テキーラサンライズは情熱のカクテル！自宅で楽しむ方法を徹底解説

では、まず最初にテキーラサンライズとはどんなカクテルなのかを解説していこう。ロック・ミュージックとの深い関わりやカクテルの持つ意味など、魅力たっぷりのエピソードは知っておいて損はないだろう。

テキーラサンライズとロックには深い関わりがある。まず、イギリスの伝説的ロックバンドであるローリングストーンズのボーカル、ミック・ジャガーが1972年のメキシコ公演時にテキーラサンライズに夢中になり、飲み続けていたといわれている。また、その翌年にリリースされたアメリカのロックバンド、イーグルスの2枚目のアルバム「ならず者」から、テキーラサンライズという楽曲がシングルカットされたことなどもあげられる。このように、ロックバンドの大ヒットとともにカクテルも人気が広まっていったのである。

1988年にはロバート・タウン監督による映画、テキーラサンライズが公開された。メル・ギブソンが主演を務めるこちらの映画は男女の複雑な三角関係を描いたものだ。これはイーグルスの楽曲、テキーラサンライズの歌詞にもある通りの物語ではないかとされている。歌い出しの一節にある、「テキーラサンライズをもう一杯くれないか」と直訳できる部分だが、これは朝焼けとテキーラサンライズの色合いが似ていることをかけた表現とされており、友人の恋人と一夜を明かしたという隠喩ではないかともいわれている。「熱烈な恋」というカクテル言葉を持つテキーラサンライズだけに、いろいろな解釈があるのもまた面白いところである。

テキーラサンライズは朝焼けのような美しいグラデーションが特徴のカクテルだ。ただ材料を混ぜ合わせるだけでは上手にグラデーションを表現できない。基本的なレシピとともに、グラデーションの作り方も覚えておこう。

本格的にテキーラサンライズを楽しむためには、グラス選びや最後の仕上げなどはレシピ以上に大事なポイントになる。せっかくテキーラサンライズを楽しむのなら、バーで提供されるもののように、見た目も本格的に楽しみたい。

テキーラサンライズに使用するグラスは、ゴブレットグラスや大きめのワイングラスなど、フロート型のグラスを選ぶようにしよう。上から徐々に濃くオレンジのグラデーションが変化していく様子も楽しみながら、じっくりと味わいたい。

材料を混ぜ合わせてグラデーションも上手に作れたら、忘れてはいけないのが仕上げのひと手間。仕上げにグラスのふちにカットしたオレンジやサクランボを添えると、見た目もさらに本格的だ。人に振る舞うときも喜ばれるひと手間となるので、ぜひ実践したいポイントである。

少し味を変えたいときなどに覚えておきたい番外編レシピが、テキーラサンセットだ。レシピは簡単で、テキーラサンライズで使用するオレンジジュースをレモンジュースに変えるだけでOK。グレナデンシロップの赤みがさらに強調され、日の入りを連想させる色合いのカクテルになる。クラッシュアイスと一緒に楽しんでみよう。

テキーラサンライズの飲み方は基本的にはなく、それぞれの好みの飲み方で飲めばよい。ただ、飲み方によって味わいが変わるということは覚えておきたいポイントだ。

テキーラサンライズのような美しいグラデーションがあるカクテルを飲むときに考えることは、混ぜて飲むのが正解か、もしくは混ぜずにそのまま飲むのか、ということだろう。グラデーションを作るグレナデンシロップはノンアルコールである。つまり、カクテルの甘さを引き立てる役割を持つと思えばよい。そのまま混ぜずに飲めば、底へ近づくたびにグレナデンシロップの甘さが強くなり、味の変化を楽しめる。混ぜて飲めば、オレンジジュースとグレナデンシロップが絶妙に合わさった味わいになる。自分好みにテキーラサンライズを楽しんでみよう。

グラスのふちに塩をつけていくスノースタイルもまた人気の飲み方のひとつだ。グラスのふちにレモン果汁をひとまわしつけてから塩をつけるとやりやすい。基本のテキーラサンライズに慣れたら、一度試してみるとよいだろう。