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利き酒は銘柄を当てるだけじゃない!本来の意義や作法について紹介

利き酒は銘柄を当てるだけじゃない!本来の意義や作法について紹介

投稿者:ライター 岡本優美(おかもとゆみ)

2020年12月 6日

利き酒と聞くと目隠ししたまま口に酒を含み、どの銘柄か当てるという芸を思い浮かべる人もいるだろう。テレビなどで行われている利き酒はいわゆる芸事のようにも見えることがあるが、本来の利き酒とは違う。利き酒とはどのようなものか、本記事で紹介する。

  
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1. 利き酒とは?特徴や目的など基本的な情報をご紹介

利き酒とはどのようなものだろうか。まずは定義などを紹介する。

利き酒の定義とは

利き酒とは、日本酒を口に含み人間の感覚を用いてお酒を評価することである。評価内容は主に味や色合い、香りで、本来であればお酒を口に含んだ後は飲み込まず、その後味を見ることが多い。利き酒をする時のお酒の温度は20度くらいが適しているとされている。

利き酒はどうして行われるのか

日本酒の評価には、利き酒が利用される。これは成分分析などでは分析のできない要素である味わいや、旨みを人の感覚で判定するためである。日本酒は必ずしも手間をかけたからといって、万人受けするお酒ができあがるわけではない。人の味覚の好みは千差万別のため、信用されるのは人間の舌である。いわゆる官能検査と呼ばれる検査が日本酒の利き酒と呼ばれるものなのだ。

利き酒に重要なもの

利き酒をする際、大切な要素としては鋭敏な感覚と、それを表現する語彙力だといわれている。プロであればあるほど、お酒の味わいを適切な言葉で表現することが重要だ。ソムリエはワインを評価する際に文学的な表現を使うが、日本酒の利き酒のプロは時として誰もが見聞きしたことのあるものを使う。プロでなくとも素人であっても利き酒は重要だ。飲んでみて、美味しいかどうか。嗜好品である日本酒の、その最大の味わいを評価するのは一般消費者も同じなのである。

2. 利き酒のやり方は?

次に、利き酒の詳しいやり方を紹介する。また利き酒のポイントなども紹介しよう。

利き酒のやり方

利き酒の基本的なやり方を紹介しよう。利き酒に必要なものはお酒と蛇の目模様の専用おちょこである。やり方は目・鼻・舌の順で行う。まずおちょこに8分目までお酒を注ぎ入れる。この際に色合いを見よう。基本的には緑がかっていたり、黄色みを帯びていることが多い。色の表現には宝石の名前を用いることもある。また色だけでなくとろみや透明度なども見よう。次に香りを嗅ぐ。この際にも華やかな香りという表現だけでなく、バナナのような香りなどの具体的な言葉で表現しよう。最後に味わう。この際、主に甘味・酸味・苦味・旨味の4つの言葉を主軸に表現することが多い。

利き酒の簡単な指標

日本酒には大まかに分けて4つの種類がある。1つ目が香り高く味が淡い「薫酒」タイプ。2つ目は香りが高く味が濃い、熟成したお酒の「熟酒」タイプ。3つ目は香りが低く味も淡い、滑らかで軽やかな味わいの「爽酒」タイプ。4つ目は香りが低く味が濃い、コクのある「醇酒」タイプである。そして全てのバランスがよいものは「旨口」タイプの酒といえるだろう。これらの指標をもとに分類してみるとおおよその傾向などもわかる。

利き酒のポイント

利き酒にはいくつかポイントがある。まず香りについてだが、最近ではおちょこを使わずにグラスで飲むこともある。これはグラスの方が香りが立つため。香りをしっかり感じたいと思う方はぜひグラスで飲んでみよう。またさまざまな日本酒で利き酒をすると、香りを嗅ぎすぎて鼻が鈍ってくる。その場合は一度、自分の腕の香りを嗅ぐと元に戻る。さらに、テイスティングごとに水を飲む必要はない。最後あるいは最初に水を飲んでおくほうがよい。水を途中で飲んでしまうと、それまで飲んでいたお酒との違いもわからなくなってしまうためだ。テイスティングは、味見程度の少量で済ませるか、またはその都度吐き出すのが基本だ。最後に飲み方についてのポイントだが、日本酒を少し含み軽く息を吸うことで口の中全体で日本酒の味わいを感じ取る事ができる。温度についても冷蔵庫から出してすぐではなく、少し置いて15℃程度にしてから行うのがよい。

3. 利き酒に関するイベントはある?

では、利き酒ができるイベントはあるだろうか。ここでは利き酒にちなんだいくつかのイベントを紹介する。

SAKE spring

SAKE springとは株式会社のぞみが運営する利き酒イベントである。利き酒を日本を中心に世界各国の人にも楽しんでもらおうと企画されており、2019年には京都や東京、浜松、倉敷、そしてアメリカ・ニューヨークで開催され5万人の動員を誇っている。2020年にもライブビデオを見ながら日本酒で乾杯する特別企画がなされるなど、多くの人が参加する利き酒のイベントである。機会があればぜひ参加してみよう。

全国きき酒選手権

1981年から開催されている全国きき酒選手権は、主にアマチュアを対象にした選手権である。各地で行われている予選を突破した人だけが参加できる選手権で、日本酒に関する筆記問題と7種類の日本酒を利き酒するという内容だ。2013年からは大学対抗枠もあるほど盛り上がっており、日本酒好きは挑戦してみるのも面白いだろう。

越後謙信きき酒マラソン

新潟県上越市の商工会議所青年部会が主催している、「越後謙信きき酒マラソン」。こちらは「日本一ハードなファンラン」を自称するイベントだ。春日山城付近のコースを歩いたり軽く走ったりしつつ、ゴール後は利き酒を楽しむというもので、絶対にやってはいけないことは「早く走ってゴールする」ことというなんともゆるいマラソンだ。利き酒だけでなく道中もお酒を飲むことができたり、前夜祭が開催されることもあるのでお酒好きは参加してみよう。

4. 利き酒には資格がある?利き酒師について詳しく解説

最後に利き酒ができるようになる資格・唎酒師について紹介しよう。

唎酒師資格とは

利き酒には民間資格があり、資格を取ると「唎酒師」と呼ばれる。受験方法はいくつかあり、通信コースを受けて添削問題を解き合否を待つ方法、1日受講したあと受験する方法、あるいは2日間で受講と受験を行う方法などさまざまだ。資格を取得することで日本酒について詳しくなるだろう。20歳以上であることが受験条件なので、興味があれば受けてみてもよいかもしれない。

国際唎酒師

日本語以外の言語で日本酒の提供・販売を行うのが国際唎酒師だ。英語や中国語、韓国語、スペイン語、フランス語の5つの言語でそれぞれ行われている。利き酒師として海外や世界各国の人たちに日本酒を広めたい、と思っている方におすすめだ。受験申し込みをすればその言語のテキストが送られてくるので、ぜひ取ってみよう。

結論

利き酒はお酒を当てる芸ではなく歴とした官能検査のひとつだ。日本酒のタイプを分けたり、あるいは好みのお酒を発見するという意義がある。また、利き酒を介して地域復興や日本酒文化の広報も行うイベントも多くある。このように利き酒は、日本酒の一つの側面として重要な役割を果たしている。民間資格などもあるので、一度やってみてほしい。
  • 更新日:

    2020年12月 6日

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