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杜氏とは酒造りにおける最高責任者!仕事内容などをチェックしよう

杜氏とは酒造りにおける最高責任者!仕事内容などをチェックしよう

投稿者:ライター 森本泰斗(もりもとたいと)

2021年2月 6日

杜氏とは、日本酒や焼酎の酒造業を営む蔵元で、酒造りにおけるすべての工程を取り仕切る職業のことを指す。蔵元それぞれの理想の酒を造るには、杜氏の存在が必要不可欠なのである。日本で古い歴史を持つ杜氏だが、本記事では杜氏という言葉の語源や、杜氏にはどのような人が多いのかという基本的な部分から、杜氏の仕事内容や杜氏になるための方法まで、詳しく解説していこう。

  
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1. 杜氏とは?意味や語源・読み方など

はじめに、杜氏の持つ古い歴史や、語源や読み方などについて解説していこう。杜氏という職業がどのようなものなのかということを知る前に、まず基本を押さえておきたい。

杜氏の歴史

日本の杜氏の歴史は、江戸時代までさかのぼる。これは年数にして、約300年前のことである。もともとは年中を通して酒造りが行われていたが、江戸時代に入り、飢饉に備えて米を備蓄せよという幕府からの通達により、冬場に余った米だけで酒造りを行わなければいけなくなった。そこで問題になるのが、冬場に集中的な酒造りを行う際の人手不足だ。しかし、冬の農閑期に手が空く、農業を営む人々が酒造りの一員に加わったことで、この窮地を乗り越えたのである。このような経緯から、各地の農村から酒造り集団が誕生し、そのリーダーを任されたのが杜氏なのだ。つまり杜氏のルーツとは、冬の間だけ酒造りを任されていた季節労働者なのである。

杜氏の語源と読み方との関わり

杜氏の読み方は、「とうじ」が一般的であるが、「とじ」と読まれることもある。この理由は、杜氏という言葉の語源、「刀自」という言葉にある。刀自と書いて、「とじ」と読む。刀自とは、「家事を引き受ける婦人」を意味する言葉である。詳しくは後述するが、もともと江戸時代以前、酒造りは女性中心に行なわれていたということから、刀自という言葉をもとに酒造りのリーダーを杜氏と呼ぶようになったという。

2. 杜氏はどんな人が多いの?

では、杜氏を職業とする人にはどのような人が多いのか、ルーツをもとに紹介していこう。またここでは、日本の杜氏を語る上で覚えておきたい杜氏集団、「日本3大杜氏」についても解説する。

杜氏のルーツは女性?

まず、前項で紹介した杜氏の語源にもあるように、江戸時代以前は女性が中心となって酒造りを行っていたとされ、酒造りの製法は各家で嫁から嫁へと代々受け継がれていたという。この理由は、男性は酒に酔うことで口が軽くなり、酒造りの製法を誰彼構わず話してしまうからというおもしろいエピソードがある。江戸時代以降、酒造りは男性が中心となったが、これは酒造りが冬だけに集中して行うという重労働に変わったため、腕力のある男性の方が適任であると考えられたことが理由として挙げられる。

日本3大杜氏について知る

杜氏は日本全国各地に存在するが、中でも日本を代表する3大杜氏の存在は覚えておこう。とくに高度な技術と、強い影響力を持った杜氏集団として知られている。

南部杜氏

南部杜氏とは、岩手県花巻市を拠点とする杜氏集団である。日本最大の規模を誇る杜氏集団として知られており、現在でも300名を超える杜氏が籍を置いている。東北の米の扱い方を熟知しており、やわらかな味わいの酒を造ることが特徴だ。

越後杜氏

越後杜氏とは、新潟県の中南部地域を拠点とする、南部杜氏に次ぐ規模を持つ杜氏集団である。日本の酒どころである新潟の杜氏であることから、その技術力は非常に高く評価されている。淡麗で辛口の味わいの酒を造ることが特徴だ。

丹波杜氏

丹波杜氏とは、兵庫県篠山市を拠点とする杜氏集団である。南部杜氏、越後杜氏と比べると規模は小さいものの、その歴史の古さや、技術力の高さから多大な影響力を持つ杜氏集団として知られている。濃厚で辛口の味わいの酒を造ることが特徴だ。

3. 杜氏の仕事内容や年収は?

本項では杜氏の基本的な仕事内容に加え、杜氏の年収についても解説する。現代における杜氏の新たな酒造りの方法も含め、確認しておこう。

杜氏の仕事内容とは

杜氏とは酒造りにおける最高責任者、つまり蔵の中の管理はもちろん、使用する原料の扱いや酒しぼり、そして貯蔵から熟成まで、すべての工程に目を配る必要がある。杜氏のもとで、ともに酒造りに携わる10名ほどの蔵人とのチームワークが重要になるのだ。これらの伝統的な製造工程は現在も受け継がれているが、現代における酒造りでは機械化を進んで導入する酒造所も増えている。微生物がうまく働くために温度や湿度、風量などの調整を機械で行うことも現代の杜氏の仕事である。このことから現在では若い杜氏や女性の杜氏も活躍しており、より若い冒険心があふれる酒造りは「杜氏のニューウェーブ」として注目を浴びている。

杜氏の年収はどれくらい?

杜氏の年収は2014年のデータによると、社員として雇われている場合で5百万円から1千万円あたりと発表されている。もちろん勤務する酒造所や杜氏の技術や実績によって年収は異なるので、これだけの幅が出るのだといえるだろう。

4. 杜氏になるにはどうしたらよい?

酒造りの現場をすべて任される杜氏だが、一体どのような資格があれば杜氏になれるのか、また杜氏になるまでにどれほどの経験を積む必要があるのかという部分は気になるポイントだろう。最後に、杜氏になるためにはどうすればよいのかということについて、解説しよう。

杜氏になるためには

実は杜氏になるために必要な資格や、経験年数などはとくに存在しない。ただ、杜氏組合に所属する必要はある。こう聞くと誰でもすぐに杜氏になれるように思えるが、杜氏には酒造りに関する知識や技術を熟知していることはもちろん、酒造りの経験やセンスも求められる。それだけでなく、蔵人同士の人間関係にも目を配る必要があるなど、現場をまとめるリーダーシップがあることも必須である。つまり、杜氏と名乗る条件自体は厳しくないものの、決して簡単に務まる仕事ではないということは理解しておこう。一般的に杜氏になるまでのステップは、蔵人として1から修行を重ねて経験を積むことが基本だが、近年では大学や専門学校で醸造技術を学び、酒造所に就職して経験や知識を得てから、杜氏を目指すという方法も見られる。

結論

杜氏という職業を聞いたことはあっても、杜氏という言葉のルーツや、実際はどのような仕事内容なのかということは知らなかったという人も少なくないだろう。酒造りだけでなく、チームワークを円滑にまとめることも杜氏にとって重要な仕事なのである。次に日本酒や焼酎を飲むときは、杜氏のこだわりも頭に思い浮かべながら、じっくりと味わってみてはいかがだろうか。
  • 更新日:

    2021年2月 6日

  

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