1. 低温調理のメリット

従来サーモンの調理は、初めは強火で表面に軽く焦げ目をつけた後、中火~弱火でしっかり中まで火を通す・・・というものだった。しかし、肉や魚の主成分であるタンパク質は62℃を超えると凝固が始まり、68℃を超えると細胞内から水分が流れ出す「分水作用」が起こる。こうなると、身はパサつき固くなり、食感も悪く旨味も落ちる。蒸す、煮る、茹でる場合でも高温で調理をすれば、同様の状態が起こる。
低温調理のメリットは、水分が流れ出す温度以下で調理することで、サーモンの水分を逃さず、ふっくらと柔らかな仕上がりになることである。当然、旨味も格段に上がる。
低温調理で加熱したサーモンはムニエルともレアとも違う、とろけるような新食感なのだ。
低温調理のメリットは、水分が流れ出す温度以下で調理することで、サーモンの水分を逃さず、ふっくらと柔らかな仕上がりになることである。当然、旨味も格段に上がる。
低温調理で加熱したサーモンはムニエルともレアとも違う、とろけるような新食感なのだ。
2. 低温調理器要らずの低温調理法

最近巷では低温調理器が人気だが、専用の調理器がなくても低温調理は可能だ。低温をキープして、細胞の縮みを防ぎ、分水作用が起きないように調理すればOKだ。
<湯煎で低温調理>
・皮を取った生食用サーモン又は刺身用のサケを10%の塩、5%の砂糖水に45分程度漬ける。
・サーモンを取り出し、水分をペーパーで拭き取る。
・ジッパー付きの袋にサーモン、オリーブオイルを入れ空気を抜き60℃程度のぬるま湯で1時間湯煎する。
※温度が下がると雑菌が繁殖し、食中毒の危険があるので、くれぐれも注意する。
・冷蔵庫でひと晩寝かせる。
・サーモンを取り出し、水分をペーパーで拭き取る。
・ジッパー付きの袋にサーモン、オリーブオイルを入れ空気を抜き60℃程度のぬるま湯で1時間湯煎する。
※温度が下がると雑菌が繁殖し、食中毒の危険があるので、くれぐれも注意する。
・冷蔵庫でひと晩寝かせる。
<オーブンで低温調理>
・サーモンの皮目のみをフライパンで焼き、軽く焼き目をつける。
・80℃のオーブンで10分程度焼く。
※サーモンの身の中心は60℃~68℃に保たれ、水分が逃げない。
・80℃のオーブンで10分程度焼く。
※サーモンの身の中心は60℃~68℃に保たれ、水分が逃げない。
3. サーモンの低温調理アレンジ

・漬け込みでアレンジ
塩と砂糖水の代わりに、塩麴でひと晩漬ける。
・香辛料でアレンジ
湯煎の際に、オリーブオイルと共に、タイムやディル、レモン、ケッパー、ニンニク、クレイジーソルトなど、好みの香辛料や香草を加えて調理する。
結論
低温で調理すると、今までとは違った食感のサーモンを食べることができる。上手く作るコツは、湯煎の温度をキープすることだ。料理用の温度計を利用すれば、より的確な調理ができる。低温での調理のため、できるだけ新鮮なサーモンを用意すること、衛生的な状態で調理することを心掛けてほしい。