目次
1. 吟醸香とは?香る仕組みや成分などについても解説

吟醸香は「ぎんじょうか」という読み方で、吟醸造りによって製造された日本酒が持つ華やかでフルーティーな香りだ。吟醸香はメロンやバナナなどの香りに例えられることが多く、独特な香りに魅了される人も多い。吟醸造りと呼ばれる低温でゆっくりと酵母を発酵させる製法によって香りの成分が閉じ込められ、吟醸香が生み出されるのだ。
精米歩合との関係
精米歩合歩合とは、玄米の状態を100としたときの白米の重量の割合を表したものである。精米歩合が50%の大吟醸酒であれば、米の外側から半分は削り取られており、米の中心部分だけを使用しているということになる。米の外側部分には香り成分を抑制する脂質が多く含まれているため、これらを削りとるとよりフルーティな吟醸香が楽しめる日本酒になりやすい。
2. 吟醸香の香りがする香水とは?特徴や匂いを紹介

吟醸香はその特有のフルーティーな香りを活かし、香水などにも使用されている。世界に誇る日本の香りとして販売されているのだ。下記に吟醸香の香水を紹介する。筆者も使用しているものだが、華やかな落ち着いた香りで、自宅にいるときでも使用したくなるようなおすすめの香水である。
LUZ 有限会社ルズ 「J-Scent 花見酒」50ml 3,500円(税抜き)
トップの香りは吟醸香を中心に構成されており、ミドルでは桜やローズなど花の香り、ラストにはムスクなどの香りの変化となっている。蔦屋書店や東急ハンズ、オンラインストアなどで購入できる。
(※価格は2020年6月時点のもので変動の可能性がある)
(※価格は2020年6月時点のもので変動の可能性がある)
3. 吟醸香のような香りがするワインや焼酎はある?

吟醸香は日本酒だけのものではない。発酵段階で生じる独特の香りはワインでも感じることができる。山梨県甲州市で製造される「白ワイン甲州」などは、シュールリー製法と呼ばれる発酵後の滓り引きを行わない手法で、吟醸香を楽しむことができるワインのひとつだ。またイタリアのマルケ州で栽培される白葡萄の品種、ヴェルディッキオを使用した「ルヴィアーノ アンフォラ」も日本酒のような吟醸香が感じられる。
焼酎にも吟醸香
吟醸香は焼酎でも感じることができる。宝酒造株式会社「一刻者 白」は芋焼酎ながら、柑橘系のさわやかな香りを楽しむことができる。多くの焼酎で吟醸香を楽しめる新しいタイプの商品が販売されているので、挑戦してみてはいかがだろうか。
4. 吟醸香が苦手な人でも飲めるおすすめの日本酒

これまで吟醸香の魅力について解説をしてきたが、吟醸香が苦手という人も中にはいるだろう。そんな人のために吟醸香を感じない、または香りが弱いおすすめの日本酒についていくつか紹介をする。
白瀧酒造株式会社「上善如水 純米吟醸」
その名の通り、水のように澄み切った日本酒。もちろん日本酒の魅力もしっかり残しているが、クセがないためどんな料理にも合いやすい。パッケージもまるで水のようにクリアで、はじめて日本酒を飲む人にもおすすめだ。
株式会社新澤酒造店「伯楽星」
食中酒として高い評価を得ている日本酒。糖度が抑えられていて、飽きずにすっきりと飲むことができる。航空会社の食事に採用、きき酒イベントSAKE COMPETITIONでも受賞を果たすなど注目度の高い日本酒である。
5. 吟醸香を理解して日本酒をより楽しもう

日本酒は味だけでなく、香りも楽しむことができるお酒だ。吟醸香の成分には鎮静効果があることも証明されており、リラックスしたときなどにゆっくりと吟醸酒を飲んでみてはいかがだろう。また、吟醸香のほかにも熟成させた古酒などはカラメルやナッツのような香りを感じることができる。使用する酒器によって、香りの感じ方が変わるので、ワイングラスなどで吟醸香を楽しんでみるのもよいだろう。
結論
吟醸香は吟醸造りによって酵母がゆっくりと低温で発酵することで生まれる香りだ。華やかでフルーティーな香りを楽しむことができ、香水などにも使用されている。精米歩合などによっても香りが異なるので、さまざまな日本酒を比べてみてはいかがだろうか。