目次
1. キールロワイヤルとはどんなカクテル?

まずはキールロワイヤルとはどんなカクテルなのか、基礎知識から身につけていこう。
キールの歴史
1945年、フランスのブルゴーニュ地方にあるディジョン市の市長・キール氏が生み出したカクテルを「キール」という。第二次世界大戦後、地元名産品のブルゴーニュワインとカシスリキュールの知名度を上げるため、この2つを使ったカクテルを作ったのである。キールというカクテルは、文字通り開発者であるキール氏の名前からきている。
キールロワイヤルの意味
キールロワイヤルのキールは、元のカクテルであるキールからきている。ロワイヤルは「王の」「王室の」「高貴な」といった意味のフランス語だ。このことから、キールロワイヤルは「王のキール」「王室のキール」「高貴なキール」といったニュアンスになる。シャンパンを使い、さらに高貴な味わいになったキールといったところだろう。確かにシャンパンの品のある味わいは、ロワイヤルの名前にふさわしいといえる。
ちなみに、キールロワイヤルが初めて供されたのはシャンパーニュ地方でもブルゴーニュ地方でもない。オーストリアのウィーンにある「インターナショナル」というレストランだったといわれている。
ちなみに、キールロワイヤルが初めて供されたのはシャンパーニュ地方でもブルゴーニュ地方でもない。オーストリアのウィーンにある「インターナショナル」というレストランだったといわれている。
日本におけるキールロワイヤル
日本でキールロワイヤルが話題になったのは、サントリーが1998年に売り出したその名も「キールロワイヤル」である。当時はヨーロッパの果実をテーマにしたカクテルが販売されており、アプリコットフィズとともに販売されていた。
2. キールロワイヤルのアルコール度数や味わい

王様のカクテルというとすごそうだが、気になるアルコール度数や味わいはいかがなものなのだろうか?
キールロワイヤルのアルコール度数
キールロワイヤルのアルコール度数や味わいはレシピによって変わる。一般的には8〜25度程度とされているが、具体例としてアサヒビールが公開しているレシピにおけるアルコール度数を紹介しよう。アサヒビールのレシピでは「ランソン・ブラックラベル・ブリュット90ml」「ボルス クレーム・ド・カシス15ml」を使っている。同社によればアルコール度数は13.4度だ。高くもなく低くもない「普通」といったところだろう。
キールロワイヤルの味わい
カクテルは辛口に分類され、すっきりとした味わいと評される。辛口のシャンパンをそのまま飲んだときと比べ、果実味と甘さが足された味わいといえるだろう。
味わいはシャンパンで変わる
キールロワイヤルは辛口のシャンパンを使うことが多い。基本であるキールは食前酒として提供されることが多いカクテルなので、辛口の白ワイン・アリゴテが使用されていた。そのためキールロワイヤルも辛口に分類される。クレームドカシス自体が甘いお酒なので、甘口のシャンパンを使うとかなり甘いカクテルになる。その場合はデザートカクテルとして飲むのもよいだろう。
3. キールロワイヤルに合うシャンパンやグラスは?

キールロワイヤルをご家庭で作る際におすすめのシャンパンやグラスを紹介する。
キールロワイヤルにおすすめのシャンパン
- モエ・エ・シャンドン・ブリュット
- ポメリー ブリュット・ロワイヤル
キールロワイヤルを楽しむ場面は、ホームパーティーだけでなくカジュアルなお祝いの席など多岐にわたるだろう。おすすめのシャンパンは上記の2種類だ。1本目の「モエ・エ・シャンドン・ブリュット」はフルボトル5000円程度で購入できるうえ辛口である。アペリティフ(食前酒)としてキールロワイヤルを作る際に最適だ。
2本目の「ポメリー ブリュット・ロワイヤル」は気品あふれる香りが素晴らしく、フルボトル6000円程度で購入できるためコスパがよい。こちらもおすすめだ。
2本目の「ポメリー ブリュット・ロワイヤル」は気品あふれる香りが素晴らしく、フルボトル6000円程度で購入できるためコスパがよい。こちらもおすすめだ。
キールロワイヤルに使うグラス
キールロワイヤルはフルートグラスで飲むことが多い。フルートグラスの利点として「泡立ちがきめ細かいで美しい見た目である」点や「口が狭いため炭酸が抜けにくく長い時間楽しめる」点が挙げられる。最近では、少し膨らみを持たせたフルートグラスもある。グラスの中央あたりが膨らんだ形のフルートグラスのほうが、さらに香りが立つのでおすすめだ。
4. キールロワイヤルのレシピ

それでは、キールロワイヤルのレシピを紹介しよう。
用意するもの
- クレーム・ド・カシス
- シャンパン
- フルートグラス
以上を揃えればキールロワイヤルが作れる。お酒とグラスはよく冷やしておこう。
キールロワイヤルのカクテルレシピ
- クレーム・ド・カシスを15mlほど注ぐ
- シャンパンを適量注ぐ
- 1〜2回ほど静かに混ぜれば完成
シャンパンを使うのが基本だが、カジュアルに楽しむときはスパークリングワインでもよ。その場合も作り方や比率は同じだ。
5. キールロワイヤルのアレンジカクテル

キールロワイヤルのアレンジカクテルや、キールロワイヤルとよく似たワインベースのカクテルも紹介しよう。
キールアンペリアル
キールロワイヤルのクレーム・ド・カシスを「クレーム・ド・フランボワーズ」に替えるだけで、キールアンペリアルというカクテルになる。ロワイヤルは「王家風」を意味する一方、アンペリアルは「皇帝風」という意味だ。
ストロベリーロワイヤル
キールロワイヤルのクレーム・ド・カシスを「ストロベリーリキュール」に替える。こちらは甘口のストロベリーロワイヤルというカクテルになる。
ミモザ
ミモザは、この世でもっとも贅沢で美味しいオレンジジュースの異名を持つカクテルだ。色合いが、黄色い花のミモザに似ているところからこの名が付いた。作り方はシャンパンとオレンジジュースを1:1で混ぜ合わせるだけという簡単なものである。ただし氷を入れてしまうと別のカクテルになるため注意しよう。こちらも、キールロワイヤルと同じくシャンパンを使ったおしゃれなカクテルだ。
6. キールロワイヤルのルーツ「キール」のレシピも紹介

せっかくなので、キールロワイヤルのルーツとなったキールのレシピも紹介しておこう。
キールのレシピ
- ワイングラスにクレーム・ド・カシスを注ぐ
- しっかり冷やした白ワインを注ぐ
- ごく軽くステアすれば完成
割合はクレーム・ド・カシス1:白ワイン4だが、お好みで微調整していただいて構わない。氷を使わないカクテルなので、キールロワイヤルと同じようにお酒やグラスはよく冷やしておこう。
結論
キールロワイヤルはカクテルの中でもとくに上品といえるだろう。シャンパンを使うことによる、華やかな香りとキリッとした味わいが魅力だ。「王」という言葉がつくとおり堂々とした一杯である。作り方が簡単なうえ材料費も高くないので、自分へのご褒美に、あるいは大切なパートナーとの大切なひとときに楽しんでみてはいかがだろうか?