1. フランジェリコとはヘーゼルナッツのリキュール!

フランジェリコとは、冒頭でも述べた通り、ヘーゼルナッツを原料にしたリキュールを代表する銘柄である。日本でも流通しているものの、ほかのリキュールに比べると流通量は多くないため、日頃見かけることはあまりないだろう。ここでは、フランジェリコとは一体どのようなリキュールなのか、またその歴史や味わいなどについても解説していこう。
フランジェリコとは
フランジェリコは、イタリアのワインメーカーであるバルベロ社が製造するリキュールである。イタリア・ピエモンテ州で収穫されるヘーゼルナッツを主原料に、バニラやカカオ、ローストコーヒーなど、さまざまなフレーバーを加えられて作られる。リキュールの色は明るめの琥珀色となっている。
フランジェリコの歴史
フランジェリコの起源は、なんと今から300年以上前、17世紀までさかのぼる。イタリア北部のピエモンテの丘に住んでいたキリスト教の僧侶が作る料理や飲み物のレシピには、ヘーゼルナッツをはじめさまざまな特別な材料が含まれていたという。また、独自の蒸留技術もあり、このときからすでにヘーゼルナッツを原料にした酒を作っていたともされるのだ。このレシピこそが、現在のフランジェリコのルーツである。また、フランジェリコという名前の由来は、18世紀にピエモンテの丘に身を隠して生活していたと信じられる伝説の僧侶、フラ・アンジェリコの名前を略したものとなっている。バルベロ社がフランジェリコの販売を開始したのは1978年のことで、当時のレシピを忠実に再現した味わいは、瞬く間にイタリアの人々をとりこにしたという。
フランジェリコの味わい
フランジェリコは、ヘーゼルナッツをはじめ、さまざまな原料由来の甘く奥行きのある香りと、まろやかでやさしい甘みのある味わいがある。フランジェリコは飲むためだけでなく、お菓子の風味付けとしても、世界中のパティシエからも愛されるリキュールだ。アルコール度数は20度と、平均的なリキュールのアルコール度数となっている。
2. フランジェリコの基本の飲み方

フランジェリコはカクテルだけでなく、シンプルな飲み方も好まれている。フランジェリコの公式ウェブサイトで紹介されている飲み方もシンプルなものが多く、フランジェリコを手にしたなら、まずはシンプルな飲み方で味わってみることをおすすめしたい。どれもヘーゼルナッツの風味をダイレクトに味わえる飲み方である。
フランジェリコ・ショット
フランジェリコ・ショットとは、つまりストレートのことである。ショットグラスにフランジェリコを注ぎ、一気に飲み干して楽しもう。美味しく飲むポイントは、飲む前にあらかじめフランジェリコをよく冷やしておくこと。のどごしと風味を同時に楽しめる飲み方だ。
オン・ザ・ロック
フランジェリコはオン・ザ・ロックも人気の飲み方である。氷をたっぷり入れたグラスにフランジェリコを注いで、氷が溶け出すうちに変化する味わいを楽しもう。ライムをしぼり入れても美味しい。
フランジェリコ・ソーダ
フランジェリコ・ソーダは、フランジェリコのソーダ割りのことである。ハイボールなど、炭酸のさっぱりとしたのどごしが好きという人にはぜひおすすめしたい飲み方だ。こちらもライムをしぼり入れると清涼感がアップするので、ぜひ試してみよう。
3. フランジェリコの美味しいカクテル

フランジェリコのシンプルな飲み方を紹介したが、ここではフランジェリコを使用したカクテルレシピをいくつか紹介しよう。自宅でカクテル作りと聞くと難しく思ってしまう人もいるかもしれないが、安心してほしい。フランジェリコを使ったカクテルなら材料選びにも苦労することなく、簡単に作れるのだ。ぜひ気軽に試してもらいたい。
フランジェリコ・ミルク
フランジェリコ・ミルクは、フランジェリコを牛乳で割ったシンプルなカクテルである。氷を入れたロックグラスで楽しもう。ヘーゼルナッツリキュールと牛乳は相性がよく、それぞれのコク深い味わいが絶妙にマッチする。ぜひ最初のフランジェリコのカクテルにおすすめしたい。仕上げにシナモンを振りかけると、より風味よく楽しめる。
フランジェリコ・カフェ
フランジェリコ・カフェは、ホットコーヒーに少量のフランジェリコを加え、仕上げにホイップクリームを乗せて楽しむ、大人のコーヒーカクテルである。寒い冬場や、就寝前のリラックスタイムにおすすめしたいカクテルだ。
フランジェリコ・オレンジ
フランジェリコ・オレンジは、フランジェリコをオレンジジュースで割るだけで完成のシンプルなカクテルである。酸味のある味わいが好みなら、グレープフルーツジュースを使用しても美味しい。フランジェリコとジュースの割合は1対2あたりがおすすめ。食中酒にもぴったりのカクテルだ。
アルディラ
これまでに紹介したカクテルは、材料を混ぜ合わるだけのシンプルなカクテルだったが、もしフランジェリコに慣れたら、少し難易度の高いカクテルにもトライしてみてはいかがだろうか。アルディラはカクテルシェイカーを使用して作るカクテルである。ラムを30ml、フランジェリコを20ml、ブルーキュラソーを10ml、レモンジュース5mlをシェイクして、カクテルグラスに注いだら完成だ。美しい鮮やかな青色のカクテルで、酸味と甘みのバランスの取れた味わいが特徴である。
4. フランジェリコのサイズや値段

最後に、現在日本で流通するフランジェリコのサイズや値段について解説しよう。一般的に流通量が多いサイズは700mlのボトル入りのもので、値段は1本1,800円あたりとなっている。1000mlのボトル入りのものもあり、こちらは1本2,200円あたりの価格設定だ。フランジェリコはスーパーマーケットでも並ぶほど流通量は多くないものの、通販では簡単に手に入るリキュールである。
(※2020年12月時点での価格)
(※2020年12月時点での価格)
コレクターからも人気のミニボトルとは
リキュールをはじめウイスキーなど、さまざまなお酒の種類でミニボトルなる可愛いボトル入りのものが販売されることがある。フランジェリコにもミニボトルは存在するが、流通量は極端に少なく、稀にオークションサイトなどで一般取引がされるくらいで、非常に入手困難となっている。こちらはコレクターズアイテムとして希少価値が高いものとなっているので、機会があれば探してみてはいかがだろうか。
結論
ヘーゼルナッツリキュールとは、ナッツリキュールの先駆けとの呼び声も高いリキュールであるが、そんなヘーゼルナッツリキュールを代表する銘柄が、本記事で紹介したフランジェリコなのである。リキュールは使い方がわからないからと手に取ることを敬遠していたという人は、ぜひ一度フランジェリコを手に取ってもらいたい。さまざまな飲み方で楽しめるフランジェリコの香り高い風味を、じっくりと味わってみよう。