1. 芋焼酎の3Mとは?
はじめに、芋焼酎の3Mとはどのような銘柄を指すのか、それぞれの特徴も含めて解説する。3つの銘柄のイニシャルをとって3Mと呼ばれるので、ここでピンときた人もいるだろう。どれもスーパーマーケットやコンビニなどで日常的に並ぶ銘柄ではなく、プレミアム焼酎と呼ばれるのにふさわしい種類ではあるが、芋焼酎ファンならぜひ特徴を押さえておきたい。
白玉醸造「魔王」
「魔王」は、鹿児島県肝属郡に本社を置く、白玉醸造が販売する芋焼酎の銘柄である。3Mの中でも比較的流通量が多い銘柄なので、目にしたことがある人も多いのではないだろうか。蒸留酒の熟成の過程で、原酒の量が自然に減る現象を「天使の分け前」と呼ぶが、その現象を「悪魔たちが魔界へと調達する最高の酒は、天使をも誘惑する」という意味合いで解き、「魔王」と名づけられたという。しかし名前のインパクトとは異なり、その味わいはまろやかですっきりとしており、吟醸香のようなフルーティな香りを持つことが特徴だ。
村尾酒造「村尾」
「村尾」は、鹿児島県薩摩川内市に本社を置く、村尾酒造が販売する芋焼酎の銘柄である。伝統のかめ壺仕込みで造られており、芋焼酎ならではの香ばしさと、ほのかな甘みのある味わいが特徴だ。原料のサツマイモの出来栄えや造りによって毎年味わいや香味の個性が変わるため、当たり年の「村尾」にはとくに人気が集中するという。
森伊蔵酒造「森伊蔵」
「森伊蔵」は、鹿児島県垂水市に本社を置く、森伊蔵酒造が販売する芋焼酎の銘柄である。「飲む人が直接買いに来たくなるような焼酎」をコンセプトに造られており、上品な香りとバランスのとれた味わいが特徴である。1996年、親日家として知られたフランスの故ジャック・シラク元大統領が、「森伊蔵」を愛飲していると報じられたことを機に、全国で人気の銘柄となった。
2. 芋焼酎の3Mを飲み比べてみたい
芋焼酎の3Mについて解説したが、せっかくであればその特別な味わいを飲み比べてみたいという人も多いのではないだろうか。本項では3Mの飲み比べセットについて解説する。また、気になる3Mの流通価格も加えて紹介していこう。
芋焼酎の3Mの流通価格とは
芋焼酎の3Mはそれぞれ入手困難というだけでなく、流通価格も一般的な芋焼酎に比べると非常に高値であることが特徴だ。実は蔵元が提示する希望小売価格はそれぞれ一升瓶でも3,000円を下回るが、この価格にブランド性や話題性が上乗せされ、「魔王」と「村尾」はそれぞれ10,000円から15,000円ほど、そして「森伊蔵」は20,000円から30,000円ほどと、各銘柄ともにプレミア価格がつけられるのだ。3Mは定価で購入するためには蔵元や特約店に直接予約が必須となるが、すべて抽選となるため、確実に定価で購入するのは運次第といえるだろう。
芋焼酎の3Mの飲み比べセットについて
それぞれが高値で取引されている芋焼酎の3Mだが、飲み比べセットとして販売される場合もある。とても高価なセットにはなるが、単品で揃えるよりは少しお買い得になる。また、購入にあたり予約なども必要がないため、ほしいときにすぐ買えることが魅力である。自分へのごほうびをはじめ、特別な日のプレゼントにもおすすめしたい。
3. 3M以外で人気のプレミアム芋焼酎
芋焼酎の3Mは、日本で流通するプレミアム焼酎の代表格だが、3M以外にもプレミアム焼酎と呼ばれる種類があることをご存じだろうか。本項では、3M以外で有名なプレミアム芋焼酎の銘柄を紹介する。
佐藤酒造「佐藤 黒」
「佐藤 黒」は、鹿児島県霧島市に本社を置く、佐藤酒造が販売する芋焼酎の銘柄である。3Mに次ぐプレミアム芋焼酎の銘柄として、広く知られている。黒麹仕込みならではの力強さがあり、口に含むと鼻に抜けるパンチのある芋の風味と、ゆっくりと広がる甘みが特徴だ。
甲斐商店「伊佐美」
「伊佐美」は、鹿児島県伊佐市に本社を置く、甲斐商店が販売する芋焼酎の銘柄である。プレミアム芋焼酎の元祖として知られる銘柄であり、なめらかな口当たりと、コク深い芋の風味が特徴だ。比較的安価で流通しているので、初めてのプレミアム芋焼酎にもぴったりである。
結論
芋焼酎の3Mとはどのような銘柄を指すのか、またそれぞれの流通価格や飲めるお店、3M以外のプレミアム芋焼酎についてなど、さまざまなポイントを詳しく解説した。3Mはなかなか簡単に手に入る銘柄ではないため、手軽に飲めるものとはいえないが、購入する機会や飲む機会があれば、ぜひ本記事で紹介した内容を参考にしてもらいたい。