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007のカクテル【ヴェスパー】とは?ボンドの愛したお酒を解説

007のカクテル【ヴェスパー】とは?ボンドの愛したお酒を解説

投稿者:ライター 岡本優美(おかもとゆみ)

2020年7月26日

映画や小説で大人気のジェームズボンドシリーズ、あるいは007シリーズは原作者のイアン・フレミングが酒好きなのも相まってカクテルをはじめとするお酒の描写が多い。英国紳士のスパイが嗜むカクテルのイメージは男らしく知的で、なおかつかっこいい。そんな007に登場するカクテルの中でも007オリジナルのカクテル・ヴェスパーについて徹底解説する。

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1. ヴェスパーは「007」のマティーニ!

007ことジェームズ・ボンドはイギリスの諜報機関・MI6所属のスパイである。彼の特徴は大酒飲みで紳士的、そしてボンドガールと呼ばれる美女と恋の駆け引きをすること。ここではそんなボンドガールの中でも一作目で登場するボンドガール、ヴェスパー・リンドの名を冠するカクテル「ヴェスパー」について解説する。

ヴェスパーとボンド

007ことジェームズ・ボンドが原作小説に初めて登場するのはシリーズ1作目の「カジノ・ロワイヤル」。この作品ではスパイとして昇格したジェームズ・ボンドの初任務がメインに描かれている。ボンドは国際テロ組織を潰す中で、とあるカジノでバカラという賭けを黒幕であるル・シッフルと行う。そこで負けかけたボンドを救う美女が現れる。その美女の助力でカジノの勝負に勝つのだがその勝負の中で細かい指定のマティーニを注文する。このマティーニこそがのちにボンドによって「ヴェスパー」と名付けられるカクテルなのである。

映画のヴェスパー

2006年にはダニエル・クレイグが主演する「カジノ・ロワイヤル」が公開された。ここでもヴェスパーは登場する。ボンドがやはり美女・ヴェスパーに助けられた後、賭けの最中にオリジナルカクテルをバーテンダーに頼む。その後同じ注文をヴェスパーとの食事の際に注文するシーンがある。その際にこのカクテルをヴェスパーと呼ぼう、という台詞がある。苦いから自分の名前をつけるのか、とヴェスパーにからかわれたボンドは、これしか飲みたくないからと答えるのだ。

2. ヴェスパーの意味

007のカジノ・ロワイヤルは愛と裏切りの物語である。詳しくは本編を見てほしいが、ボンドの冷徹さ、誰にも心を開かない性格を形作ったのはこの1作目だ。そんな中でもキーパーソンであるヴェスパー・リンドとカクテルのヴェスパーについて詳しく解説する。

ヴェスパーとは

そもそもイタリア語のヴェスパーとはスズメバチの意味である。その名前のついた1作目のボンドガールであるヴェスパー・リンドは財務省勤務のビジネスウーマンでありながら色男であるボンドになかなかなびかない。むしろドライな関係性であることを迫る。とげのある態度を取る美女に惚れ込むのは他の作品におけるジェームズ・ボンドとは少し違う。これはカジノ・ロワイヤルが「ジェームズ・ボンドが007になるまで」を描いた物語であるため。カクテルのヴェスパーはそんなボンドとヴェスパーの恋の駆け引きを象徴しているのであろう。

ヴェスパーの由来

ボンドが生涯で最も愛したとされる女性がヴェスパー・リンドである。そんな彼女の名前を冠したカクテルを作るというのは、彼女との本気の恋愛の象徴といえるだろう。だが作中では結婚まで考え、辞表を提出するが直後に裏切られたことがわかる。しかしその裏切りも実際にはボンドの命を守るためであったヴェスパー。最後は自ら水中に消えていくというのがボンドとヴェスパーのロマンスの結末なのである。

3. ヴェスパーマティーニの作り方

では実際にヴェスパーマティーニを家でも作って飲んでみよう。マティーニ自体はかなり辛口のカクテルであるが、ヴェスパーマティーニはアペリティフ(食前酒)用白ワインを使用するので飲みやすいと言われている。

キナ・リレとリレ・ブラン

本来のヴェスパーは、現在少なくとも日本では作ることができない。というのも、本来のレシピに必要な白ワインはキナ・リレといってキニーネの入った白ワインだからである。このキナ・リレ自体が生産停止中ということもあるが、何よりキニーネは日本で劇薬として指定されている。そのためキナ・リレは、たとえ生産が再開されても日本では入手不可なのである。ただ現在ではキナ・リレの代わりにリレ・ブランというキニーネの入っていない白ワインを使うレシピがある。

ヴェスパーマティーニのカクテルレシピ

ここでは、株式会社武蔵屋の公開するヴェスパーのレシピを引用する。

ドライジン90ml
ウォッカ30ml
リレ・ブラン15ml
レモンの皮適量

これらの材料を氷を入れたシェイカーに入れ、カクテルグラスに注ぐ。最後にレモンの皮を飾って完成である。

リバース・ヴェスパーのカクテルレシピ

ヴェスパーにはアレンジレシピがあり、それがリバース・ヴェスパーと呼ばれるカクテルである。リバースとはひっくり返す意味で、その名の通りリレ・ブランとドライジンの量が逆転したレシピである。ここではリレ・ブランの販売元、ペルノリカールジャパンが公開するレシピを引用する。

リレ・ブラン50ml
ドライジン10ml
ウォッカ20ml
レモンピールまたはオレンジピール

作り方はヴェスパーと同じく、シェイカーで振って混ぜる。

4. ヴェスパー以外の「007」マティーニ

007は原作者のイアン・フレミングがお酒好きだったこともあり、フレミングの嗜好が登場するカクテルのレシピにも反映されている。ここでは007に登場するマティーニ、通称ボンドマティーニについて解説する。

ボンドマティーニとは

「Vodka martini, shaken not stirred.」ウォッカマティーニを、ステアではなくシェイクで─。この台詞は007の中でもかなりの有名度を誇るのではないだろうか。事実「A martini. Shaken, not stirred」(1964年、007「ゴールドフィンガー」より)はAFIというアメリカ映画研究所が発表した、アメリカ映画名台詞100選の中にもノミネートされるほど。それほど007とマティーニの関係は深いのである。

ウォッカマティーニのカクテルレシピ

ウォッカマティーニはボンドマティーニの中で最も有名である。ウォッカマティーニの作り方は「カクテル完全バイブル」(渡邉一也、株式会社ナツメ社、2019)から引用する。

ウォッカ50ml
ドライ・ベルモット10ml
スタッフドオリーブ1個

本来はこれらをステアといって混ぜて作るが、ボンドマティーニにする場合は氷を入れたシェイカーで混ぜるようである。味わいはアルコール味が強く、かなり辛口でキリッとした味わいである。

結論

007に出てくるヴェスパーは若きスパイの恋と悲劇的なロマンスの象徴でもある。自分の愛する女性の名前をオリジナルカクテルにつけるというきざな行為で誕生したヴェスパー。そんなカクテルに思いを馳せながら、家で再現したり、あるいはヴェスパーを片手に007を鑑賞するのもおしゃれかもしれない。

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