社のグラッパの中でも、このバルベーラはカリンの香りをつけた黄金のグラッパである。カリンの甘酸っぱい香りとブドウの香りが合わさって非常にいい香りがする。丸い栓も可愛らしく、人気があるブランドだ。

リアルト・グラッパ

ヴェネチアの有名な橋・リアルト橋を冠した名前のリアルト・グラッパ。毎日飲んでも飽きない味わいで、かなり爽やかですっきりとしている。メルロー種とシャルドネ種という、赤ワインと白ワインの原料となるブドウの粕をブレンドしているため、グラッパの風味を残しつつも爽やかな味わいを楽しめるのである。

6. グラッパに詳しくなって、いろいろな飲み方をしてみよう

グラッパはストレートで飲むのが基本だが、その際に気をつけたいのはグラスである。グラッパ用のグラスは独特な形をしているが、このグラスの形はグラッパの香りを存分に楽しむためのものだ。上の部分が少し開き気味の形になっているのは香りを少しずつ気化させるためである。ゆっくりグラッパを楽しむためにも、ぜひ専用のグラスを使ってみてほしい。

結論

グラッパは、イタリアの伝統的な庶民のお酒である。しかし最近では全世界に名前が轟くほど有名になった。イタリアでしか作ることのできない特別感と、高級なワインよりはお手軽な価格で購入できること、そして何よりもブドウの風味を力強く味わえることが魅力である。グラッパを見つけたり、もらう機会があった時には、ぜひともその風味を感じてみてほしい。
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インフォメーションマークアイコン20歳未満の飲酒、飲酒運転は法律で禁じられています。妊娠中・授乳中の飲酒はお控えください。お酒に関する注意事項はこちら
  • 公開日:

    2020年6月23日

  • 更新日:

    2020年7月14日

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