1. ビールの大瓶はどれくらいのサイズで量はどれくらい?

はじめに、大瓶ビールのサイズや容量について解説する。普段あまりサイズや容量を意識して瓶ビールを見ていないだろうが、実はここに日本のビール史における深い歴史が関係している。ビールの歴史やほかの瓶との違いも含め、本項で基本的な特徴をしっかり押さえておこう。
ビールの大瓶のサイズや容量
ビールの大瓶のサイズには、高さが290mm、瓶底の直径が77mmという規定がある。そして容量にも全メーカー共通の規定があり、大瓶の容量は633mlとなっている。この容量はビールジョッキに置き換えると、大ジョッキ1杯分あたりと覚えておけばよいだろう。
ほかの瓶のサイズや容量は?
ビールには大瓶のほかに、小瓶と中瓶も存在する。これらにも大瓶と同じく、サイズと容量には規定があることを覚えておこう。小瓶のサイズは高さが241mm、瓶底の直径が61mmで、容量が334ml、中瓶のサイズは高さが257mm、瓶底の直径が72mmで、容量が500mlと決められている。
サイズとビールの歴史の関わり
3種類のビール瓶について解説したが、これらの容量を見てどこか気づく点はなかっただろうか。大瓶、小瓶や容量が切りの悪い数字であることに対し、中瓶のみぴったり切りのよい数字なのである。実はこの容量に、ビールの歴史が関係しているのだ。
大瓶、小瓶の歴史
もともとはビールの大瓶、小瓶ともにサイズも容量もバラバラで販売されていたが、1940年に新たに酒税法が制定。これまでビールの生産量、物品の出荷量に応じて課税されていたふたつの税金が一本化、ビールの出荷量に応じた課税だけになった。これを受け、全メーカーでサイズ、容量ともに統一されるようになった。当時、各メーカーから販売されていた大瓶、小瓶の中から最も少ない容量のものに合わせ、大瓶を633ml、小瓶を334mlと定めたのである。当時瓶のサイズもメーカーによって違ったので、最も少ない容量に合わせることで、どのメーカーが従来使用していた瓶でも対応できるという配慮である。
中瓶の歴史
中瓶の容量はぴったり500mlと、切りがよい。これには理由があり、実は中瓶のみ歴史が浅い瓶なのである。日本でビールの中瓶として初めて発売されたのは1957年のことであり、新たに酒税法が制定されてからしばらく後のことなのだ。中瓶の規定は後から追加されたものとなるので、容量が切りのよい数字となっているのである。
2. ビールの大瓶のアルコール量やカロリーは?

ここではビールの大瓶の持つアルコール量やカロリーについて解説する。大瓶1本を飲むことで、どれだけのアルコールやカロリーを摂取したのかという参考にしてほしい。どのお酒にもいえることだが、適量をしっかり守って楽しんでほしい。
ビールの大瓶のアルコール量
ビールの平均的なアルコール度数は5度となっている。これを踏まえて、ビールの大瓶の容量から1本あたりのアルコール量を計算すると、約25gとなる。アルコール摂取量における1単位とは20gであり、これが1日の飲酒量の目安とされている。1単位のアルコール摂取だけでも体内で分解されるのに3時間から4時間を要するので、飲む量はしっかり調整するよう、心がけたい。
ビールの大瓶のカロリー
ビールの大瓶1本あたりのカロリーは、約255kcalとなっている。白ご飯1杯分のカロリーが約235kcalなので、それを少し上回るくらいのカロリーと覚えておこう。
3. ビールの大瓶のおすすめは?

ビールの大瓶はほとんどのビールメーカーから販売されているので、好みの銘柄を見つけやすいことがポイントだ。普段は缶ビールを飲むという人は、この機会に瓶ビールにもトライしてみてはいかがだろうか。
キリン「キリンラガービール」
キリンラガービールは、世界からも高い評価を受ける銘柄である。ビール本来の香りや旨みが際立っており、コク深い味わいと飲みごたえがある。大瓶1本で350円あたりから販売されている。
アサヒ「アサヒスーパードライ」
アサヒスーパードライは、日本のビールの定番ともいえるだろう。ビールと聞くと、銀色のラベルをイメージする人も多いのではないだろうか。クリアな味わいとキレのあるのどごしは、アサヒスーパードライならではのものである。こちらも大瓶1本で350円あたりから販売されている。
サッポロ「ヱビスビール」
ヱビスビールは、上質な原料にこだわって造られている銘柄である。通常よりも時間をかけてじっくりと熟成させることにより、よりコクのあるまろやかな味わいを実現したプレミアムビールだ。価格は少し上がり、大瓶1本で380円あたりから販売されている。
4. ビールの大瓶の大きさを正しく理解しよう

ビールの大瓶のサイズやアルコール量などの基礎知識を知っておくことで、日頃のビール選びのヒントになる。たとえばふたりでビールをシェアするなら大瓶を、ひとりで飲むなら中瓶をなど、シーンに合わせて瓶のサイズを変えるなど、工夫が可能だ。ビール瓶といえば大瓶というイメージを持っていた人もいるかもしれないが、サイズもさまざまであることを覚えておいてほしい。
結論
普段何気なく目にしていたビール瓶には、実はそれぞれ歴史があったということをわかってもらえただろう。大瓶の容量はシェアしながら飲むのにちょうどよい容量となっている。自宅で友人やパートナーとビールを乾杯する機会があれば、缶ビールだけでなく、ビールの大瓶もぜひ活用してみてはいかがだろうか。