1. アレキサンダーとはどんな味のカクテル?

アレキサンダーは一般的に甘口とされるカクテルである。しかしアレキサンダーはその中でも高級なスイーツのような味わいのお酒だ。そこでまずは味わいや香り、度数などを解説する。
アレキサンダーとは?
まず、アレキサンダーのプロフィールを解説する。アレキサンダーはショートカクテル、つまり適温で提供されるカクテルである。ぬるくなる前に飲み切った方が美味しい。また使うグラスは逆三角形型のカクテルグラスが多い。色合いは淡い褐色で、生クリームやカカオリキュールなどを使用するため不透明である。まさにミルクココアのような見た目のものが多い。
アレキサンダーの度数
アサヒビール株式会社が公表しているカクテルレシピによると、度数はおおよそ25度である。これだけ見ると飲みにくいのではないかと感じるかもしれないが、実際はとても飲みやすい。そもそもアレキサンダーのベースであるブランデーは、40度から50度程度であるのに対し、おおよそ半分まで度数が下げられている。さらに、生クリームの口当たりでアルコールのきつさが抑えられているため、25度と高い度数でありながらもアレキサンダーは飲みやすいのである。
アレキサンダーの味わい
アレキサンダーを構成する基本の材料は、ブランデーにカカオリキュール、生クリームだ。ブランデーはワインをさらに醸造して熟成させたお酒である。高級感のある味わいで、チョコレートガナッシュなどに利用されることもある。これらの材料をシェイカーで混ぜ合わせ、空気と触れ合わせてまろやかにしたアレキサンダーはまさにスイーツのような味わいだ。中にはチョコレートケーキのようだという評もある。
2. アレキサンダーのカクテルレシピ

アレキサンダーは、シェイカーと材料があれば家で作ることができる。食後のデザートのようにアレキサンダーを作ることができれば、洒脱な大人の振る舞いといえるだろう。レシピや作り方のコツ、ナツメグの有無についても解説しよう。
アレキサンダーの作り方
まず、アレキサンダーのレシピを紹介しよう。今回は、サントリーホールディングス株式会社が公表するカクテルレシピを引用した。
材料
ブランデー(VSOP) 30ml
カカオリキュール 15ml
生クリーム 15ml
作り方
よく冷やしておいた材料を全てシェイカーに入れて振り混ぜる。完全に混ざったらグラスに注いで完成だ。
材料
ブランデー(VSOP) 30ml
カカオリキュール 15ml
生クリーム 15ml
作り方
よく冷やしておいた材料を全てシェイカーに入れて振り混ぜる。完全に混ざったらグラスに注いで完成だ。
アレキサンダーのコツ
まず、アレキサンダーに含まれる生クリームは、カクテル材料の中でも非常に混ざりにくい。冷えていたり、シェイカーの中に氷を入れて混ぜる場合はさらに混ざりにくくなるため、しっかり混ぜることが大切。一方強く振りすぎるとシェイカーの底に氷が当たって砕けてしまい、水っぽくなってしまう。大きく振り、なおかつ底に氷を当てない混ぜ方が重要だ。
アレキサンダーとナツメグ
アレキサンダーにナツメグを入れる方法は、実は海外ではあまり見ないカクテルスタイルだ。というのもアレキサンダーが日本に輸入された当時はまだ生クリームの質が悪かったり、飲み慣れない人が多かったため。ナツメグには乳臭さを抑える効果があるため使われたと考えられている。しかし現在は、むしろナツメグの香りが苦手な人も多いので、入れても入れなくてもいいというのが結論のようだ。ナツメグを入れる場合はすりおろして入れることが多いが、多量に摂取すると体に悪影響が出るといわれている。少量を入れる方が香りも損なわないので、量には注意しよう。
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3. アレキサンダーの意味やカクテル言葉

アレキサンダーは、映画作品に登場したり、その由来であるエピソードがロマンチックであるなど高名といえるカクテルのひとつだ。そこで、アレキサンダーにまつわるいくつかのエピソードやカクテル言葉を紹介しよう。
アレキサンダーの由来
アレキサンダーは、イギリス国王エドワード7世がその妻であるアレクサンドラ王妃と結婚する際、記念に作られたカクテルだといわれている。しかしこの婚礼は1863年のことであり、当時はまだカカオリキュールが開発されていなかった。そのため実際にはエドワード7世の戴冠式があった1901年か、アレクサンドラ王妃の戴冠式があった1902年に献上されたと考えられている。
アレキサンダーのカクテル言葉
アレキサンダーのカクテル言葉として有名なものは「完全無欠」「初恋の思い出」などである。これはアレキサンダーが王と王妃にまつわるカクテルであることが理由だろう。またアレキサンダーは誕生花ならぬ誕生酒としても知られており、3月18日の誕生日は「一歩一歩前向きに歩む冒険者」というカクテル言葉になる。
アレキサンダーと映画
アレキサンダーは映画にも登場する。1962年に公開された映画「酒とバラの日々」では、アルコール中毒の主人公が酒の飲めない妻にアレキサンダーを勧めるシーンがある。その後妻はカクテルをきっかけにアルコール中毒に転落していく、という話だ。話のスパイスとしてアレキサンダーが使われているのである。実際、カクテルとしてはかなり度数が高いので飲み過ぎには注意したい。
4. 海外のアレキサンダーはジンベースのカクテル

実は、蒸留酒をベースにカカオリキュールや生クリームを入れるカクテルは多い。そんな中でも、海外のアレキサンダーは同名なのにベースが違うという。その理由や、ベースが変化した場合の名前などを解説しよう。
海外のアレキサンダーとは?
欧米をはじめ海外では、アレキサンダーというとジンベースで提供される。そのため、どうしてもブランデーベースで飲みたい場合は「ブランデー・アレキサンダー」と注文すればよい。一方、日本でジンベースのアレキサンダーを飲みたい場合は「プリンセスメアリー」と注文しよう。プリンセスメアリーと海外のアレキサンダーは同じレシピなのである。
カカオとお酒のカクテル
アレキサンダーはかなり応用が効くカクテルだ。例えばベースをラムに変えたカクテルが存在する。カクテルの比率も全く変化しないが、こちらは「パナマ」という名前になるのである。一方、ベースをテキーラに変化させ、さらにグレナデンシロップをティースプーンに1杯入れたものは「シルク・ストッキング」になる。ベースのお酒を変えるだけで、比率は変わらないアレキサンダーの兄弟カクテルたちも、ぜひ作ってみてほしい。
結論
アレキサンダーは、まさに飲むチョコレートケーキのようなカクテルである。ブランデー、カカオリキュール、生クリームという製菓素材にも使われる3つの味わいが口の中でなめらかに広がる。食後のお酒として飲まれるデザートのようなカクテルだ。また、ベースのブランデーをラムやジン、テキーラに変化させることで別のカクテルになるのも楽しい。アレキサンダーは魅力あふれる大人スイーツカクテルなのだ。