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【ピーナッツ】カロリーや栄養・効能を解説!上手な食べ方や注意点も

【ピーナッツ】カロリーや栄養・効能を解説!上手な食べ方や注意点も

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2021年1月19日

ピーナッツは「栄養豊富」「高カロリー」などいろいろといわれるが、実際のところどうなのだろうか?本稿ではカロリーを始めとする栄養と効能、期待できる効果、上手な食べ方やおすすめレシピ、さらには注意点まで、ピーナッツに関する情報を網羅的に解説する。

  

1. ピーナッツとは?

まずは簡単に、ピーナッツに関する基本から学んでいこう。

「落花生」の豆の部分

ピーナッツとは、落花生の殻を剥いた豆のことをいう。南アメリカが原産で、日本に伝えられたのは江戸時代頃といわれている。日本で有名な生産地といえば千葉県や茨城県だろう。とくに千葉県は、全国の生産量のおよそ8割を占める。ただしスーパーなどで見かけるピーナッツの多くは、中国などからの輸入ものである。

種類は1,600以上?

日本で見かけるピーナッツの多くは、大粒でボリュームのある「ヴァージニア」と呼ばれる種類だが、世界的に見るとほかにバレンシアやスパニッシュといった種類も多く出回っている。ピーナッツはアメリカをはじめ中国やインド、ナイジェリアやインドネシアなどさまざまな地域で栽培されており、その分種類も豊富だ。厳密に分けていくと、1,600を超える種類のピーナッツが存在するという。

2. ピーナッツの主な栄養

続いて、ピーナッツの栄養について詳しく解説する。まずは文部科学省「食品成分データベース」(※1・※2)から調理前の「乾」と、調理後の「いり(炒り)」それぞれのピーナッツの主な栄養素を抜粋して紹介しよう。カッコ内を「いり」とする。

ピーナッツ(大粒)100gあたりの主な栄養素

  • エネルギー:560(588)kcal
  • たんぱく質:25.2(25.0)g
  • 脂質:47.0(49.6)g
  • 炭水化物:19.4(21.3)g
  • 灰分:2.3(2.4)g
  • ナトリウム:2(2)mg
  • カリウム:740(760)mg
  • カルシウム:49(50)mg
  • マグネシウム:170(200)mg
  • リン:380(390)mg
  • 鉄:1.6(1.7)mg
  • 亜鉛:2.3(3.0)mg
  • 銅:0.59(0.69)mg
  • マンガン:1.56(2.15)mg
  • ビタミンA(βカロテン):6(5)μg
  • ビタミンE(トコフェロールα):11.4(10.4)mg
  • ビタミンB1:0.41(0.24)mg
  • ビタミンB2:0.10(0.13)mg
  • ナイアシン:19.5(23.1)mg
  • ビタミンB6:0.49(0.46)mg
  • 葉酸:76(58)μg
  • パントテン酸:2.56(2.20)mg
  • ビオチン:92.3(105.0)μg
  • 飽和脂肪酸:8.25(9.00)g
  • 一価不飽和脂肪酸:22.57(24.54)g
  • 多価不飽和脂肪酸:13.59(14.83)g
  • 水溶性食物繊維:1.3(1.5)g
  • 不溶性食物繊維:7.2(9.8)g

カロリー

気になるピーナッツのカロリーは、乾燥させたもので100gあたり560kcalと意外と高い。少量でしっかりエネルギーを摂取できるが、一般的に間食の適量とされているのは200kcal程度だ。食べすぎてしまうとカロリー過多になるおそれがあるので気をつけよう(※3)。

たんぱく質

筋肉や皮膚、ホルモンや抗体など身体を構成したり調節したりするために欠かせない重要な栄養素がたんぱく質である。20種類のアミノ酸で構成されており、ピーナッツには主にトリプトファン・アスパラギン酸・グリシン・アルギニンといったアミノ酸が多く含まれている(※4・※5)。

ミネラル

ヒトは体内でミネラルを合成できない。そのため食物から摂取する必要がある栄養素だ。ピーナッツには、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」において微量ミネラルとして基準が設定されているカリウム・マグネシウム・鉄・リンといったミネラルが豊富に含まれている(※6・※7)。

ビタミンE

ピーナッツに多く含まれるビタミンEは強い「抗酸化作用」を持つ。身体が錆びつくのを防ぐには欠かせない栄養素だ。また老化や動脈硬化の原因となる過酸化脂質と呼ばれる物質を作り出す「活性酸素」を抑制する働きもある(※8)。

ビタミンB1

ビタミンは、ミネラルと同様に食物から摂取する必要がある。ピーナッツに多く含まれるビタミンB1は、水溶性の「ビタミンB群」の一種で、体内で起こるさまざまな代謝に欠かせない「酵素」の働きを助ける役割がある。エネルギーを効率よく代謝するために重要な栄養素だ。不足すると脚気(かっけ)を起こすことがある(※9・※10)。

ナイアシン

ビタミンB群の一種で「ビタミンB3」とも呼ばれる。細胞の代謝を促進する効果がある。また肝臓の働きを活性化させて代謝をサポートする作用もあり、悪酔いや二日酔い防止に効果的とされている。

オレイン酸・リノール酸

ピーナッツには、身体によい油として知られる「オレイン酸」と「リノール酸」がたっぷり含まれている。コレステロール値を整え、生活習慣病の予防につながる栄養素だ。このように、ピーナッツには多くの栄養素がバランスよく含まれている。日々の食生活に上手に取り入れたいところだ。

「薄皮」にも栄養があるって本当?

剥かない派・剥く派・そもそも気にしない派などに分かれるかもしれないが、実は薄皮にも栄養がある。1枚に多量の栄養素が豊富に含まれているというわけではないが、活性酸素を取り除き、身体が酸化するのを抑える抗酸化物質「ポリフェノール」が含まれているといわれている(※11)。

3. ピーナッツに期待できる効果

ご覧のように、ピーナッツは高カロリーではあるものの、さまざまな栄養素がバランスよく含まれている。では、そうした栄養素によりどういった効果が期待できるのだろうか?

動脈硬化の予防やエイジングケア

活性酸素は微量であれば人体に有用だが、大量に生成された場合は過酸化脂質を作り出し、動脈硬化や老化、がんや免疫機能の低下などを引き起こすおそれがある。ピーナッツに含まれるビタミンEや薄皮のポリフェノールなどは、その活性酸素を抑制したり取り除いたりする働きがある。

二日酔いの予防

ナイアシンには肝臓を活性化させ代謝を助ける働きがある。またアミノ酸の一種アスパラギン酸には利尿作用がある。酒のつまみとしてピーナッツを上手に取り入れれば、酒が残りにくく二日酔い防止効果が期待できるというわけだ。

血行促進や貧血の予防

ビタミンEやマグネシウム(※12)には、体内で起こるさまざまな代謝をサポートする働きがある。代謝が活発になることで血行が促進され、冷え性の改善などにつながる可能性もある。また不足すると貧血や集中力の低下、頭痛や食欲不振などを招くことがある鉄(※13)も、ピーナッツに多く含まれている。

肥満や生活習慣病の予防

ピーナッツは、血糖値の上がりやすさの指標となるGI値が低い。血糖値が急上昇するとインシュリンが大量分泌され、太りやすい体質につながってしまうのだが、その数値が低いピーナッツは、血糖値がゆるやかに上昇する。つまり太りにくい食べ物というわけだ。またオレイン酸、リノレン酸などの「不飽和脂肪酸」には、コレステロール値を整える働きがあり、生活習慣病の予防が期待できる。

便秘予防や腸内環境の改善

ピーナッツには食物繊維も豊富に含まれている。食物繊維はヒトの消化酵素では消化できない成分で、便のかさ増しをして腸に刺激を与え排便を促したり、血糖値の急上昇を抑えたり、チョない環境を改善したりする作用があるといわれている(※14・※15)。

ただし「食べ方」が何より重要

このようにさまざまな効果が期待できるが、もちろんピーナッツだけ食べていればOKというものではないし、またピーナッツの食べ過ぎもNGだ。そもそも生活習慣や食生活が乱れていれば、せっかくのピーナッツの効果も十分に得られない可能性がある。上記はあくまで、上手に日々の食生活に取り入れたときに期待できる効果として捉えよう。

4. ピーナッツの殻は有効活用できる?

ここまでピーナッツや薄皮について解説してきたが実は「殻」にも意外な作用があるといわれている。知っておくと、役に立つときがあるかもしれない。

消臭効果

ピーナッツの殻を天日干しなどで乾燥させ、細かく砕いてガーゼに包んだり、布袋に入れたりして置いておくと消臭効果が期待できるという。少しでも空気に触れる面が多くなるよう、細かく砕くのがポイントだ。

土壌改良

ピーナッツの殻にはたんぱく質が含まれている。地中で分解されれば微生物の貴重な栄養源となる。このことから堆肥や土壌改良に活用されるケースも多いという。また土の中にピーナッツの殻の「層」が作られることで通気性の確保も期待できる。家庭菜園が趣味の方などは、より詳しく調べてみてはいかがだろうか?

ホルムアルデヒドを吸着する?

ピーナッツの殻には、シックハウス症候群の原因物質とされている「ホルムアルデヒド」を吸着する効果があるともいわれている。果たしてどこまで高い効果が期待できるかは不明だが、もし本当に効果があるのであれば、今後の研究に期待したいところだ。

5. ピーナッツを食べるときの注意点

ピーナッツを食べるにあたっての注意点を2つお伝えしておこう。

アレルギー

ピーナッツはアレルギーの原因となる食品だ。症例数が多いことなどから「特定原材料」に指定されている。食品の包装などに「落花生」と書かれていればピーナッツのことである。重篤な症状を引き起こすこともあるため、アレルギーの方はとくに注意しよう。

食べ過ぎ

さまざまな栄養素が豊富なピーナッツだが、お伝えしたようにカロリーは高い。1粒がそれほど大きくないためつい食べ過ぎてしまう方も多いかもしれないが「少量ずつ継続して食べること」のほうが大切である。

6. ピーナッツの1日の摂取目安量

具体的に、1日どれくらいであれば摂取してもよいのか、目安となる量を見ていこう。

1日20〜30粒を目安に

1粒1gとして考えると、1日20〜30粒を目安にすると継続しやすいだろう。上述した栄養成分一覧をもとに計算すると、20粒(20g)で112kcal、30粒(30g)で168kcalとなる。間食の適量は200kcalといわれているので、十分収まることになる。ただし飲料やほかのお菓子などを食べてしまえばオーバーしかねないので、そこは上手に計算してほしい。

バランスよく食べることが大切

たしかに栄養が豊富ではあるが、ピーナッツだけを食べるのではなく、果物や野菜、肉などいろいろな食品から、さまざまな栄養素をバランスよく摂取することも大切だ。

7. ピーナッツの食べ方

1日20〜30粒のピーナッツを美味しくいただくための食べ方をいくつか紹介する。

ロースト(素煎り)ピーナッツ

フライパンなどでローストしてから食べる、もっともスタンダードな食べ方だろう。もちろん市販品を購入してもよい。殻を剥く手間がかからないうえ薄皮ごと食べられるし、料理などにも使える便利なピーナッツだ。

茹でピーナッツ

9〜1月頃など、旬の時期に新鮮なピーナッツが手に入ったらぜひ茹でて味わってみてほしい。鍋に水と、水の量に対し塩を3〜4%ほど入れて、殻付きのまま30分ほど茹でる。まだ硬いようであれば茹で時間を延ばそう。

「無塩」「素焼き」を選ぶのもおすすめ

おやつ用の市販のピーナッツには、油分や塩分が多く含まれているものも多い。思わぬところで塩分を摂り過ぎてしまわないよう、塩を使っていない素焼きのものを選ぶとよいだろう。

8. ピーナッツを使うおすすめレシピ

最後に、ピーナッツを使ったレシピを3つ紹介する。そのまま食べてももちろんよいが、別の使い方もできるので、ぜひ試してみてほしい。

ほうれん草と和える

麺棒などで軽く砕いたピーナッツを、フライパンで軽く炒り、サッと茹でたほうれん草と調味料で和えるだけで作れる簡単なお浸しだ。調味料はシンプルに醤油・砂糖・みりん程度でよい。

唐揚げの衣に混ぜる

鶏の唐揚げを作る際、麺棒などで軽く砕いたピーナッツを、片栗粉をまぶす前に鶏肉に付けるだけでよい。歯ごたえがありいつもと変わった食感の唐揚げが作れる。

無塩ピーナッツバターを作る

バターというと難しく思えるかもしれないが、実は簡単に作れる。無塩・素焼きのピーナッツをミキサーに入れて5分ほど撹拌すれば、トロッとした無塩ピーナッツバターの完成だ。甘みがほしいときは、ピーナッツ300gに対し砂糖20g、食塩1gほど加えて同じようにミキサーにかけよう。

結論

ピーナッツは気軽に食べられるうえ栄養価の高い食品である。カロリーが高く、アレルギーもあるため食べ方には注意が必要だが、期待できるさまざまな効果は魅力だ。日々の食生活に上手に適量を取り入れれば、健康を保つための強い味方となってくれるだろう。

(参考文献)

インフォメーションマークアイコンオリひとを楽しむための注意事項はこちら
  • 公開日:

    2017年6月23日

  • 更新日:

    2021年1月19日

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