1. ニシンとはどんな魚?旬はいつ?
冷たい水を好むため日本では北の海で獲れるニシンは、北海道が有名である。北の地方では呼び方が様々あり、ヤナバやテックと呼ばれるほど暮らしに根付いた魚といえる。北海道では今でも獲れるが、流通しているニシンは、ほとんどがロシアやカナダから輸入したものだ。
ニシンの旬
ニシンは別名を春告魚と呼ばれる事から分かるように、かつて北海道沿岸に春の3月から大量に押し寄せていたが乱獲によって数が激減し、ニシンは輸入ものが多い。また、ニシンの卵は数の子で、数の子を獲るタイミングとしては産卵期の春が旬となるが、ニシン自体は、秋10月から12月が旬だ。
2. ニシンの栄養価と効能
EPAとDHA
EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は青魚に多く含まれる栄養素として知られている。EPAは、血液をサラサラにする働きを持っており、不飽和脂肪酸の一種で、ニシンの脂肪分に含まれている。また、DHAは神経細胞の細胞膜を柔らかくして脳の働きを活発にする事で、記憶力、学習能力をアップさせる働きがあるとされている。生活習慣病の対策や脳の働きを向上させたい人にとっても重要な栄養素なのでぜひ積極的に摂取したい。
カルシウム
子どもの成長期には、カルシウムがたくさん使われる為、不足しがちな栄養素である。丈夫な歯や骨を作るだけでなく、血液や筋肉、神経細胞にも重要な働きをする為、老若男女が必要とする栄養素だ。また、良質なカルシウムは魚の骨に多いとされており、骨の多い魚として知られるニシンは魚の中でもカルシウム摂取に有効とされている。
亜鉛や鉄分
亜鉛は成長ホルモンの生成をサポートする働きを持つ重要な栄養素である。不足すると、免疫力低下や味覚障害を引き起こす可能性が高まるようなので、味覚や体の健康を保つためにも積極的に摂取したい。また、摂取しにくいイメージのある鉄分だが、不足することにより貧血や手足の冷えなどを引き起こす為、豊富に含まれているニシンを食して積極的に体内に摂り入れたい。
3. 美味しいニシンの見分け方と保存方法
ニシンは傷みやすい魚の為、できるだけ新鮮なものを選びたいものである。旬の時期に獲れたての新鮮なニシンが手に入った際には、ぜひお刺身で楽しみたい魚だ。
新鮮なニシンの見分け方
ニシンは目に赤みや濁りがなく、皮がぴんと張って青光りしているものが新鮮とされている。さらに、鱗の多さもニシンの特徴なので、鱗の残り具合が多いほど新鮮とも言える。また、腹部の柔らかい魚は新鮮さに欠けるので、選ぶ場合には全体的な色やハリだけでなく柔らかさにも注目したい。
ニシンの保存方法
生のニシンを保存する場合には、下処理を行い、水洗いをしたらキッチンペーパーなどで水気をしっかりと拭き取る。雑菌は空気に触れる事で増殖するため、ラップで包みジップに入れ冷蔵保存する事で3日程度持つだろう。冷凍の場合にも冷蔵と同様の手順を行い、急速冷凍をする事で2週間程度保存できる。ただし、刺身として食べる場合は、すぐに食べきった方が無難だろう。
ニシンは日本で古来から親しまれてきた魚で、様々な方法で保存されてきた。冷凍や冷蔵の保存方法の他にも干し魚、塩漬け、酢漬けや粕漬けで保存できる事もニシンの魅力の1つである為ぜひ参考にしてほしい。
結論
ニシンはサンマやサバと同様に栄養価が高く、大人にも成長期の子どもにとっても必要な栄養素が詰まっている。調理方法によっても食感や味わいがガラッと変わる食材の為、時期に合わせた調理法で積極的に摂取したい。