1. 写楽の由来、蔵の歴史

写楽の蔵元は、福島県会津若松市にある宮泉銘醸株式会社である。鶴ヶ城という有名な観光地のそばに蔵を構えている。写楽のほかに醸造される代表的な銘柄として、蔵の名と同じ「宮泉」が有名だ。
酒造りに恵まれた環境
宮泉銘醸のある会津地方は、福島県の西部に位置した山間部に囲まれた盆地である。また、多くの河川が合流する地域でもあり、湧き水も豊富だ。さらに、季節による寒暖差や粘土質の多い土にも恵まれ、米・酒造りには最適な環境である。そんな場所で宮泉銘醸が創業したのは1955年のこと。現在の社長・宮森義弘氏は四代目となる。
写楽は復活した日本酒?
写楽はもともと宮泉銘醸が開発した日本酒ではなかったそうだ。会津地方の城下町では酒造りがさかんで、同じ地域で蔵を構えていた東山酒造が写楽を醸造していた。ところが東山酒造が廃業をむかえることとなり、宮泉銘醸が写楽を引き継いだのである。その後はリニューアルされ宮泉銘醸オリジナルの写楽として生まれ変わった。「皆に愛される日本酒」を目指し職人たちの努力の末生み出された新しい写楽は、全国新酒鑑評会で4年連続金賞を受賞するまでに成長した。
2. 写楽の特徴、味わい

湧き水や気温、土地など豊かな環境に恵まれた蔵元で醸造される写楽には、多くのこだわりが詰まっている。地元の良質な水とその水によりつくられる良質な米。そして、原料のよさを余すことなく酒に生かす造り手の心意気により、極上の味わいが生み出されるのである。
米づくりへのこだわり
写楽の原料となる米は、銘柄によって使い分けられている。いずれも宮泉銘醸が地元農家と契約し、ともに栽培した酒造りに適した米ばかりだ。また、県外の好適米産地で作られた米にもそれぞれ異なる特徴があることを評価して使用している。
どんな人にも愛される日本酒
写楽には多くの銘柄があり、それぞれ味の特徴も異なる。これは、人によって好みが違うことを踏まえたうえで、どんな人にも愛される日本酒を目指していることの表れなのだ。月ごとにラインナップがあり、季節の変化を楽しみながら味わえるのも写楽ならではの魅力といえるだろう。人気銘柄「純愛仕込」のネーミングからも、蔵元の想いが感じられる。
旨みたっぷりでフルーティー
日本酒好きはもちろん、日本酒の美味しさを知らない人でも飲みやすいといわれる写楽。豊かな旨みと熟した果実のような芳醇な香りに加え、ほどよい酸味や苦みが感じられる。絶妙な風味のバランスとすっきりとしたのどごしが、多くの人をうならせてきた銘酒なのだ。それだけしっかりとした味わいを持ちながら、料理の邪魔をしないため食中酒としても楽しむことができる。
3. 写楽の商品情報
写楽にはさまざまな種類があるが、最もオーソドックスなのは通年入手することができる「写楽 純米酒」である。初めて写楽を飲むならまず試しておきたい。フルーティーな香りとバランスの取れた味わいが楽しめる。冷やして飲むのがおすすめだ。
写楽 純米酒
・特定名称:純米酒
・原料米:米・米麹(会津湊町産「夢の香」)
・精米歩合:60%
・アルコール度数:16度
・容量と価格(税込み):1,800ml(3,080円)、720ml(1,540円)
・原料米:米・米麹(会津湊町産「夢の香」)
・精米歩合:60%
・アルコール度数:16度
・容量と価格(税込み):1,800ml(3,080円)、720ml(1,540円)
結論
同じ写楽でも、出荷月によってどのように味が違うのか試してみたいという人も多いのではないだろうか。2016年からは極上とされる純米大吟醸も毎年醸造されるようになった。さまざまな写楽を飲み比べて、お気に入りの銘柄を見つけるのも楽しそうだ。
*価格は2019年10月のもの
*価格は2019年10月のもの
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