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ぐっすり眠りたいときに、牛乳が良いというのは本当か?

ぐっすり眠りたいときに、牛乳が良いというのは本当か?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2021年1月22日

「牛乳が安眠に働く」という話を聞いたことがあるだろうか。疲れているのに頭がさえて眠れない、といった経験は誰しもあるだろうが、そんなときに牛乳を飲めばぐっすり眠れるのであれば、残りの睡眠時間をカウントしてあせる必要もなくなるだろう。牛乳の成分や効能、飲み方や飲む量について解説する。

  

1. 牛乳の成分と安眠について

牛乳の代表的な成分のひとつにカルシウムがある。このカルシウム、骨を作るだけでなくいろいろな役割をしていることはご存知であろう。よく「イライラしているのはカルシウム不足」といわれるように、カルシウムが血中に不足すると、神経伝達がうまくいかずに興奮しやすくなるともいわれている。
また、牛乳の安眠に関係しているとされるもう一つの成分である「トリプトファン」は、体内で消化吸収され、脳内物質「セロトニン」に変化する。この「セロトニン」は「ノルアドレナリン」「ドーパミン」と並んで三大神経伝達物質とよばれているが、中でも精神をリラックスさせる効果があるともいわれている。また、トリプトファンは人間の体内では合成できないため「必須アミノ酸」とよばれている。さらに、セロトニンは安眠を司るホルモン「メラトニン」にも変化する。
このように、牛乳に豊富に含まれるカルシウムとトリプトファンが、安眠に効果があるといわれてきた。
実際には、健康な人の体内では、血中のカルシウム濃度を正常に調節する機能が働いているため、直接的にカルシウム不足がイライラを引き起こすことは考えにくいともいわれている。
また、トリプトファンがメラトニンに変化するまでの時間を考えると、「寝る前のホットミルクは安眠を誘う」というのは、牛乳の成分からだけいえることではないようだ。

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2. 寝る前のホットミルクは安眠の効果がある?

牛乳の成分が知られるよりずっと昔から、「寝る前のホットミルクには安眠の効果がある」と、様々な地域でいわれてきた。実際に、寝る前のホットミルクに安眠の効果があるのだろうか?
さきほど述べたように、カルシウムやトリプトファンといった成分が、就寝前の数分間で安眠の効果を発揮するとは考えにくい。
それでは、味の面ではどうだろうか。牛乳は温めると甘みを感じる。それは、牛乳の甘み成分である乳糖が、温めることで甘みを強く感じさせるからだ。乳糖はもともと甘みが強いものではなく、牛乳にも少量だけしか含まれていないが、低温より高温になるほど甘みは強く感じられ、35℃あたりが最大に甘み感じるといわれている。35℃あたりというと、つまりひと肌である。牛乳と母乳は成分こそ違うが、味も似ており、それをひと肌で温めたホットミルクは、物理的に人をリラックスさせてくれる、という効果がないとはいえないだろう。
さらに、ホットミルクだけに限らずいえることだが、温かい飲み物を飲むことで体の深部が温められ、反動で体温を下げる機構がうまく働き、眠りに導かれることができるという。コーヒーや紅茶、煎茶といったカフェインがはいった温かい飲み物では、このような安眠作用が生まれなかったために「寝る前のホットミルクには安眠の効果がある」と言われたのかもしれない。

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3. 牛乳のおすすめの飲み方と飲む量について

それでは、牛乳をいつ、どのくらい飲めば安眠に効果がでやすいのだろうか。
安眠ホルモンであるメラトニンは、光を浴びてから約15時間前後で分泌されてくると考えられている。また、セロトニンは脳内まで輸送される場合、ほかの物質によって妨げられてしまうことがあるため、空腹時にとることが吸収されやすいともいわれている。そのため、材料であるトリプトファンの摂取を考えれば、就寝直前というよりも、昼間の食間の時間帯(朝食~昼食または昼食~夕食)に摂るのが効率的である。
そして、トリプトファンとともに、ビタミンB6、糖質、マグネシウム、鉄分などを一緒にとることでトリプトファンがセロトニンに合成されやすくなるともいわれているため、肉や魚、ごはんなどの炭水化物、野菜などもバランス良く食すのがよいだろう。
一方、前述したように、温かい飲み物がほどよく安眠を誘うという効果を利用するのであれば、就寝前1時間から1時間半ほど前に飲むのがよいだろう。温かいミルクで体の深部を一度温めたのち、急激に体温を下げることが入眠につながるといわれている。人が眠りにつくときには深部の体温が下がるため、適切な入浴時間のすすめでもよく解説されている。牛乳には乳脂肪が含まれているため、胃腸を休ませるためにも、就寝前の飲み過ぎには注意したい。マグカップ1杯までがよいだろう。

結論

牛乳には「安眠の効果がある」といわれていたが、眠りにつくまでの時間のこととも考えると、必ずしも牛乳に安眠効果があるとはいえないようだ。だが、昼間にバランス良い食事と共にミルクを飲むことや、寝る前のホットミルクも効果がないとはいえない。体質や体調にも左右されるので、自分に牛乳が向いているかどうかもあらかじめ知っておくと、安眠したい時の裏ワザとして使えるかもしれない。
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  • 公開日:

    2017年11月 7日

  • 更新日:

    2021年1月22日

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