1. 粕取り焼酎とは?味わいや香りなどの基本的な特徴について解説
はじめに、粕取り焼酎とは一体どのような焼酎なのか、基本的な特徴を解説する。実際に粕取り焼酎を手に取る前に、基本はしっかりと押さえておきたい。
粕取り焼酎とはどんな焼酎?
粕取り焼酎とは、原料に酒粕を使用して作られている焼酎である。原料をそのまま取って「酒粕焼酎」と呼ばれることもある。酒粕とは、日本酒造りの工程でもろみをしぼった後、固形物として残ったものを指す。そのイメージから酒粕は「残り物」とも思われがちだが、実は酒粕には米や酵母の栄養分や旨み成分が豊富に含まれており、日本酒造りにおける副産物として重宝されているのだ。酒粕にはアルコール分が8%から10%ほど含まれているが、これを蒸留して作られたものが粕取り焼酎になるのである。
粕取り焼酎の味わいや香り
粕取り焼酎の味わいや香りは製法によって異なる。昔ながらの粕取り焼酎は、ビターな風味がありクセのある味わいが大きな特徴となっているが、近年はまるで日本酒のような吟醸香が楽しめる種類も作られており、その飲みやすさから人気が広まりつつある。好みの味わいの粕取り焼酎を手に取ってみよう。
2. 粕取り焼酎のおすすめの飲み方は?
粕取り焼酎の飲み方は一般的な焼酎と同じく、シンプルな飲み方が美味しく楽しめる。中でもおすすめしたい飲み方をいくつか紹介しよう。好みの飲み方で粕取り焼酎を味わってみてほしい。
まずはじっくりストレートで
粕取り焼酎の持つ芳醇な香りを楽しみたいという人には、まずストレートで飲んでみることをおすすめしたい。酒粕由来の酸味や、やさしく残る日本酒の香りなど、一般的な焼酎ではあまり感じられない新感覚の味わいをじっくりと楽しめるだろう。
すっきりとロックで味わう
ストレートでは香りが強すぎて飲みづらいという人には、ロックをおすすめしたい。ロックで飲むことで、焼酎のクリアな口当たりと日本酒のフルーティーな香りを、すっきりと味わうことができる。また、氷が溶けるにつれて微妙に変化する味わいも、ロックの楽しみのひとつといえるだろう。
香りを楽しむならお湯割り
日本酒は燗をつけて飲むことも一般的なように、粕取り焼酎もお湯割りとの相性はバツグンだ。お湯で割ることにより、ストレートやロックよりもさらに濃厚な香りを楽しめる。
味のアクセントを加えてみよう
粕取り焼酎は、柑橘類や甘味料など、味のアクセントを加えても美味しく楽しめる。カットレモンやオレンジを添えたり、ガムシロップを加えて飲んでみよう。もとはあまりにクセのある粕取り焼酎の風味を和らげるために、はちみつなどを加えて飲んでいたことがこの飲み方のルーツとされている。まさに先人の知恵が活きたアレンジといえるだろう。
3. 粕取り焼酎のおすすめは?
最後に、おすすめの粕取り焼酎の銘柄をいくつか紹介する。銘柄によって味わいの特徴もさまざまなので、ぜひお気に入りの1本を探すための参考にしてもらいたい。
杜の蔵「吟醸酒粕焼酎 吟香露」
「吟醸酒粕焼酎 吟香露」を作る杜の蔵は、なんと全国的にも珍しい、粕取り焼酎専門の焼酎蔵として始まった老舗酒造メーカーとして知られている。吟醸酒から出る酒粕だけを原料に使用するというこだわりがあり、上品な口当たりとフルーティーな味わいが特徴だ。アルコール度数は20度と低めなので、女性でも飲みやすいだろう。
八海醸造「八海山 本格粕取り焼酎 宜有千萬」
「八海山 本格粕取り焼酎 宜有千萬」は、日本酒を代表するブランドのひとつ「八海山」から生まれる、新鮮で良質な酒粕を原料に使用して作られている粕取り焼酎だ。「宜有千萬」と書いて、「よろしくせんまんあるべし」と読む。蒸留後に3年以上熟成させることで、よりふくよかでコク深い味わいを実現、ぜひストレートやロックでゆっくりと時間をかけて楽しみたい。アルコール度数は40度と高いことも特徴だ。
旭酒造「獺祭 米焼酎」
「獺祭 米焼酎」は、プレミアム日本酒として知られる、「獺祭」の純米大吟醸の酒粕を原料に使用して作られている粕取り焼酎だ。出荷数が少ない希少品であり、知る人ぞ知る代物として知られている。獺祭ならではの甘く芳醇な香りをじっくりと楽しめる逸品だ。こちらもアルコール度数は39度と高い。水割りやお湯割りで楽しもう。
結論
粕取り焼酎とは、日本酒とも深いつながりを持つ伝統的な焼酎であることをわかってもらえただろう。焼酎ファンの人であれば、日頃飲む焼酎の種類は決まっているだろうが、ぜひ一度粕取り焼酎も味わってみてはいかがだろうか。ほかの焼酎にはない新感覚の味わいを楽しんでみてほしい。