1. 炊飯器にできること

機能的な炊飯器
炊飯器は、文字どおり飯を炊く機械。日本の家庭で多く見られる生活家電だ。近頃では、炊飯機能の他にマルチ調理ができるものもあるらしい。しかし、マルチ機能がなくとも、炊飯機能さえあれば、いろいろな調理に使える。さらに火を使わないので、お子さんと一緒に何かを作る場合も重宝する。
炊飯器の原理
現在販売されている炊飯器の中でメジャーなものは、IHジャー炊飯器と圧力IHジャー炊飯器。IHジャー炊飯器は、張り巡らされた加熱コイルに高周波の電流を流すことで、釜全体を温め、炊飯する。浸し、炊飯、蒸らし、保温を自動で行い、その都度温度調節をしてくれるものが多い。圧力IHジャー炊飯器は、圧力鍋と同様、電気で圧力をかけて炊飯する。こちらもIHジャー炊飯器同様、自動で温度調節してくれる。
スロークッカーとの共通点
では、その原理でどんなことができるか。一般的によく言われているのは、スロークッカーのような役割を備えていると言うこと。ちなみにスロークッカーとはアメリカ生まれの家電で、電気の力でゆっくり加熱し、沸騰手前の温度でじっくり料理することができる器具。朝、食材をセットしておけば、帰宅後には食べられる状態になっていると言うのがウリ。炊飯器も同じようなことができると話題になっているのだ。
2. 炊飯器の上手な使い方−おかず編

どんなことができる?
前述の通り、炊飯器もスロークッカーのようにじっくりと熱が加わるので煮込み料理に向いている。一定の温度で煮込むことができるので、角煮やシチューなど、時間をかけて作りたい調理に向いている。
豚の角煮
角煮は炊飯器で上手に作ることができるレシピの代表格。一定の温度でじっくり煮ることができるので、柔らかく、味の染みた角煮ができる。材料を入れて、スイッチを押すだけで作れるところも嬉しいポイント。適度な大きさに切った豚バラブロック(400~500g)はフライパンで表面をこんがりと焼いておく。炊飯器に焼いた豚肉、水400ml、長ねぎの青い部分、生姜ひとかけを入れて炊飯スイッチオン。炊き上がったら長ねぎを取り出し、皮をむいて3㎝の厚さに切った大根を加え、醤油、砂糖各大さじ4、酒100㏄、ひたひたになるくらいの水を加えてもう一度炊飯スイッチオン。炊き上がった後、一旦冷まして、再度保温するとより味が染みる。
サムゲタン
韓国の薬膳スープ、サムゲタンも炊飯器を使えば楽々できてしまう。こちらも角煮同様、じっくり火を通すことで旨味が引き出されるので、炊飯器調理に向いているのだ。手羽元6本、研いだ米1/4カップ、ネギ1本(青い部分はそのまま、白い部分は斜め切り)、潰したニンニク1かけ分、おろし生姜1かけ分、酒1/2カップ、塩小さじ1〜2、クコの実を入れ、水を3合目のところまで注ぎ、炊飯スイッチを入れる。炊き上がったら、出来上がり。ごま油をたらすと風味が増す。
3. 炊飯器の上手な使い方−デザート編

失敗なしのケーキ
ケーキ、と言うと途端に難しい印象を与えるが、炊飯器を使えば、とても簡単に作ることができる。さらに、炊飯器で作れば、型を用意する必要もない。初心者でも失敗なく作るなら、ホットケーキミックスを使うといい。基本は、ホットケーキミックス150gに卵1個、牛乳100ccだけ。これを釜に入れ、混ぜて、スイッチを押すだけ。りんごとシナモンを入れたり、ココアとチョコチップを入れたり、アレンジ次第で様々な味が楽しめる。
ビックプリン
アニメに出てくるような大きなプリンを作ることもできる。砂糖40gに大さじ1の水を入れて、火にかけ、カラメルを作る。濃い色になってきたら、弱火にして、好みのところで火を止める。蓋をして、端から熱湯を少しだけ入れ、ちょうどいい粘度にして、お釜のなかへ。洗った鍋に牛乳400ccと生クリーム200cc、砂糖60gを入れて、弱火で温める。ほぐしておいた6個分の卵と合わせ、よく混ぜ、漉しながら、お釜に入れる。保温モードで4時間ほど保温。その後、冷蔵庫で冷やせば出来上がり。
結論
炊飯器は、炊飯だけでなく幅広い料理に活用できる。しかし、どの炊飯器でもOKというわけではないので、取扱説明書をよく読んでトライしてみて欲しい。ちなみにどのレシピも早炊きモードではなく、通常モードで行うといいだろう。