1. ジンとは?お酒の定義や味、言葉について解説
ジンは蒸留酒なので日本酒やビールよりも度数が高い。だがそれ以外にはどんな特徴があるのだろうか。まずはジンの特徴について解説しよう。
ジンとは?
ジンは英語で「Gin」と書き、穀物やジュニパーベリーという木の実をはじめとする植物成分(ボタニカル)をブレンドして蒸留したお酒だ。このジュニパーベリーには薬効があるとされており、3500年前のエジプトでも既に薬用として認められていた。そんなジュニパーベリーを使ったジンの前身である「ジュネバ」がオランダで開発され、その後イギリスに持ち込まれる。イギリスではジンは薬用酒として開発された。特にジンはイギリス海軍の将校に支給されたとされている。
ジンの度数や味わい
ジンは蒸留酒なので醸造酒よりは度数が高く、37度程度のものから50度近いものがある。味わいはアルコール味が強く、また風味づけに使用されているジュニパーベリーのさわやかな香りがする。クラフトジンという、その土地の特産品を使ったジンであればその土地のボタニカルを感じることもある。
2. ジンというお酒にはどんな種類がある?
ジンといっても、かなり種類がある。オランダやイギリス、ドイツ、また日本やその他の地域でもジンは醸造されているが、それぞれに特徴があるためだ。いくつか種類を紹介しよう。
ジュネヴァ
ジュネヴァはオランダ・ジンとも呼ばれ、イギリスで開発されるジンの前身となったお酒。クラシックジンとも呼ばれるほど製法が古い。糖化させてアルコール濃度をあげ、蒸留を1回しかしないために風味が濃く甘口のジンである。
ドライ・ジン
ジュネヴァがイギリスに伝えられた後イギリスで作られるようになったジン。クセが強い味わいだが、カクテルベースとして使われることも多い。
トム・キャット
ドライ・ジンを作る際に、さらに砂糖やサトウキビでできた蒸留酒を足すなどで甘みを足したジン。甘口なのでドライ・ジンよりも飲み口が柔らかいことが特徴である。
シュタインヘーガー
ドイツのシュタインハーゲン村で開発されたジン。このジンの最大の特徴は、ジュニパーベリーだけで発酵させたお酒と穀物でできたお酒を合わせて蒸留することだ。生のジュニパーベリーを使うので、ドライ・ジンよりもクセが少なく滑らかな味わいである。
3. ジンというお酒に合う料理やおつまみは?
ジンの辛口の味わいと独特の香りは、料理によってさらに引き出される。そこで、ジンをロックや炭酸水で割るなど、シンプルに飲む場合に合う料理を解説する。
ジン×カレー
ジンもカレーも、ともにスパイスが入ったお酒や料理だ。しかもカレーはイギリスでアレンジされて日本に伝わったともいわれている。そのためカレーとジンの相性は抜群である。科学的な分析もされており、そこでもカレーとジンの相性はかなり高いことが判明している。
ジン×酢漬けのオリーブ
ジンをベースにしたカクテルの中に「マティーニ」というカクテルがある。このマティーニには酢漬けのオリーブが入っていることから、酢漬けのオリーブとジンの相性もよいことがわかる。酸っぱいオリーブは口の中をさっぱりさせてくれるので、ついお酒が進んでしまう。飲み過ぎには気をつけよう。
ジン×中華料理
クセのある味わいとすっきりとした香りが特徴のお酒であるジンは、中華料理などの濃い味付けの料理とも相性がぴったりだ。アサヒビールの公開するレシピには、ジンに合うおつまみとしてイカシュウマイを解説している。もちろんこれ以外にも麻婆豆腐などでも可能だろう。
4. ジンというお酒のおすすめの飲み方は?レシピ・作り方も合わせて確認
ジンにはさまざまなカクテルがある。そこで、いくつか有名なものをレシピとともに解説しよう。
ギムレット
小説「ロング・グッバイ」の中の一説「ギムレットには早すぎる」で有名になったこのカクテルはシェイカーがあれば作ることができる。そんなギムレットのレシピを紹介しよう。アサヒビールの公開するレシピを引用する。
材料はジン45mlにライムジュースを15ml、よく冷やしておいたこの2つの材料をシェイカーに入れて混ぜ合わせ、グラスに注げば完成だ。
材料はジン45mlにライムジュースを15ml、よく冷やしておいたこの2つの材料をシェイカーに入れて混ぜ合わせ、グラスに注げば完成だ。
プリンセス・メアリー
こちらは1922年にラッセル子爵とイギリス王女のメアリーが結婚した際、記念として作られたカクテルだ。作り方はサントリーの公開するもの(※1)を引用する。まず、ドライジンとクレーム・ド・カカオというチョコリキュール、そして生クリームをよく冷やしておく。次にそれぞれ20mlずつシェイカーに注ぎ入れ、よく振って混ぜる。最後にグラスに注ぎいれれば出来上がりの、デザート感覚のカクテルだ。
ボンド・マティーニ
マティーニというカクテルは007ファンにはおなじみだろう。というのも007シリーズの主人公、ジェームズ・ボンドがマティーニを好んで飲むためだ。そんなマティーニの中でもボンドの好むレシピを紹介しよう。材料はジン90mlにウオッカ30ml、リレ・ブランという白ワインが10mlで、これらの材料をクラッシュド・アイスと共にシェイカーに入れる。よく振って混ぜ、グラスに注いだ後好みの量レモンピールを入れれば出来上がりだ。
5. ジンがたくさん売られている酒屋はどこ?おすすめ5選
ジンは酒屋だけでなく、最近ではコンビニなどでも購入ができるようになってきた。しかし通販や酒屋の方がまだまだ品揃えが豊富である。そこで、ジンを取り扱うさまざまな酒屋を紹介しよう。
酒屋チェーン
酒屋チェーンであればかなりジンの種類が取り扱われている。例えばリカーマウンテンや酒のやまやなどの酒屋チェーンで買うと値段も抑えられ、なおかつ種類も豊富だ。クラフトジンもかなり扱いが増えてきており、例えばサントリーのクラフトジン「ROKU」なども取り扱いがある。さらにこれらの店はオンラインショップもあるので便利だ。
通販
通販でも最近は1本から、送料無料で販売するところも多い。例えば楽天市場に出店しているジン専門店「ALL GIN」はフレーバードジンなども扱っている。またビックカメラやカクヤスなどの通販サイトもタンカレーなど、有名なジンの取り扱いがある。何より、酒店よりも一部安い商品があることが最大の魅力だろう。
6. ジンというお酒を、いろいろな飲み方で楽しもう
ジンは「飲む香水」とまでいわれるお酒だ。そのため香りが非常によい。例えばジントニックを飲むときでも、ベリーなどを加えてワイングラスで飲む方法もある。また、クラフトジンであれば、ジュニパーベリー以外の独特の香りを楽しむこともできる。さらに、いくつかのジンはボトルが美しいため戸棚に飾るという方法もある。このように味覚だけでなく、視覚や嗅覚でも楽しむことができるのがジンというお酒だ。
結論
ジンはカクテルベースとして飲む以外にも、料理と合わせたり、クラフトジンの飲み比べをしたり、あるいはボトルの美しさを楽しんだりと、さまざまな楽しみ方がある。醸造する方式によっても香りが変化し、ジンとひと括りにしてしまうのはもったいない。種類や特徴を知った上で、どのように楽しむのかを考えながら購入してみよう。さわやかな味わいに奥深い特徴が、ジンの世界には広がっている。
(参考文献)
(※1)サントリーホールディングス株式会社 プリンセス・メアリー レシピ
引用元:https://cocktailrecipe.suntory.co.jp/wnb/cocktail/recipe/princess_mary/