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合成清酒とはどんなお酒?基本的な特徴からおすすめの銘柄まで紹介

合成清酒とはどんなお酒?基本的な特徴からおすすめの銘柄まで紹介

投稿者:ライター 森本泰斗(もりもとたいと)

鉛筆アイコン 2021年11月 1日

スーパーマーケットなどのお酒売り場には、さまざまな種類の日本酒がずらりと並んでいるが、その中に一緒に並ぶ合成清酒というお酒をご存じだろうか。本記事では合成清酒についての基本的な特徴をはじめ、正しい飲み方や、おすすめの銘柄などについても詳しく解説する。合成清酒とはどのような種類のお酒なのか、しっかりと理解しよう。

  

1. 合成清酒とは?味わいや香りなどの基本的な特徴を解説

合成清酒について解説を始める前に、まず覚えておきたいポイントがある。それは、合成清酒と日本酒はまったく別物のお酒であることだ。こう聞くと驚く人もいるかもしれないが、実際は合成清酒は「日本酒風のリキュール」という扱いであることは押さえておこう。では、合成清酒とは一体どのようなお酒なのか、また味わいや香り、清酒との大きな違いについても解説する。

合成清酒とは

合成清酒とは、大正7年に起こった米の価格急騰による暴動事件、「米騒動」が誕生のきっかけである。これまでは米でなければ日本酒は造れないと考えられていたが、この事件を機に、貴重な米を極力使わないための日本酒造りの研究が始められたのである。清酒を合成することに成功したのは、理化学研究所の博士、鈴木梅太郎氏だ。鈴木梅太郎氏はビタミンを発見したことで世界的にも知られている。

合成清酒の製造方法

合成清酒の製造方法は、まずアルコールをもとにブドウ糖などの糖類、コハク酸やアミノ酸などの酸味料や調味料との組合せで風味を出し、少量の米を使用することで香りやコク、旨みを出して造られる。米の使用量が少なく、酒税の税率も低いことから、一般的な日本酒に比べて低コストで造れることが特徴である。

合成清酒の味わいや香り

合成清酒の味わいや香りは、簡単に表現するなら「日本酒に近い風味」である。普段ビールを飲む人なら、ビールと新ジャンルの違いと聞けばピンとくるのではないだろうか。糖類や酸味料、調味料などで風味を調節して造られているので、日本酒にある原料由来の華やかな風味はないものの、その味わいは非常に日本酒に近いものとなっていることが特徴だ。

日本酒との違いとは

日本酒とは、日本古来のお酒であり、清酒とも呼ばれている。日本酒と名乗るためには、まず主原料は米、米麹、水であること、そして副原料を加える場合は、醸造アルコールなど、政令で定められた材料だけしか使用できないという定義がある。つまり、使用が認められていない調味料などを使用すると、日本酒とは表記できないのである。

2. 合成清酒は危険?安全で美味しい飲み方をご紹介

合成清酒を飲むことは、健康的に危険であるとたびたび指摘されることがある。では、合成清酒が危険といわれる理由は一体どのようなポイントなのだろう。合成清酒の正しい飲み方も含め、解説する。

合成清酒が危険といわれる理由

合成清酒が危険といわれる一番の理由は、使用されている食品添加物の多さだろう。たとえば食品の旨みを引き出すアミノ酸だが、これは自然由来のものではなく、グルタミン酸ナトリウムなど、人工的に合成されたアミノ酸などが主に使用されている。ほかにも日本酒らしい酸味を出すためにさまざまな酸味料が使用されていたり、製品を安定させるためにリン酸カルシウムやポリリン酸ナトリウムなど、多くの化学物質も使用されていることが挙げられる。食品添加物が身体に合わないという人もいるので、十分に注意したい。

合成清酒の正しい飲み方

前述の通り、合成清酒が「日本酒のまがいもの」であると指摘する声も少なくはないが、実際はすっきりと淡麗な味わいなので、一般的な日本酒を飲む感覚で楽しめる。もちろん飲み方も選ばず、常温から冷酒、燗をつけても相性がよい。また合成清酒は原料の米の使用量が少ないので、日本酒に比べてプリン体が少ないことも特徴だ。どんなよいお酒でも飲みすぎは身体に毒だが、合成清酒も同じく、飲むことが身体に毒とは考えず、しっかりと量を守って飲むことが重要なポイントなのである。

料理酒としても活用してみよう

合成清酒は料理酒としても活用できる。日本酒と同様、素材本来の風味を引き立て、食材の臭みを取り、味わいにコクを加えてくれる。和食だけに限らず、洋食や中華料理とも相性がよい。合成清酒が余っているけど飲まないという人は、料理酒として活用してみてはいかがだろうか。

3. 合成清酒のおすすめ銘柄は?

最後に、おすすめの合成清酒の銘柄をいくつか紹介する。合成清酒の魅力はリーズナブルな価格で手に入ることだが、本項で紹介する合成清酒も、どれも安価であることはもちろん、高品質であることが特徴だ。では、それぞれの特色を確認していこう。

美峰酒類「美峰盛」

美峰酒類は群馬県高崎市に本社を置く酒造メーカーである。合成清酒を造り始めてから60年という古い歴史を持つため、合成清酒造りの技術力に長けている。「美峰盛」はすっきりとした飲み口と、旨みのバランスがとれた味わいが特徴だ。

北陸醗酵工業「お酒はいいと思う」

北陸醗酵工業は富山県滑川市に本社を置く酒造メーカーである。ユニークな名前が特徴の「お酒はいいと思う」は、アルコールと水に磁気を作用させることで味をなじませ、よりまろやかな味わいを実現した合成清酒である。原料に立山山麓の地下水を使用していることも特筆すべき点だ。

東亜酒造「由縁の月」

東亜酒造は埼玉県羽生市に本社を置く酒造メーカーである。酒造りの歴史は非常に古く、もとは秩父の地で約400年前から酒造りを営む老舗だ。「由縁の月」はバランスのとれた味わいに加え、芳醇な香りも併せ持った合成清酒である。

結論

これまで合成清酒と日本酒には、大きな違いはないと思っていた人も少なくはないだろうが、実際はまったく別物といえるほど両者には違いがあったのである。合成清酒とは、いわば食料不足の時代に誕生した先人の知恵である。日本酒の歴史を知る上でも、一度は味わってみてはいかがだろうか。
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  • 公開日:

    2021年2月24日

  • 更新日:

    2021年11月 1日

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