1. 粉唐辛子の保存方法

まずは、スーパーなどで販売されている瓶詰めまたは袋詰めの、粉唐辛子(粗挽き・パウダーなど)の保存方法から見ていこう。
湿度や温度が高くなりにくい場所へ
唐辛子の大敵は水分や高温だ。せっかくの風味が損なわれてしまうため、常温でOKだが湿気が溜まりにくく高温にもなりにくい冷暗所での保存をおすすめする。
コンロの近くなどは要注意
調理中、すぐに手の届くところに置いておきたいところだが、コンロの近くは温度が高くなりがちなためあまりおすすめできない。上述のように風味が低下するおそれがあるため、離れた場所で保存しよう。
鍋の真上から直接ふりかけるのも注意
調理中の鍋やフライパンの上から直接ふりかけると、湯気などが入り込んで湿気るおそれがある。また温度差で瓶や袋の中に結露が生じれば、劣化を早める原因となってしまうので気をつけよう。
2. 生の唐辛子を冷蔵・冷凍保存する方法

続いて、生の唐辛子を保存する方法を見ていこう。ここでは大きく「冷蔵」と「冷凍」のやり方を紹介する。
冷蔵保存する方法と期間の目安
唐辛子の乾燥を防ぐため、密閉できる保存袋やラップで空気が入らないように包むなどし、冷蔵庫の野菜室で保存しよう。なお水分が付着していると劣化を早める原因になる。保存する前によく確認し、水分が付着している場合はペーパータオルなどで丁寧に拭き取っておこう。保存期間は1週間ほどが目安となるが、生の唐辛子は傷みやすい。1週間以内であっても使う前に状態を確認してほしい。
冷凍保存する方法と期間の目安
唐辛子を1週間以上使う予定がない、大量に手に入ったというときは最初から冷凍保存するとよい。同じく水分が付着していれば拭き取り、1本ずつラップに包んでから密閉できるフリーザーバッグにまとめて入れ、冷凍庫で保存しよう。厳重に包むのは、唐辛子の冷凍焼けや風味が逃げるのを少しでも防ぐためだ。解凍後の使いやすさを重視するのであれば、輪切りなどにカットしてから保存するのでもよい。
保存期間は3カ月ほどが目安となるが、カットしたものは1本まるまるよりも劣化が早いため、できるだけ速やかに使い切ることをおすすめする。
保存期間は3カ月ほどが目安となるが、カットしたものは1本まるまるよりも劣化が早いため、できるだけ速やかに使い切ることをおすすめする。
冷凍保存した唐辛子の解凍方法
カットしてから冷凍した唐辛子はそのまま調理に使ってOKだ。1本まるまる冷凍した場合は、キッチンバサミなどで使いやすい大きさにカットしたうえで、水に浸しておくなどしよう。
3. 生の唐辛子を乾燥させて保存する方法

手間と時間はかかるが、より長く保存したいときは生の唐辛子を乾燥させてから保存する方法もある。
乾燥保存のメリット・デメリット
しっかり乾燥させてから保存できれば、かなり長い期間保存できる。しかし、乾燥させる時間(長ければ1カ月以上など)やスペースが必要なうえ、水分が残ったまま保存してしまうと劣化したりカビが生えたりするおそれもある。
乾燥させる方法
家庭菜園で栽培したものなど株つきの唐辛子の場合は、数本ずつ束にして根元を縛り、軒下などに逆さにして吊るしておこう。一方、実だけの唐辛子であれば、乾燥用の網あるいはザルなどを使って、風通しのよい日陰で乾燥させよう。日光が直接当たると変色するおそれがあるため気をつけてほしい。また唐辛子同士はできるだけ重ならないように並べるのもポイントだ。
乾燥したかどうかの確認方法
表面がシワシワになっていることと、唐辛子をふったときにカラカラと種の音が聞こえることが目安になる。乾燥させる日数の目安としては1週間ほどだが、品種や乾燥させる環境などにより前後する。また種の乾燥が不十分だと保存中にカビが生えるおそれがあるため、とにかくしっかり乾かすことが大切だ。
乾燥唐辛子の保存方法と期間の目安
唐辛子を湿気から守るため、速やかに密閉できる保存容器(ガラスの瓶など)に移して保存しよう。もちろん、直射日光を避けることと、湿気や温度が高くなりにくい冷暗所に保存することも忘れないようにしてほしい。期間としては半年〜1年ほどが目安となる。保存容器に日付を書いておくと分かりやすいだろう。
果肉が厚い品種は乾燥保存に向かないことも
キャロライナ・リーパーやハバネロといった果肉が厚い品種は、水分が多く含まれている。その分、乾燥に時間がかかる、あるいは完全に乾燥させるのが難しいため、乾燥保存はおすすめしない。鷹の爪など果肉が薄い品種の場合に留めよう。
4. 唐辛子をオイル漬けで保存する方法も

唐辛子をオイル漬けにする方法もあるので紹介しておこう。ピザをはじめいろいろな料理に使えるピリ辛オイルができあがるうえ、長期保存も可能な方法だ。
唐辛子のオイル漬けの作り方
唐辛子を流水でキレイに洗い、水分を残さず拭き取ったら、爪楊枝などで数箇所、小さな穴をあける。次に煮沸消毒をした清潔な保存瓶を用意し、オイルと一緒に唐辛子を入れる。ひと晩もすれば使えるようになる。オリーブオイルがおすすめだが、ごま油やサラダ油などでもよい。また生・乾燥いずれの唐辛子も漬けられるが、生の場合は水分が多く含まれていると劣化を早めるおそれがあるため、鷹の爪など果肉が薄い品種を使おう。
結論
唐辛子の大敵は水分と高温である。粉でも生でも、唐辛子を保存するのであればこれらに注意して場所を選ぼう。オイル漬けは料理にかけても美味しいし、魚を焼いたりチャーハンを作ったりなど調理に使っても美味しい。大量に手に入ったときはぜひ試してみよう。