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パスティスはフランス定番の食前酒!クセになる独特の風味を楽しもう

パスティスはフランス定番の食前酒!クセになる独特の風味を楽しもう

投稿者:ライター 森本泰斗(もりもとたいと)

2020年12月17日

パスティスとは、フランス・マルセイユで誕生したリキュールである。日本ではあまり馴染みのない酒だが、フランスでは定番の食前酒として国民から広く愛されている。本記事ではパスティスについての解説をはじめ、本場南フランスでの楽しみ方、またおすすめのカクテルや銘柄についてなど、パスティスについて一挙紹介しよう。

  
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1. パスティスってどんな酒?

はじめに、パスティスとは一体どのような酒なのか、解説していこう。飲む前にパスティスの原料や歴史など、基本的なことを知っておくことで、より美味しくパスティスを楽しめるだろう。

パスティスとは

パスティスとは、いわゆる薬草リキュールに分類される酒である。原料にはリコリスやアニス、フェンネルなど、さまざまなハーブ類が使用されており、これらを中性スピリッツに浸漬して、蒸留して作られる。基本的に原料のハーブ類はパスティスの銘柄それぞれで共通しているが、そこにキャラメルを加えたり、シナモンの風味をきかせたりなど、銘柄によって味わいにさまざまなバリエーションがある。褐色がかった色をしているが、水で割ると乳白色に変わることも、パスティスならではの特徴として覚えておこう。

パスティスの定義

パスティスには、パスティスと名乗るための定義が法律で決められている。原料にさまざまなハーブ類が使用されることは前述したが、中でもリコリスを必ず使用することが、パスティスと名乗るための定義となっている。リコリスを使用していない場合は、パスティスではなくアニス酒になる。混同しないよう、注意しておこう。

パスティスとアブサンの深い関わり

パスティスの歴史について解説する上で、パスティスの元になった酒、アブサンについては基礎知識として知っておきたい。アブサンとは、同じくフランスで誕生したアルコール度数が70度と非常に高い薬草リキュールであり、その独特な風味から、多くの人から高い人気を誇ったという。しかし原料に使用されていたニガヨモギが幻覚症状などを引き起こすとして、アブサン中毒に陥る人の増加を懸念して、1915年に製造、販売が禁止になったのだ。その後、アブサンの復活を待ち望む人が多い中、実業家のポール・リカール氏が目を付けたのは、プロバンス地方で自家製で作られていたというアブサンに限りなく近い味わいの酒、パスティスだった。1932年には、ポール・リカール氏はこれを正式にパスティスという名前で商品化に成功、アブサンに代わる酒として大成功を収めたのである。

パスティスの味わい

パスティスは、アニスやリコリスなどが由来のスパイシーな香りと、清涼感のある味わいが特徴だ。アルコール度数は、平均して40度から45度あたりと高いことも覚えておこう。

2. 南仏風パスティスの飲み方

ここでは、本場南フランスでのパスティスの飲み方を紹介しよう。せっかくパスティスを手にしたのであれば、飲み方も本場風に楽しみたいもの。ぜひ実践してみてほしい。

本場の飲み方はシンプル

一般的に、リキュールと聞くと大半はカクテルにして飲むというイメージを持つ人もいるかもしれないが、パスティスはシンプルな飲み方で楽しむのが、南フランスでは一般的である。とくに好まれるのがパスティスの水割りだ。ハーブの清涼感が際立ち、夏にもぴったりのさわやかな味わいを楽しめる。分量は好みだが、アルコール度数の高いリキュールのため、パスティスと水の分量は1対5ほどの割合がおすすめ。水割りのほかに、ストレートやロック、またソーダ割りなど、さまざまな飲み方で楽しまれている。パスティスは基本的に食前酒として飲まれることが多いが、時間に関係なく、カフェでの談笑の時間でもたびたび飲まれるそうだ。パスティスは、それだけ南フランスの住民の生活に馴染んだ酒なのである。

3. パスティスを使ったカクテル

前項では、本場で愛されるパスティスのシンプルな飲み方について解説したが、ここではパスティスを使用したカクテルについて解説していこう。カクテルの種類が多いわけではないが、ユニークなカクテルが存在する。ぜひ試してみよう。

シロップやリキュールを加えて楽しむ

パスティスの水割りに、シロップやリキュールを加えるだけで、シンプルなカクテルが楽しめる。色鮮やかに仕上がるので、みんなで飲み比べをしながら乾杯するのもいいだろう。パスティスの水割りにグレナデンシロップを加える「トマト」、アーモンドリキュールを加える「モレスク」、ミントリキュールを加える「ペロケ」の3つが代表的だ。リキュールはシロップでも代用できる。気軽に楽しんでみよう。

強烈なネーミング「ノックアウト」

ノックアウトというカクテル名から、どれだけアルコール度数が高いカクテルなのかと強烈な印象を受けるが、実際はすっきりとした味わいで、シーンを選ばず楽しめるカクテルなのだ。本来のレシピにはアブサンを使用するが、パスティスでも代用できる。ドライジンを30ml、ドライベルモットを20ml、パスティスを10ml、少量のペパーミントリキュールをシェイクして、カクテルグラスに注いだら完成。本当にノックアウトされないよう、飲み過ぎには十分に注意しよう。

ヘミングウェイの創作カクテルとは

アメリカの文豪、ヘミングウェイが創作したパスティスのカクテルもまた、強烈な印象を与える名前が特徴だ。カクテルの名前は「デス・イン・ジ・アフタヌーン」。訳すと「午後の死」である。これだけでは全く味の想像が付かないが、実はシャンパンに薬草リキュールを合わせた、複雑な香りが楽しめるカクテルなのだ。薬草リキュールにはパスティスの種類ではないアニス酒、ペルノーという銘柄が一般的に使用されるが、パスティスでも代用できる。「ヘミングウェイ・カクテル」ともいわれる。

4. パスティスのおすすめ銘柄

最後に、パスティスのおすすめ銘柄をいくつか紹介しよう。パスティスはスーパーマーケットでも並ぶほど流通量の多い酒ではないが、酒屋や通販などではさまざまな銘柄が購入可能だ。パスティス選びのヒントにしてもらいたい。

リカール

リカールは、フランスを代表するパスティスのブランドである。ハーブの香りと清涼感のある味わいのバランスがよく、飲む人を選ばない。これから初めてパスティスを飲むという人にもおすすめしたい銘柄だ。アルコール度数は45度となっている。

パスティス51

パスティス51は、本場南フランスでは人気ナンバーワンとも称されるパスティスだ。1951年に誕生したことから、年数がそのまま銘柄の名となっている。甘口の味わいが特徴だが、口に含むと鼻に抜ける強いハーブの香りがある。アルコール度数は40度となっている。

アンリバルドゥアン

アンリバルドゥアンは、アニスの独特な香りを極力抑えて、リコリスの清涼感を際立たせた味わいが特徴のパスティスだ。アニスの香りがあまり得意でない人におすすめしたい銘柄である。アルコール度数は45度となっている。

結論

日本では食前酒を飲む習慣はあまりなく、また薬草リキュールもほとんど馴染みのない種類の酒といえるが、フランスでは広く日常的に飲まれているということがわかってもらえただろう。ぜひ本記事を機に、南フランスならではの文化も思い浮かべながら、パスティスの深い味わいをじっくりと楽しんでみてほしい。
  

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