1. かぼちゃのカロリーと糖質量

日本で出回っているかぼちゃは大きく分けて2種類ある。皮に深い溝がある日本かぼちゃと、皮がツルッと丸く、ホクホクと甘い西洋かぼちゃだ。流通量がもっとも多いのが西洋かぼちゃで、別名「えびすかぼちゃ」ともいわれている。まずは、この2種類のカロリーと糖質量から見てみよう。
(以下すべて100gの数値。[ ]の中はカロリー、糖質量の順)
(以下すべて100gの数値。[ ]の中はカロリー、糖質量の順)
日本かぼちゃのカロリーや糖質量
日本かぼちゃの100gあたりのカロリーは41kcal、糖質量は8.1gだった。
西洋かぼちゃのカロリーや糖質量
一方、西洋かぼちゃの100gあたりのカロリーは78kcal、糖質量は17.1gとあり、西洋かぼちゃのほうが約2倍分のカロリーや糖質量を含んでいることが分かる。
また、かぼちゃの100gは、約1/12個分の大きさが目安だ。これを3等分すれば煮物サイズの大きさになると考えてよいだろう。
かぼちゃの種のカロリーや糖質量
ちなみに、かぼちゃの種は100gあたり590kcal、糖質量は4.7gである。かぼちゃの種はナッツに分類されるため、カロリーは高いが味がついていても糖質量はそれほど高くない。酒のつまみに少量を食べる程度なら、糖質制限中でも問題ないだろう。
2. かぼちゃの糖質やカロリーは調理法でかわる?

では、生の場合と茹でた場合などでは、カロリーと糖質量はどのくらい変化するのだろうか。同じく日本かぼちゃと西洋かぼちゃの2種類で比較してみよう。
調理法別にみる日本かぼちゃのカロリーや糖質量
◎日本かぼちゃ(生) [41kcal、8.1g]
◎日本かぼちゃ(茹で) [50kcal、9.7g]
◎日本かぼちゃ(茹で) [50kcal、9.7g]
日本かぼちゃの生と茹でた場合で見ると、茹でたほうがカロリー・糖質量ともに高くなっていることが分かる。これは、かぼちゃに火を通すことで酵素が働き、デンプンを分解して糖度が高くなるためだ(※2)。
調理法別にみる西洋かぼちゃのカロリーや糖質量
◎西洋かぼちゃ(生) [78kcal、17.1g]
◎西洋かぼちゃ(茹で) [80kcal、17.2g]
◎西洋かぼちゃ(冷凍) [75kcal、14.3g]
◎西洋かぼちゃ(焼き) [105kcal、22.4g]
◎西洋かぼちゃ(茹で) [80kcal、17.2g]
◎西洋かぼちゃ(冷凍) [75kcal、14.3g]
◎西洋かぼちゃ(焼き) [105kcal、22.4g]
西洋かぼちゃも同様に、茹でた場合と焼いた場合どちらも数値が上がっているのが分かる。焼いた場合はとくに水分が失われ軽くなる分、カロリー・糖質量ともに高くなるのだ。
いずれにせよかぼちゃは、カロリーはそれほど高くないが、葉物野菜と違って糖質量が多く、どちらかといえば芋類に近い存在である。天ぷらやサラダ、煮付けなどにすると、美味しくて100gくらいはすぐに食べてしまうため、食べすぎには気をつけたい。
いずれにせよかぼちゃは、カロリーはそれほど高くないが、葉物野菜と違って糖質量が多く、どちらかといえば芋類に近い存在である。天ぷらやサラダ、煮付けなどにすると、美味しくて100gくらいはすぐに食べてしまうため、食べすぎには気をつけたい。
3. かぼちゃの栄養素

かぼちゃは緑黄色野菜の一種であり、βカロテンなどをはじめビタミン類を多く含む。また、炭水化物も多くて、身体を動かすためのエネルギー源にもなる。このように、かぼちゃは人間に必要な栄養素を多く含んでいる。そこで具体的にどのような栄養素が多いのか確認しておこう。
βカロテン
緑黄色野菜はβカロテンを多く含むことが特徴だが、西洋かぼちゃも同じく100gあたり3900μgものβカロテンを含んでいる。β カロテンは体内でビタミンAに変化し、目や皮膚の健康をサポートしてくれる。また、β カロテンは「抗酸化物質」の一種でもあり、体内の不要な活性酸素を取り除く働きもある。なお、日本かぼちゃのβカロテン量は西洋かぼちゃよりも少ない。
ビタミン類
かぼちゃはβカロテン以外にも、ビタミンCやビタミンEなどのビタミン類も多く含んでいる。ビタミンCには体内で皮膚や組織のコラーゲンの合成をサポートする働きなどがあり、ビタミンEには生体膜の機能を正常に保つ働きなどがある。また、いずれもβカロテンと同じ「抗酸化物質」であり、体内の活性酸素を取り除いたり、発生を防いだりする働きを有している。
カリウムなど
かぼちゃは、100gあたり約450mgのカリウムを含んでいる。カリウムは主に体内では細胞の浸透圧を調整する働きがあり、体内の不要なナトリウムを排出する役割を担っている。そのため、ナトリウムの摂取量が多い日本人にとって、カリウムは重要なミネラルの一つとされている。なお、カリウムは一般的に野菜類・キノコ類・海藻類などのような食品に多く含まれる。
炭水化物(糖質と食物繊維)
かぼちゃは炭水化物を多く含んでいる野菜である。炭水化物は体内でエネルギー源となる「糖質」と吸収されない「食物繊維」に分類できるが、いずれも多いことが特徴である。また、食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分かれるが、かぼちゃには不溶性食物繊維が豊富となっている。食物繊維はぜん動運動を活発にする働きなどがあり、お通じをよくするなどが期待できる。
4. かぼちゃ料理のカロリーや糖質は?

最後に、かぼちゃを使った家庭の定番メニューにおけるカロリーと糖質量を見てみよう。
かぼちゃの煮付け
かぼちゃの煮付けは、1人分あたり65kcal、糖質量は11.4gだ。味付けは、出汁や酒、みりん、淡口醤油といった内容だが、ここに砂糖を加えたり濃いめの味付けにしたりしてしまうと糖質量がアップするので気をつけたい。
かぼちゃのポタージュ
かぼちゃのポタージュは、1人分あたり149kcal、糖質量は22.1gとカロリー・糖質量ともに高めになる。ポタージュを作る場合は低脂肪乳や豆乳を使用するとヘルシーに食べられるのでおすすめだ。
糖質制限中におすすめのメニューは?
かぼちゃは、本来の風味や甘さだけでも十分美味しく食べられる。そのため、糖質制限中には塩だけを調味料にして蒸したかぼちゃの煮物がおすすめだ。色鮮やかな仕上がりで、おかずや弁当の一品としても映えるだろう。
結論
かぼちゃは甘くて美味しいだけでなく、βカロテンをはじめとする栄養素が豊富な野菜である。夏に収穫されて冬に多く流通しているが、現在はハウス栽培も盛んで一年中スーパーや八百屋で購入することが可能だ。ぜひ寒い時期だけでなく、一年を通してかぼちゃを食べるようにしよう。
(参考文献)
※1 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
※2 静岡県立大学 食品栄養科学部栄養生命科学科
https://dfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/dnls/img/file6.pdf
※1 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
※2 静岡県立大学 食品栄養科学部栄養生命科学科
https://dfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/dnls/img/file6.pdf
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