1. りんご酒とは?味わいや香りなどの基本的な特徴について解説
りんご酒といえばシードルのことを思い浮かべる人が多いかもしれない。しかしりんご酒はりんごを使ったお酒の総称だ。まずは、りんご酒の定義について紹介しよう。
りんご酒とは?
りんご酒とはりんご果汁を発酵させたお酒や、蒸留酒にりんごを漬けたお酒を合わせてりんご酒と呼ぶ。りんご果汁はそのままでも発酵するので、基本的には糖分を加えたりせずとも発酵する。もちろん糖分を加えて発酵させたものもある。りんごを蒸留酒に漬ける場合は、梅酒のようにりんごと氷砂糖を蒸留酒に漬けることがほとんどだ。蒸留酒の度数は30度以上のものを使うことが多い。
りんご酒の度数や味わい
りんごの果汁をそのまま発酵させたりんご酒は3度から5度程度と低いアルコールだ。一方りんご果汁に糖分を加えて発酵させるものは9度から12度と高めだ。味わいはりんごのさわやかな甘さとフルーティな香りが特徴で、食事にも合わせやすい。
2. りんご酒の種類にはどんなものがある?
りんごを使ったお酒は、りんごの果汁を発酵させたものだけではない。ここではりんごを使った蒸留酒についても紹介する。
シードル
りんごの果汁を発酵させ、スパークリングワインに加工したりんご酒がシードルだ。りんご果汁だけを搾り、そこに酵母を加えて発酵させる。糖分を残して発酵を終わらせればスイートタイプに、しっかりと発酵が進めばハードタイプのシードルになる。
カルヴァドス
りんご酒を蒸留しアップルブランデーにしたもののうち、フランスの北西部・ノルマンディー地方で作られたものがカルヴァドスと呼ばれる。いわゆるフランスのシャンパーニュ地方で作られるシャンパンのように原産地呼称規制をクリアしないとカルヴァドスとして名乗れないのも特徴だ。
アップルリキュール
アップルリキュールは、蒸留酒に糖分やりんごのエキスを加えたりんごのお酒だ。りんご酒とは少し違うのだが、りんごの味わいがしっかりと感じられるお酒である。カルヴァドスとは一味違うので、飲み比べてみよう。
3. りんご酒を作る際におすすめの品種は?
りんごは世界中で15000種類もあるといわれており、その中で日本では2000種程度しか栽培されていない。豊富な種類の中から、りんご酒に適するものはどんなものがあるのだろうか。シードルに適するりんごと漬け込むタイプのりんご酒に適するりんごを紹介する。
シードルに使うりんごとは
りんご酒に使うりんごのうち、シードルやカルヴァドスで有名なノルマンディー地方のりんごは4種類ある。1つ目が苦味種と訳されるアメール、2つ目が甘苦味種と訳されるドゥースアメール、3つ目が甘味種と呼ばれるドゥース、4つ目が酸味種と訳されるアシデュレだ。いずれも酸味が強く小ぶりな品種だ。
漬け込み用りんご酒に使うのは?
りんご酒を家で漬け込む際などに使うのは、食用のりんごだ。紅玉は酸味が強く、お酒の味が引き締まる。また王林も酸味が強くお酒向きである。スターキングデリシャスやシナノゴールドは香りがよいが酸味が足りないため、レモンを加えてもよい。
4. りんご酒を作る際におすすめのお酒は?
りんご酒を家で漬け込む際、どんなお酒と相性がいいのだろうか。ここではさまざまなお酒とりんごの相性を紹介する。
基本のりんご酒の作り方
まずはりんご酒を漬け込む基本レシピを紹介する。
材料
りんご 800g(果肉だけ)
砂糖 100~200g(りんごの糖度などによってお好みで調整)
ホワイトリカー 1.8L
作り方
よく洗って水気を切り、皮を剥いたりんごを適当な大きさに切る。りんごと砂糖を消毒済みの広口瓶に入れ、ホワイトリカーを注ぎ、ふたをして熟成させる。1ヶ月ほどで飲めるようになる。
材料
りんご 800g(果肉だけ)
砂糖 100~200g(りんごの糖度などによってお好みで調整)
ホワイトリカー 1.8L
作り方
よく洗って水気を切り、皮を剥いたりんごを適当な大きさに切る。りんごと砂糖を消毒済みの広口瓶に入れ、ホワイトリカーを注ぎ、ふたをして熟成させる。1ヶ月ほどで飲めるようになる。
りんご酒をウイスキーで
ウイスキーでりんご酒を作るのも味わい深いものだ。りんごとウイスキーの組み合わせは実は王道で、ドイツではバーボンウイスキーとアップルリキュールを合わせたリキュールがあるほどだ。そんなウイスキーだが、りんご酒を作る場合はブラックニッカなどのクセの少ないブレンデッドウイスキーやバーボンウイスキーが適する。
りんご酒をブランデーで
フルーツをブランデーでつけてお酒にする場合には、販売されている漬け込み用のブランデーを使うと簡単に漬けることができる。よく洗ったりんごを皮ごと漬け込んで完成だ。3日程度で飲めるようになるので、手軽さも魅力のりんご酒である。
5. りんご酒のおすすめの飲み方は?
りんご酒はそのまま飲むだけではなく、カクテルにアレンジしてみるのもおすすめだ。最後に、りんご酒のアレンジレシピを3つ紹介しよう。
イブロワイヤル
イブロワイヤルは、カシスリキュールとシードルを混ぜるだけの簡単りんご酒カクテルだ。カシスリキュールが入ることで赤い色合いになる。はちみつ大さじ半分とカシスリキュール15mlをグラスに入れて混ぜ合わせておき、最後にシードルを100ml入れて完成させるカクテルだ。簡単に作れるのでぜひ試してみよう。
アップルクーラー
こちらはりんごリキュールの方のりんご酒を使ったカクテルだ。りんご酒45ml、白ワイン45ml、グレープフルーツジュース45ml、グレナデンシロップ5mlをすべて、氷を入れたグラスに注いで軽く混ぜれば完成である。若干材料は多いものの、混ぜるだけの簡単カクテルだ。
アップル・カー
最後におすすめするのはりんごの蒸留酒、カルヴァドスを使用したりんご酒だ。カルヴァドス30mlとホワイトキュラソー30ml、レモンジュース20mlをシェイカーに入れてよくふり混ぜ、グラスに注げば完成する。
結論
りんご酒とひとくくりにしても、その種類はさまざまだ。りんごを発酵させるものだけでなく、りんごを漬け込むもの、またりんご酒にしてから蒸留するものなど多岐にわたる。さらにりんごによっても味わいに変化が生まれる。魅力たっぷりのりんご酒を作ってみたり、購入してみて飲んでみよう。新たなお酒の世界が開かれるかもしれない。