1. 産地
ピーマンの原産地は、南米と言われている。15世紀にコロンブスがスペインに持ち帰り、最初は「トウガラシ」としてヨーロッパ全土に広まったのだとか。16世紀に入り、ポルトガル人の手によって日本に伝わった。そして、第二次世界大戦後に、日本の一般家庭に普及するようになった。
国内におけるピーマンの県別生産高では、茨城県がトップで全体の約2割を占める。次いで生産量が多い県として、2位は宮崎県、3位は高知県。夏から秋の間は茨城県産のもの、冬から春にかけては宮崎県や高知県のピーマンが市場に出回る仕組みになっている。この仕組みによって、本来は夏の野菜であるピーマンが一年中食べられるというわけだ。
国内におけるピーマンの県別生産高では、茨城県がトップで全体の約2割を占める。次いで生産量が多い県として、2位は宮崎県、3位は高知県。夏から秋の間は茨城県産のもの、冬から春にかけては宮崎県や高知県のピーマンが市場に出回る仕組みになっている。この仕組みによって、本来は夏の野菜であるピーマンが一年中食べられるというわけだ。
2. ピーマンの品種改良
ピーマンがよく食べられるようになったのは、昭和30年代の後半から。当時のピーマンは、今よりもサイズが大きく、肉厚のもの。独特の香りがあるため、好き嫌いの別れる野菜のひとつだった。そこで、香りやクセが少なく、肉が薄くて甘みの強い品種を作るべく、品種改良が繰り返し行われた。その結果出来上がったのが、現在の中型のサイズのピーマンである。
- ピーマンとパプリカの違い
見た目はとってもよく似ているのに味は大きく違うピーマンとパプリカだが、どちらも同じ「ナス科トウガラシ属」に分類されている。大きな違いとしては、ピーマンは完熟する前だが、パプリカは完熟してから収穫されること。パプリカに独特の甘味があるのは収穫時期の違いによるところも大きい。ちなみに、ピーマンも完熟すると赤色になり「カラーピーマン」として時々売られているが、完熟させても唐辛子のような辛味が出てくることはなく、逆に甘味が増すのが特徴だ。
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3. 種類と品種
ピーマンはトウガラシの甘味種を改良したものだ。以下のように、たくさんの種類や品種がある。
- 緑ピーマン
一般的に広く流通しているタイプであり、長さは6~7㎝位で肉は少し薄め。独特の香りがあるが、加熱すると弱まる。炒め物や揚げ物などの加熱料理によく使われる。品種には「ささら」「京波」などがある。 - 赤ピーマン
緑ピーマンが完熟すると赤ピーマンになる。完熟することで、皮は柔らかく甘味がある。緑ピーマンのような独特の苦味や青臭さはほとんどない。完熟のため、日持ちはあまり良くない。スライスして生でも食べられるが、鮮やかな色を活かして加熱料理などにも向く。 - パプリカ
甘味が強い、大きいサイズのピーマン。肉に厚みがあり、甘みが強くて食べやすい。スライスして生でも食べられるが、グリルで焼いたり炒め物に加えたり加熱料理にもよく合う。 - フルーツピーマン
糖度8度位の甘味が強いピーマン。赤・黄・オレンジ色など、色もカラフル。苦みはほとんどないので、「ピーマン嫌い」の方でも食べられる部類である。生のまま食べることが多い。品種には「アナスタシア」「スウィーピー」などがある。 - こどもピーマン
ピーマンの嫌いな子どもたちのために品種改良をして作られたもの。皮が厚くジューシーで、苦みも少ない。生のまま食べることが多い。品種には「ピー太郎」などがある。
結論
知っているようで知らないピーマンのこと。ピーマンの独特の香りや苦味から、昔から子どもが嫌いな野菜のひとつとなっている。だが、パプリカやフルーツピーマン、こどもピーマンなど、甘みがあってジューシーなタイプも出始めている。ピーマン嫌いな方も、ぜひ試してみてはいかがだろう。