1. ビールの中瓶ってどれくらいのサイズ?
はじめに、ビールの中瓶についての基本的な特徴から解説する。ビールの中瓶のサイズやカロリーなど、さまざまな特徴を押さえておこう。
ビールの中瓶のサイズ
ビールの中瓶のサイズには規定があり、高さは257mm、瓶の底の直径が77mm、容量は500mlときっちり定められている。一般的に販売されているペットボトル飲料と同じ容量だが、ビールの中瓶の方が瓶製品ということもあって、少し大きく見えるだろう。また、サイズはメーカー共通で規定があるものの、重さには規定がないことも覚えておこう。たとえばキリンビールでは、ビール瓶の表面にセラミックコーティングを施し、瓶の強度を上げることに成功、その結果従来のビールの中瓶の重さが470gだったことに対し、現在では380gと、約100gもの軽量化を実現させたのだ。
ビールの中瓶の歴史
ビールの中瓶の歴史の始まりは、日本の高度経済成長期ともいわれる時代、1957年のことである。初めて中瓶として発売したのは宝酒造の「タカラビール」であり、宝酒造で初めてビール市場に進出した銘柄となった。その後は各酒造メーカーがビールの中瓶を発売、これにより、中瓶サイズは定着したのである。ちなみに、1957年当時のビールの中瓶の価格相場は、100円であった。
ビールの中瓶のカロリー
一般的に、ビールのカロリーは100mlあたり40kcalあたりが平均となっている。つまり、ビールの中瓶で見ると1本あたりのカロリーは約200kcalとなる。ご飯をお茶碗に1杯で約235kcalなので、ビールの中瓶はご飯1杯分のカロリーより少し低い程度と覚えておこう。
2. ビールの中瓶以外のサイズや量はどれくらい?
ビールの中瓶について解説したが、ビールの中瓶以外の瓶の場合、サイズやカロリーなどは中瓶とどう違うのだろうか。ここではビールの小瓶、大瓶に注目して、それぞれの特徴を解説していこう。
まずはビールの歴史を知る
実はビールの中瓶ができる以前よりビールの小瓶、大瓶は存在していたが、1940年に酒税法が定められるまでは、各メーカーでサイズがバラバラだった。日本にビールが持ち込まれたとされる最古の文献では1613年、イギリス船の積荷からとされているが、国民の間で一般的に瓶ビールが飲まれるようになったのは1890年頃である。1888年に「品川硝子製造所」が設立され、日本で初めてビール瓶の製造が成功した。その後1892年にはアメリカで瓶を密封するための栓、「王冠」が発明され、瓶ビールの価格は一気に下がり、これまでは高級品とされていたビールが、庶民でも楽しめるお酒となったという経緯があるのだ。
ビールの小瓶の特徴
ビールの小瓶にも中瓶と同じく、サイズの規定がある。高さは241mm、瓶の底の直径は61mmと定められており、容量は334mlとなっている。カロリーは市販されている350mlの缶ビールとあまり変わらず、約135kcalとなっている。
ビールの大瓶の特徴
ビールの大瓶も例に漏れず、もちろんサイズの規定がある。高さは290mm、瓶の底の直径は77mmと定められており、容量は633mlとなっている。大瓶1本のカロリーは約255kcalだ。
容量が中途半端な理由
こう見るとビールの小瓶、大瓶は中瓶とは違って、容量がキリの悪い中途半端な数字であることに気づくだろう。ここで1940年に定められた酒税法が関係するのだ。法律が施行される前、ビールには生産量に応じて課税される「ビール税」と、出荷数に応じて課税される「物品税」の二重の税金がかかっていたが、法律の改正によりかかる税金がビールの出荷される数量に応じた課税のみとなったのである。これを受けて各酒造メーカーで出荷数を公平にするため、ビールの小瓶、大瓶の容量を統一することとなったのだ。当時流通していたビールの小瓶、大瓶の中で、最も小さいサイズの瓶に合わせ、すべての銘柄の容量を統一するとして、小瓶は334ml、大瓶は633mlと定められた。ビールの中瓶はこの後に追加された新たな規定のため、容量がキリのよい数字となっているのだ。
3. ビールの中瓶のおすすめは?
最後に、ビールの中瓶のおすすめ銘柄をいくつか紹介する。自宅ではもちろん、居酒屋でもビールの中瓶はちょうどよいサイズとして親しまれている。キリッと冷やして、グラスやジョッキに注いですっきりと楽しもう。
アサヒビール「アサヒスーパードライ」
アサヒスーパードライは、国民から愛される日本のビールの定番である。クリアな味わいとキレのあるのどごしはアサヒスーパードライならではの特徴で、クセがないためどのような料理やおつまみとも合わせやすい。価格は中瓶1本あたり約300円となっている。
キリンビール「一番搾り」
一番搾りはキリンビールを代表する銘柄だ。アサヒスーパードライとならび、日本を代表するビールの銘柄として知られており、すっきりとした味わいの中にしっかりと感じる麦の旨みがあることが特徴だ。なんと2020年上半期のデータでは、11年ぶりにキリンビールがビール類の市場シェアでアサヒビールを抜き、首位になったことも注目されている。価格はアサヒスーパードライと同じく、中瓶1本あたり約300円となっている。
サントリー「ザ・プレミアム・モルツ」
ザ・プレミアム・モルツは、「プレモル」の愛称でも親しまれているサントリーを代表する銘柄だ。華やかな香りとコク深い味わいがあり、ホップのフルーティーな余韻も楽しめる。じっくりと時間をかけてビールの味わいや香りを楽しみたい人におすすめだ。価格は少し上がり、中瓶1本あたり約350円となっている。
結論
今まであまりビールの瓶のサイズなどは意識をしていなかったという人も多かっただろう。瓶それぞれには実は法律で決められた規定があり、またニーズに合わせて瓶の大きさが分けられていたのである。普段は缶ビールしか飲まないという人は、ぜひこの機会にビールの中瓶を手にとってみてはいかがだろうか。いつもとは雰囲気もひと味違ったビールの味わいを楽しんでみよう。