1. 瓶詰めの歴史

食品保存の知恵
昔は今ほど、冷蔵技術なども発展していなかった。そのため食品を保存するのも至難の技。そこで生まれたのが瓶詰め。16世紀にはすでにヨーロッパで行われていたようだ。19世紀になるとナポレオンが軍用食の保存技術の公募を行った。そこでアペールという人物によって、瓶詰めを湯煎し、長期保存を可能にする方法が発明された。
昔の瓶詰め
現在では瓶詰めのほとんどは、蓋を締めることで密閉されるが、古くはコルク栓に蝋を垂らすことで密閉していた。現在でもフランスの有名なマスタードメーカーなどでは、瓶詰めにコルク栓が使われている。
瓶詰めの発展
現在では、冷蔵技術が格段に進歩したこともあり、瓶詰めはジャムや酢漬けなど、ある一定の種類の食品に使われるものとなった。とはいえ、今でも立派な保存技術として、残されている。さらに瓶詰めにすることで、風味を増したり、味わいを増すという意味合いで使われることもある。
2. 自家製瓶詰めの極意

密閉状態
そもそも瓶詰めはどうして長期保存が可能なのか?この答えが密閉状態にある。食品の腐敗は、おおよそ空気に触れることで、菌が増殖することによるもの。そこで、瓶詰めにすることで、中の空気を抜き、さらに菌を死滅させるのだ。
煮沸消毒
瓶詰めを作る場合、最も気をつけたいことが菌の発生を抑えることだということがわかった。菌の発生を防ぐために欠かせないのが、煮沸。保存に使う、瓶、蓋、スプーンやトングなどを大きな鍋に入れ、水をたっぷりはり、沸騰させ、5分ほど、グラグラさせておく。その後、清潔な布巾の上でしっかりと水気がなくなるまで乾かせばOK。
瓶詰め時の注意
中身を詰めるときのポイントは、瓶が熱いうちに、調理済みの食材を熱いまま瓶に入れること。このときも煮沸した清潔なスプーンで入れるのが肝心。満杯に入れると開閉時にこぼれやすいので9分目を目安に入れるのが正解。蓋を閉めたら、1分ほど待機。この間は、内部の圧力が上昇している状態。その後、その内圧を逃がすために一瞬だけ蓋を緩める。「シュッ」と音がしたら、すぐに蓋を締め直す。温度が下がるにつれ、内圧が下がり、密閉状態が完成する。
長期保存するなら
1ヶ月ほどであれば、上記の状態でも構わないがより長く保存する場合は、もう一度煮沸するといいだろう。鍋の中にすのこなどを敷き、瓶を入れて、水を張り、沸騰させる。20分ほどそのまま加熱すればOK。蓋がアルミの場合、錆の原因になるので、蓋が浸からない程度の水量にするといい。
3. 瓶詰レシピ

鉄板の手作りジャム
ジャムは、瓶詰めのスタンダードなアイテム。お好みにもよるが、フルーツの総量の50~65%の砂糖で、フルーツを煮る。ポイントはフルーツの水分を出すこと。分量の砂糖とレモン汁を振りかけたら、しばらく置いてから強めの中火で煮る。アクを取り除きながら、3 0分ほど煮詰めていく。
レバーペースト
レバーペーストのようなシャルキュトリーも瓶詰の定番選手。鶏レバーと玉ねぎ、にんにくを炒め、攪拌するもの。分量は鶏レバー250g、玉ねぎの薄切り1/4個分、にんにくひとかけ。にんにくを香りが出るまでオリーブオイルで炒め、レバーに火が通ったら、さっと白ワインを振り、アルコールを飛ばし、フードプロセッサーの中へ。生クリーム大さじ2、蜂蜜大さじ1、塩小さじ1/4を入れ、滑らかになるまで攪拌するだけ。
保存期間
瓶詰めは優秀な保存の技術。とはいえ、家庭で作る場合は甘いジャムなどであれば6ヶ月、レバーペーストのような肉魚類や乳製品などは、保存状態にもよるが2~3日もしくは1週間保存が可能。ジャムなどは冷暗所での保存でOK。レバーペーストなど乳製品を使っているものや傷みやすい食品は、冷蔵庫での保存をおすすめする。
結論
瓶詰めは優秀な保存技術。コツさえマスターすれば、誰でも簡単に挑戦できる。また、開封後は冷蔵庫で保存し、なるべく早く食べきることをお忘れなく。