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御神酒は神と人の縁を繋ぐ!今なお受け継がれる古来の文化とは?

御神酒は神と人の縁を繋ぐ!今なお受け継がれる古来の文化とは?

投稿者:ライター 岡本優美(おかもとゆみ)

2020年10月19日

新年や秋祭りの時、神社に行けばお酒が供えられていることが多い。また家を新しく建てる時に行う「地鎮祭」でも御神酒は欠かせない。取り立てて神道を信仰しているわけではなくても、御神酒とは関わり合いがある人も多いだろう。日本の水と米を使った日本酒は、古来から神への供物として扱われてきた。御神酒に関するトリビアを、歴史とともに紹介しよう。

  
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1. 御神酒の読み方や意味

御神酒というとなんとなくありがたいお酒、おめでたい時のお酒という印象があるかもしれない。しかし、本来はさらに深い意味がある。御神酒がどうして日本の神社に供えられているのか、その意味合いをまずは紹介しよう。

御神酒とは?

神への供物のうち、食べ物を「神饌(しんせん)」という。神饌の中でも最も上級とされるのがお酒だ。「御神酒」と書かれたものの中でも「おみき」と読むものは人々にふるまわれるものを指す。逆に神の供物となるものは「ごしんしゅ」と読むのが一般的だ。御神酒は神と人とを結びつける役割があるといわれ、古来より神事の際に清酒を含むお酒が供えられてきた。

御神酒の意味

神饌の最上級として御神酒が位置づけられるのは、日本酒が米と水でできているからにほかならない。米は天候の恵みであり、水も山や川からの恵みだ。稲作を中心に発展してきた日本では、米の一粒にさえも神が宿ると考えられている。天と地の恵みをふんだんに使った酒にも同じように神聖な意味があるとされる。特に新嘗祭(にいなめさい)がわかりやすい。新嘗祭とは簡単にいえば豊穣の祭りである。その土地で取れた作物や魚、米、塩、水に加え酒が供えられ、五穀豊穣を神に感謝する祭りだ。

御神酒の歴史

御神酒は、今でこそ「みき」と呼ばれているが昔は「みわ」と呼ばれていた。このみわのつく地名に奈良県桜井市の大神神社(おおみわじんじゃ)がある。三輪山を御神体とするこの一帯の地域は、昔から酒造りの聖地とされてきた。奈良時代に作られた万葉集の、「三輪」という言葉を導く枕詞は「うま酒」である。奈良時代、疫病が流行した際に、祭神のうちの大物主大神にお告げを受けた天皇が酒を作らせたのがこの大神神社だった。他にも神話で八岐大蛇を退治する際も酒が使われている。このように、酒と神と人は古くから結びついたものなのだ。

2. 御神酒の選び方

では、御神酒はどのようなものを選べばよいのだろうか。さまざまなメーカーが御神酒として発売しているもの以外のお酒でも、御神酒として使ってよいのだろうか。御神酒の選び方や少し変わった御神酒を紹介しよう。

御神酒を選ぶコツ

御神酒は基本的にどんなお酒でもよい。日本酒だけでなく、ワインや焼酎などその土地の名産品を供物とする地域もあるのだ。個人で御神酒を用意するシチュエーションでよくあるのは地鎮祭などだろう。地鎮祭は土地神を祀る神事なので、その土地の名物をお供えすることが多い。選ぶコツとしては、まず名前が縁起のいい銘柄であることが望ましい。また地鎮祭でお供えするお酒は「奉献酒」と呼ばれることが多く、古くは角樽に入れた清酒だった。近年では一升瓶が多く流通しているため、一升瓶を2本のしで包んで角樽のような形にすることが多い。そのため一升瓶2本、清酒、縁起のいい名前の銘柄という3つのポイントが基本だといえる。

様々な御神酒

近年、御神酒はメーカーによって豊富な種類が販売されている。その中でも沢の鶴酒造「御神酒ほだれ酒」はとてもインパクトのある形の容器に入っている。これは子孫繁栄の祭りである、ほだれ祭りに因んだ御神酒として販売されている。ほだれ祭りでは御神体が男性の象徴のような形をしているため容器も似た形となっているのだ。また黒米という古代米を使った千年一酒造の「御神酒 古代米酒 『縁起』」も特徴的なお酒だ。本来御神酒は白米を使った「白酒(しろき)」と赤米や黒米を使った「黒酒(くろき)」をお供えしていた。その黒酒を再現したのがこの商品なのである。

3. 御神酒の熨斗(のし)の書き方

地鎮祭や上棟祭などの神事を執り行う場合は、御神酒を選ぶだけでなくのし紙の表記も考えなければならない。神前婚などでは基本的に神社が用意してくれることが多いが、地鎮祭などは自分でのし紙を用意する必要があるためだ。うっかり作法違反にならないように、のし紙の書き方や水引の選び方を紹介しよう。

御神酒の基本

基本的に酒屋で御神酒を購入する場合、酒屋に地鎮祭用ののしを頼めば書いてくれることが多い。しかし、スーパーなどであまりお酒に詳しくない人が書いてしまうと間違うこともある。まず地鎮祭用には前述の通り、一升瓶2本または角樽を使うこと。そして、のし紙の表記は「奉献酒」と書くことが必要だ。御神酒と書くと間違いなので注意しよう。また奉献酒と上段に書き、水引を挟んでその下に名前や法人名を書こう。4名以上の連名の場合は「〇〇一同」と書くのが一般的だ。

のし紙の選び方

地鎮祭や上棟祭を行う場合、のし紙の水引は結び切りでも、蝶結びでもよい。結び切りやあわじ結びなど、水引の端が上を向いている結び方の場合は、火事や水難などを避ける意味合いがある。一方の蝶結びは、簡単に解け何度も結ぶことができるため、繰り返しあっていい祝い事に使われる。家を何軒も建てることにも繋がるので、こちらも縁起がいい結び方だ。地域によって結び方が違うので、御神酒に使うのしの水引は地域、或いは自分の願いを込めて選ぼう。

4. 御神酒のいただき方

神事が終わると「ごしんしゅ」は、神が寿いだ「おみき」になる。その御神酒をどのようにいただくか、そのタイミングも含めて解説しよう。

御神酒はいつ飲むの?

神棚がある家でない限り、御神酒は特別な神事の際にいただくものだ。地鎮祭などでは参列者数にもよるが、大量の御神酒ができることがある。地鎮祭の途中で飲むこともあるのだが、大抵は余るため家に持ち帰ったりして飲むことが多い。本来は直会(なおらい)といって地鎮祭後に供物を飲食するのだが、近年は自動車で来る人も多くなり、飲酒運転を避けるため行われることは少ない。

家で飲む場合

家でいただく場合には作法は決まっていない。ただし一人で飲むのではなく、家族や大切な人と分け合って飲むことが重要である。また妊娠中などで飲めない人や未成年の場合は地面にまいたり、お風呂に入れるのもよい。無理はしないでよいが、持って帰ってきた御神酒をずっと保存しておくよりは利用した方がよいのだ。

神社での御神酒のいただき方

神社での神事で最後に御神酒を勧められることがある。その場合、飲めない人は飲むふりだけでかまわない。お酒が飲める人は以下の作法でいただこう。御神酒をいただく場合、神事のタイミングで神職が御神酒を注ぎにやってくる。目の前に神職が来たら、まず両手を一度打ち合わせ「いただきます」という意志を表示する。これは礼手(らいしゅ)という作法だ。次に盃を片手に持つ。この時、親指を飲み口に当て、ほかの4本の指は下から盃を支えることが多い。盃が傾かないように腕に対して手首をおよそ90度曲げて持とう。盃に神職が御神酒を注ぐので、3口に分けて飲み干す。最後に飲み口を親指、人差し指、中指で拭き、盃を置く。

結論

御神酒は日本古来より神と人を結びつけてきたものだ。神に恵みを感謝し、また神のエネルギーを体に取り込むという意味合いがある。御神酒はいただく時やお供えする時に簡単な作法はあるものの、基本的にはあまり厳しい決まり事はない。大切なのは神に感謝する心と、それをどう表現するかなのだ。御神酒をいただいて、いつもは意識しない自然への感謝や歴史に想いを馳せてみてはいかがだろうか。
  

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