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テキーラのアルコール度数はどのくらい?ほかのお酒との比較も解説!

テキーラのアルコール度数はどのくらい?ほかのお酒との比較も解説!

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年8月12日

「テキーラ」と聞くとアルコール度数が高いイメージがあるが、実際のところどうなのだろうか?テキーラの基礎知識を解説するとともに、アルコール度数についてほかのお酒との比較も交えて紹介する。美味しく楽しむための上手な飲み方やおすすめのテキーラ3選とあわせてぜひ参考にしてほしい。

  

1. テキーラとは?アルコール度数は高い?

そもそもテキーラとはどういったお酒なのか、まずは基本的なところを解説しよう。

テキーラとは

テキーラはメキシコ・ハリスコ州の、その名も「テキーラ」という土地で作られる蒸留酒のことである。シャンパンなどと同じ原産地呼称というわけだ。メキシコ国内で認定されている5州以外で作られたものはテキーラと銘打つことはできない。

テキーラの原料と歴史

テキーラはもともと「プルケ」というお酒だった。このプルケは西暦200年ごろにすでにメキシコにあったとされている。テキーラもプルケも、原料はアガヴェというリュウゼツラン(竜舌蘭)の茎である。テキーラの発見には諸説あり、山火事が発生したときリュウゼツランの茎のあたりにプルケができていた、というものまである。

赤道に近い国では糖蜜が自然発酵することがあり、テキーラの前身のプルケもそうしてできた可能性がある。しかし普通のアルコール濃度では腐敗しやすいため、蒸留するようになったのかもしれない。テキーラが蒸留酒である理由も、メキシコという風土によるところが大きいだろう。

テキーラはアルコール度数が高い?

テキーラとなる条件の中に「最低2回以上の蒸留」という項目がある。蒸留とは、簡単にいえばアルコール度数を高める工程のことだ。そのため、蒸留の工程を経ないワインや日本酒といった醸造酒よりアルコール度数が高い。

だが高いとはいえ、テキーラのアルコール度数は認定機関によって35〜55度と規定されている。テキーラと同じ蒸留酒に分類されるスピリッツの中には、アルコール度数が90度というものもあるので、それと比較するとアルコール度数が限定されており、かつべらぼうに高いというわけではない。

2. アルコール度数を決めるテキーラの作り方

テキーラの製造工程についてもう少し詳しく解説しよう。

テキーラができるまで

テキーラは、リュウゼツランの一種であるアガヴェの茎を使って作るとお伝えしたが、このアガヴェは「アガベ・アスール・テキラーナ」という種のみを使う。茎だけを粉砕圧縮し、まるでサトウキビから黒糖を作るように糖蜜を絞るのである。その後アガヴェシロップを発酵させ、2回以上蒸留する。

ただし、蒸留しただけではアルコール度数が60度以上のため、水を加えて基準に沿うようにアルコール度数を調整するのである。

3. テキーラの種類とアルコール度数

続いて、テキーラ種類とそれぞれのアルコール度数について見ていこう。

テキーラの分類について

原料で分類した場合「アガヴェ100%のテキーラ」と「アガヴェを51%以上使用したテキーラ」に分かれる。後者はサトウキビ由来の糖蜜などが加わったものだ。また樽熟成の期間によっても以下のように分類される。

「ブランコ」「レポサド」「アネホ」「エクストラアネホ」の違い

  • ブランコ:樽熟成を経ないか、樽詰めして60日未満のもの
  • レポサド:樽熟成期間2カ月以上1年未満のもの
  • アネホ:樽熟成期間1年以上3年未満のもの
  • エクストラアネホ:樽熟成3年以上のもの
ブランコには「白」、レポサドには「休ませた」、アネホには「熟成させた」という意味がそれぞれある。熟成期間が長いほど高級なテキーラと考えていただいてよいだろう。なおエクストラアネホはたいへん貴重な原酒といわれている。メキシコは気温が高く、樽熟成の間に蒸散してしまうことが多いためだ。

「クエルボ・トラディショナル・シルバー」アルコール度数:38度

トラディショナルの名が表す通り、クエルボ産のテキーラの中でもとくに伝統的な製法にこだわって作られたものである。原料はアガヴェ100%で、蒸留を2回しかおこなわないため38度と、テキーラの中では低めのアルコール度数である。

樽で熟成させずお酒が透明であることから「シルバー」という名がつけられている。透明なためスピリタスのように高いアルコール度数と思われがちだが、昔ながらの製法で作られるテキーラのアルコール度数はそこまで高くはない。

「ドン・フラノ ブランコ フエルテ」アルコール度数:50度

こちらもクエルボ・トラディショナル・シルバーと同じく、樽の熟成をさせていないアガヴェ100%のテキーラだ。蒸留も同じく2回だが、こちらは蒸留にかける時間が長いという特徴がある。そのため、アルコール度数は50度とテキーラの中でも高めだ。フエルテとはスペイン語で「強い」という意味であり、このテキーラが平均的なテキーラよりも強いものであることを示している。

「サウザ ブルー レポサド」アルコール度数:40度

サウザ地方のテキーラの中でも、日本でよく流通してるのがこのテキーラだ。こちらもアガヴェ100%だが、上記2つと違い琥珀色がついている。これこそが熟成したテキーラの特徴である。アルコール度数は40度で、平均的なテキーラの度数といえるだろう。

4. テキーラとビールやウォッカなどとのアルコール度数を比較すると?

テキーラと、ビールやウォッカといったそのほかのお酒とのアルコール度数を比較してみよう。なおビールなどは「◯度」ではなく「◯%」で表すことがあるが、意味としては同じだ。

テキーラとビールのアルコール度数の違い

ビールのアルコール度数は平均5度程度である。だが中にはハイアルコールなビールもあり「バーレイワイン」という種類のビールは12度ほどだ。それでもテキーラの35度〜にはほど遠いが、これはビールが蒸留酒ではないためである。ビールと比べると、蒸留酒であるテキーラの方が度数は高い。

テキーラとジンのアルコール度数の違い

ジンとは、主に穀物とジュニパーベリーでできた蒸留酒である。ジンにもさまざまな種類があるが、有名な「ボンベイ・サファイア・ジン」のアルコール度数は47度と、強めのテキーラとほぼ同等である。テキーラのように規定がないため、さまざまなアルコール度数のジンが流通している。

テキーラとウォッカのアルコール度数の違い

ウォッカはアルコール度数が高いお酒というイメージを持っている方も多いだろう。確かに高めのものが多いが、40度程度のものもある。たとえばサントリーの「サントリーウオツカ 80プルーフ」などはまさに、アルコール度数40度程度のウォッカだ。蒸留酒は蒸留する回数によってアルコール度数が変わるため、高いものからそこまで高くないものまでいろいろな種類がある。

5. テキーラは種類やアルコール度数でいろいろな飲み方が楽しめる

テキーラにはいろいろな飲み方がある。種類やシーンなどによって楽しみ方を変えることができるので、ぜひ覚えておこう。

ショット

テキーラといえばショットという方は多いだろう。とくに、冷凍庫でキンキンに冷やしたテキーラをグイッとやる「コールドショット」は暑い夏に最高だ。アルコール感も抑えられるため、飲みやすいのが特徴である。

ストレート

アガヴェ100%のテキーラは、シャンパングラスなどに注いでまずストレートでその香りや甘みを感じてみてほしい。常温でもOKだが、少し冷えた状態のテキーラをストレートで飲むのもおすすめだ。

ロック

ストレートでは強すぎるという方はロックで飲んでみよう。ストレートよりもまろやかなうえ、氷が溶けるにつれて味わいの変化も楽しめる。ロックアイスがおすすめだが、クラッシュアイス(1cm角程度の小さな氷)も合うのでぜひ試してみてほしい。

炭酸割りやカクテル

上述したクエルボなどはとくに、ソーダやコーラ、ジンジャーエールやトニックウォーターなどで割って飲むのに適している。割材4、テキーラ1の割合で作ってみよう。また、ほかのお酒と混ぜてカクテルにしても美味しい。「テキーラ・サンライズ」や「ロングアイランド・アイスティー」などいろいろなカクテルがある。

ライムや塩は必要?

テキーラといえばライムや塩とセットというイメージもある。とくにショットでは必ずといっていいほどだ。ライムに含まれるビタミンCはアルコールから喉を守るといわれており、また塩にはテキーラの甘みを増幅させる効果があるという。熟成され甘みがあるテキーラなどでは必須ではないが、ライムや塩はテキーラと相性がよく伝統的なスタイルであることは間違いない。飲み方によって取り入れてみるとよいだろう。

6. テキーラなどアルコール度数が高いお酒の上手な飲み方

テキーラなど、ビールやワイン、日本酒などと比べてアルコール度数が高いお酒を美味しく飲むための、上手な付き合い方を知っておくことも大切だ。

空腹時の飲酒は避ける

これはアルコール度数に関わらず大切なことだが、空腹時の飲酒は極力控えよう。体内に吸収されるスピードが速まるため、一気に酔いが回るおそれがある。食事やつまみと一緒に飲むなど工夫しよう。

チェイサーを用意しておく

チェイサーとはメインで飲んでいるお酒(ここではテキーラ)よりもアルコール度数が低いドリンクのことである。したがってビールなどもチェイサーとして出されることがある。テキーラのチェイサーとして出されることが多いのは水だが、ビールなどを出されないか不安な方はバーテンダーに先に伝えておくようにしよう。

ショットの危険性も再確認しておこう

テキーラの中でも透明なものは「コンジナー」という、悪酔いの原因とされる成分が少ない。だが樽で熟成させたものは酔いやすいとされている。蒸留酒の中でも飲みやすいため、割り材で薄めると気づかないうちにかなり飲んでいる場合もある。薄めたテキーラであっても、何杯も飲めば当然酔うので飲酒量には気をつけよう。

とりわけショットで何杯も立て続けに飲んだ場合などはトラブルにつながるケースもあることから、あまりよいイメージがない方も多いかもしれない。ショットグラス1杯分約30mlなので、アルコール度数40度のテキーラであれば10g近いアルコールを摂取することになる。時間をかけて飲むこと、体調や自分にとっての適量を超えないこと、嫌がる他人には絶対に飲ませないことなどは最低限、守ることが大切だ。

7. アルコール度数が低めのテキーラおすすめ3選

ひとくちにテキーラといっても実にさまざまな種類があるが、ここでは比較的アルコール度数が低めのものに限定しておすすめを紹介する。

「タランチュラ アズール」アルコール度数:35度

鮮やかな青色がキレイなテキーラだ。爽やかでやや甘めの口当たりや、天然シトラスを配合したフレーバーが特徴である。テキーラ初心者の方や女性にもおすすめだ。

「クエルボ・トラディショナル・レポサド」アルコール度数:38度

昔ながらの製法で抽出された蒸留液を4カ月以上熟成させたテキーラである。甘さとスパイシーさのバランスがよく、ハーブやフルーツ系の香りを楽しむことができる。

「サウザ ブルー」アルコール度数:40度

新鮮なアガヴェを100%使用したテキーラで、フローラルな香りと柑橘系の味わいの絶妙なバランスが人気だ。カクテルやストレートなどいろいろな楽しみ方ができる。

8. テキーラはアルコール度数より「味わい方」を重視しよう

お伝えしてきたように、テキーラはビールなどと比べるとたしかにアルコール度数は高いが、35〜40度程度のものも多い。ショットのみならずストレートやロック、炭酸割りやカクテルなど季節・種類・シーンなどでさまざまな楽しみ方ができるのはテキーラの魅力だ。アルコール度数ももちろん大切だが、ぜひ味わい方にこだわって飲んでみてほしい。

結論

テキーラの多くはアルコール度数50度以下である。無茶な飲み方さえしなければ悪酔いするお酒ではない。空腹時を避ける、きちんと水を飲む、少しずつ味わう、摂取量を考えるなどして、ぜひ楽しいお酒の席にしてほしい。
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  • 公開日:

    2020年7月 9日

  • 更新日:

    2021年8月12日

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