1. こめ焼酎とは?
はじめに、こめ焼酎とは一体どのような焼酎なのか、基本的な特徴から解説していこう。こめ焼酎はその名の通り原料にお米を使用して造られる焼酎を指すが、その名産地とはどこなのか、また気になるカロリーや糖質のこと、そして同じお米を原料とする日本酒との違いについて理解しておきたい。
こめ焼酎の名産地
こめ焼酎の名産地といえば、熊本県南部に位置する人吉盆地である。人吉市、球磨郡がこのエリアにあたり、現在27の蔵元が稼働している。ここで造られるこめ焼酎は球磨焼酎と呼ばれており、フランスのコニャックやボルドーなどと同じく国から「地理的表示の産地指定」を受ける世界の銘酒としても知られているのだ。人吉盆地でのこめ焼酎造りの歴史は500年を超えるといわれており、「桜の里」などの銘柄を販売する球磨郡水上村の松下醸造所は現存する最古の蔵元とされ、創業の1804年から現在に至るまで同じ蔵元でこめ焼酎造りを営んでいる。
こめ焼酎のカロリーや糖質
こめ焼酎のカロリーは銘柄によって異なるものの、100mlあたりで約140kcalから150kcalあたりが平均的である。焼酎はアルコール度数が高い分、カロリーが高くなることを覚えておこう。次に気になる糖質だが、糖質制限中はご法度というイメージがあるお米が原料なだけに、こめ焼酎は糖質が高いと思うかもしれないが、実はこめ焼酎を含め焼酎には糖質が一切含まれていない。つまり、割りものを加えてカロリーコントロールをしながら飲めば、ダイエット中でも飲めるお酒と考えられるだろう。
日本酒との違いとは
こめ焼酎と日本酒はどちらもお米が原料のお酒のため、混同して考えられやすいが実際は製法がまったく異なる。まず日本酒だが、こちらは原料のお米を発酵して造られる醸造酒である。対してこめ焼酎は、できあがった醸造酒に蒸留の工程を加えて造られる蒸留酒なので、いくら同じ原料だとしても製法によってそれぞれ異なる個性が生まれるのである。また、日本酒の原料には主に醸造用の酒造好適米が使用されるが、こめ焼酎の場合は原料に食用米が使用されることもある。このように、原料のお米にも違いがあることを覚えておこう。
2. こめ焼酎といえば白岳しろ
こめ焼酎の代表銘柄といえば、高橋酒造が販売する「白岳 しろ」がすぐ頭に浮かんだ人は多いのではないだろうか。平仮名で大きく「しろ」と書かれたラベルが印象に残るこめ焼酎の銘柄だが、スーパーマーケットをはじめコンビニでも並ぶほどの人気銘柄である。「白岳」は高橋酒造の主力銘柄であり、球磨焼酎の中でもとくに流通量の多い銘柄として知られているが、白岳シリーズの「白岳 しろ」の人気の秘密とはどのような部分なのだろう。
「白岳 しろ」とはどんなこめ焼酎?
「白岳 しろ」が人気の理由は、まずはその飲みやすさである。上品で軽い口当たりと、透明感のあるさっぱりとした味わいは、普段焼酎をあまり飲まないという人にとっても飲みやすく仕上がっている。また風味にクセがないため、さまざまな料理との相性がよく、ロックや水割り、ハイボールなど好みの飲み方で食事を楽しめることが魅力的だ。ラインナップは3種類用意されており、定番の「白岳 しろ」のほかに、お米の吟醸香にこだわった「白岳 銀しろ」や樽熟成を加えることでまろやかな厚みをプラスした「白岳 金しろ」がある。好みのタイプを選べることも「白岳 しろ」が人気の理由のひとつといえるだろう。
3. プレミアムな高級こめ焼酎が飲みたい
焼酎に飲み慣れてきたら、高級なプレミアム焼酎も飲んでみたくなるものである。芋焼酎の3Mともいわれる「魔王」・「村尾」・「森伊蔵」は、プレミアム焼酎を代表する銘柄として広く知られているが、こめ焼酎にもプレミアム焼酎として扱われる銘柄は存在する。本項では、こめ焼酎の高級銘柄を紹介していこう。
黒木本店「野うさぎの走り」
「野うさぎの走り」は、宮崎県児湯郡に蔵元を持つ黒木本店が販売するこめ焼酎の銘柄である。麦焼酎の「中々」や「百年の孤独」など多くの人気銘柄が造られているが、この「野うさぎの走り」もまた、黒木本店を代表する高級こめ焼酎として知られている。長期熟成させた古酒をベースに使用しており、ドライですっきりとした飲み口の中にナッツのような風味とほのかなスモーキーさも感じられ、一般的に流通するこめ焼酎にはない複雑で繊細な味わいが楽しめる。
小正醸造「メローコヅル エクセレンス」
「メローコヅル エクセレンス」は、鹿児島県日置市に蔵元を持つ小正醸造が販売するこめ焼酎の銘柄である。まるでブランデーを思わせるようなボトルデザインが特徴で、オーク樽で長期熟成を加えて造られている。まろやかな口当たりとバニラのような甘い香りを持ち、その品質は世界でも認められている高級こめ焼酎である。
4. こめ焼酎の美味しい飲み方
最後に、こめ焼酎の美味しい飲み方について詳しく解説していこう。また、より美味しく楽しむためのポイントとして、こめ焼酎を飲むのにおすすめのグラスについても含めて紹介する。
こめ焼酎の美味しい飲み方とは
こめ焼酎の飲み方はほかの焼酎と同じく、定番のオン・ザ・ロックやストレート、水割りはもちろん、ソーダで割って焼酎ハイボールとして飲んでも美味しい。しかし、ここでおすすめしたいのが「お湯割り」である。温かいご飯が美味しいのと一緒で、こめ焼酎も温めることで旨みや香りがさらに際立つのだ。日本酒のように、そのまま燗をつけて飲むのもよいだろう。こめ焼酎を手にしたなら、ぜひ一度試してみてほしい。
グラス選びのポイントを紹介
こめ焼酎をより美味しく楽しむため、グラス選びにもこだわってみよう。焼酎グラスには非常に多くの種類があるので、飲み方に合ったグラスでこめ焼酎を楽しんでみてはいかがだろうか。キリッと冷やして飲むのであればガラス製と相性がよく、温めて飲むのであれば陶器製と相性がぴったりだ。お気に入りのグラスを見つけて、雰囲気も一緒にこめ焼酎をじっくり味わおう。
結論
こめ焼酎の産地などの基本的な特徴やさまざまな銘柄、また美味しい飲み方についてなど、これまで知らなかったポイントもあったかもしれないが本記事を機によく知ってもらえただろう。まだこめ焼酎を飲んだことがないという人は、ぜひ一度手にとり、じっくりと味わってみてほしい。