1. ガリアーノとはどんな味?

世界中で多くの種類があるリキュールだが、ガリアーノと聞いてもピンとこない人もいるだろう。ここではガリアーノについての歴史や味わいなどを解説する。ガリアーノのカクテルレシピを知る前に、基本は押さえておこう。
ガリアーノの歴史
ガリアーノは、1896年にイタリア・トスカーナで生まれた歴史の深いリキュールである。見た目にも美しい黄金色が特徴だ。ガリアーノの原料には地中海産のアニスやネズの実、ペパーミント、バニラ、ラベンダーなど、さまざまな香草類が使用されている。現在流通しているガリアーノは以前までのレシピをそのままに、さらに洗練された味わいを実現したガリアーノ・オーセンティコがメインである。また、ボトルデザインにも深いこだわりが見られる。独特の細長いボトルデザインは、イタリア・ローマ建築の柱のデザインがモチーフとなっている。ガリアーノの味わいを長く支えていくという意味合いが強く込められたデザインなのである。
ガリアーノの味わい
ガリアーノは、さわやかに香るフレッシュな風味と、舌に広がるアニスの力強い味わいが特徴だ。また、しっかりと余韻に残る香草の風味もガリアーノならではの魅力のひとつである。まるで「飲むアロマセラピー」とも称されるほど香りが高い。さまざまなカクテルベースにも相性がよく、使い勝手のいいリキュールとしてバーテンダーからも高い評価を受けている。
2. ガリアーノを使ったカクテル

では、ここでは実際にガリアーノをベースに使用したカクテルレシピを紹介していこう。混ぜ合わせるだけのお手軽レシピから、シェイカーを使用したバーで提供されるような本格レシピまで、さまざまなレシピがある。ガリアーノの香り豊かな味わいを、ぜひ自宅でも楽しんでもらいたい。
ハーベイ・ウォールバンガー
ハーベイ・ウォールバンガーで使用する材料と分量は、ガリアーノを30ml、ウォッカを10ml、オレンジジュースを80mlだ。まず氷を入れたコリンズグラスなどの長めのグラスにウォッカとオレンジジュースを注ぎ、軽く混ぜる。そこへガリアーノをゆっくりとフロートさせれば、ハーベイ・ウォールバンガーの完成だ。仕上げにオレンジをグラスのふちに添えれば見た目も美しい。オレンジジュースの酸味、苦味がガリアーノの風味と見事にマッチした、飲みやすいカクテルである。ハーベイ・ウォールバンガーはガリアーノをベースに使用したカクテルの定番レシピである。これからガリアーノを飲み始める人は、まずハーベイ・ウォールバンガーから試してみよう。
ゴールデン・ドリーム
ゴールデン・ドリームはシェイカーを使用するカクテルだ。使用する材料と分量は、ガリアーノ、ホワイトキュラソー、生クリーム、オレンジジュースを全て15mlの分量でシェイカーに注ぎ、しっかりシェイク。ゆっくりカクテルグラスに注いだら、ゴールデン・ドリームの完成だ。クリーミーな甘いカクテルだが、ホワイトキュラソーとオレンジジュースが加わることでさっぱりとした味わいも楽しめるカクテルである。
ゴールデン・キャデラック
ゴールデン・キャデラックもシェイカーを使用するカクテルである。作り方や材料はゴールデン・ドリームと似ており、同じガリアーノを使用する甘いカクテルとして、こちらも高い人気を誇っている。使用する材料と分量は、ガリアーノ、クレーム・ド・カカオホワイト、生クリームを全て20mlの分量でシェイカーに注ぎ、しっかりシェイク。ゆっくりカクテルグラスに注いだら、ゴールデン・キャデラックの完成だ。チョコレートと生クリームの甘さと、ガリアーノの風味が引き立った味わいが特徴で、食後のデザートとしても楽しめるカクテルである。
3. イタリア式ガリアーノの楽しみ方

前項ではガリアーノを使用したカクテルレシピを紹介したが、ここでは本場イタリアならではのガリアーノの楽しみ方をいくつか紹介しよう。
ストレートやロックは一般的?
実はガリアーノの本場であるイタリア・ミラノでは、ガリアーノはカクテルではなくストレートやオン・ザ・ロックスで飲むことが一般的といわれている。またガリアーノは甘いリキュールに分類されるため、デザートワインを飲む感覚で楽しむ人も多いという。つまり本場では意外なことに、ガリアーノをカクテルで飲むことが通好みの飲み方とされているのである。
ドルチェと合わせても美味しい
ドルチェとはイタリア語で「甘い」を意味する言葉であり、食後のデザートもドルチェといわれる。ガリアーノはその香りや味わいからドルチェとの相性もよく、たびたびお菓子作りの材料としても重宝されてきたという。前述の通り、ガリアーノをデザートワイン感覚で飲む人は多いとされるが、食後のドルチェをガリアーノとセットで楽しむのもまた、本場イタリア流なのである。
結論
ガリアーノは日本ではあまりメジャーなリキュールとはいえないが、イタリアでは一般的に飲まれている歴史の深いリキュールなのである。カクテルで楽しむもよし、本場流でストレートやオン・ザ・ロックスで楽しむもよし。本記事をきっかけに、ぜひ好みのスタイルでガリアーノを味わってみてほしい。