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食べ頃の柿の画像

柿は栄養満点だが食べ過ぎ注意。カロリーや効果・デメリットなど解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2023年11月29日

栄養価の高さで知られる柿だが、食べ過ぎによるリスクもある。本稿では柿に含まれる主な栄養とその効果・効能、渋柿・甘柿・干し柿で異なるカロリーや糖質などの含有量の違い一覧、食べ過ぎによる懸念点などをお伝えしていく。

  

1. 柿は栄養満点! 主な栄養素と効果・効能

まな板と包丁と柿の画像
柿にはさまざまな栄養が豊富に含まれている。まずは特筆すべき栄養素と、期待できる効果・効能について解説しよう。

ビタミンC

柿は、果物の中でもビタミンC含有量がトップクラス。美肌効果や免疫力アップ効果、コラーゲンの生成といった効能および、風邪の予防効果なども期待できる栄養素である。

ビタミンA(β-カロテン)

柿が持つオレンジ色の果肉にはβ-カロテンが含まれている。抗酸化作用を持ち、体内でビタミンAに変化する栄養素だ。

カリウム

柿はカリウムも豊富な果物である。ナトリウムの体外排出を促す作用を持つことから、塩分の取り過ぎなどに効果を発揮する。

食物繊維

柿100gあたり約1.6gと、グレープフルーツの倍以上の食物繊維が含まれている。これは青果系でもトップクラス。整腸効果、血糖値上昇抑制、血中コレステロール濃度の低下などが期待できる。多くの日本人が不足しているため積極的に摂取したいとされる栄養素だ。

β-クリプトキサンチン

柿はβ-カロテンと同じカロテノイドの一種、β-クリプトキサンチンも豊富である。β-カロテンより抗酸化力が高く、骨粗しょう症や糖尿病予防にも一役買ってくれる栄養素である。

アストラガリン

アストラガリンは柿の葉に含まれる、抗アレルギー作用を持った栄養素だ。柿の葉を煎じて飲むことで花粉症が軽減されるともいわれている。

タンニン

渋みのもと。血糖値上昇抑制やメタボ予防、二日酔い防止といった効果が期待できる。渋柿・甘柿いずれにも含まれ、渋柿は水溶性タンニン。口の中で溶けるため渋みを感じる。一方甘柿は成長過程で不溶性に変化し、口の中で溶けなくなるため渋みを感じない。

柿の葉も栄養がたっぷり!

柿の葉にも栄養が含まれている。とくにビタミンB1・B2・C・Kといった栄養素の含有量が多く、止血作用や血管強化作用などが期待できる。なかでもアルコールの分解を助ける栄養素ビタミンCが豊富で、みかんの数十倍ともいわれる。

2. 渋柿・甘柿・干し柿ではカロリー・糖質など栄養素の含有量が異なる

干し柿の画像
甘柿・渋柿・干し柿では栄養素の含有量がやや異なる。

渋柿・甘柿・干し柿の栄養素と含有量の違い一覧(可食部100gあたり)

柿の種類別・栄養素一覧表
ご覧のように、可食部100gあたりの栄養素はそれぞれ異なる。総合的に見ると干し柿の栄養素が突出しているものの、カロリーが高めなので摂取過多には注意が必要だ。

3. 柿を食べ過ぎるとどうなる?1日何個までならよい?

大量の柿の画像
柿は栄養豊富な果物であることはすでにおわかりいただけただろう。だが食べ過ぎによるリスクもあるため注意が必要だ。

柿の食べ過ぎは柿胃石や便秘のリスクがある

柿の食べ過ぎによるタンニンの摂取過多に注意しよう。胃に結石ができる、いわゆる柿胃石の原因となりうる。またタンニンの摂り過ぎは便秘につながるおそれも。食物繊維が豊富とはいえ、摂取過多で逆に便秘を招いては本末転倒だ。

【豆知識】柿に含まれるタンニンの量

柿にはどれくらいのタンニンが含まれるのか。奈良県の研究(※)によれば、甘柿100gあたり可溶性タンニン400mg、不溶性タンニン680mg。干し柿100gにおいては可溶性100mg、不溶性4,500mgが含まれるという。一目瞭然だが干し柿は多くのタンニンを含むため、とくに食べ過ぎに気をつけたい。

中性脂肪を増加させるリスクも

タンニン以外にも食べ過ぎに注意したいポイントがある。それが糖分だ。果物ゆえどうしても糖分が多いことから、摂取過多による中性脂肪の増加も懸念される。

1日に何個まで食べても問題ないのか?

柿に限ったことではないが、一般的に果物は1日1種類を1〜2個程度を目安に摂取するのが望ましい。一気に、ではなく日々コツコツとを心がけよう。

妊娠中は避けるべきか?

果物全般的に身体を冷やす作用がある。妊娠中に身体が冷えるとつわりがひどくなる、便秘になりやすくなるといった懸念が生じる。また果糖による血糖値の上昇・妊娠糖尿病や肥満のおそれも。さらにタンニンは鉄分の吸収を防ぐ作用があるため貧血にもなりやすい。そのため食べ過ぎには注意したほうがよいだろう。

4. 二日酔いに柿が効くワケ

ビールで乾杯している画像
栄養たっぷりの柿は、昔から二日酔い防止に効果的といわれている。その理由は以下のとおりだ。

二日酔いを防止・軽減する栄養素が含まれている

柿が二日酔い防止・軽減に効果的とされる理由は、渋みの元でる【シブオール】と呼ばれる栄養素、そして【アルコールデヒドロゲーゼ】と呼ばれる栄養素の働きによるもの。
シブオールはタンニン系ポリフェノールの一種で、アルコールの吸収を防ぐとともに、ビタミンCとの相乗効果でアルコールの分解及び排出を促進する。アルコールデヒドロゲーゼと呼ばれる酵素もアルコール分解を助ける働きがある。ここに、カリウムによる利尿作用が加わることから、二日酔いの緩和に効果があるというワケだ。

結論

柿はビタミンなどの栄養素を多く含む魅力的な果物である一方、摂取過多による懸念点もいくつか存在する。何事にもいえるが食べ過ぎだけはくれぐれも注意しよう。華やかなフルーツも多く出回る秋、一見地味に見える柿も栄養価では決して負けていない。デザートだけでなくサラダや和え物など汎用性に優れた柿をぜひ、上手に取り入れていこう。
(参考文献)
※:奈良県「奈良県産柿果実を利用した機能性食品の開発~柿果実に含まれるポリフェノールについて~」
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  • 公開日:

    2017年10月12日

  • 更新日:

    2023年11月29日

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