1. たらこの種類

たらことはタラ科のスケトウダラ(スケソウダラ)の卵巣を塩漬けにしたもの。その歴史は、明治36年(1903年)頃、北海道西部の岩内町で、同じタラ科のマダラが不漁となったことがきっかけとなり始まった。代わりにスケトウダラ漁が盛んになり、卵巣も利用しようと塩蔵加工がスタート。ほどよい塩気と旨味で人気を集め、昭和初期には全国に広まっていったという。鮮やかな紅色から「紅葉子」「朝日子」「旭子」という別名もあり、塩漬け前のものは「助子(スケコ)」と呼ばれる。普及するにつれ「スケソウダラの子」が簡略化し、「たらこ」という名が定着していった。ちなみにマダラの子は「まだらのこ」として区別され、こちらは煮付けにして食されることが多い。また、「明太子」は塩漬けした卵巣を、唐辛子やだし、酒などの調味液に漬けこんで熟成させたものをさす。
そんなたらこだが、ブリのように成長の段階で呼び名が変わるのも面白い。
そんなたらこだが、ブリのように成長の段階で呼び名が変わるのも面白い。
- ガム子(未成熟):皮が厚く、ガムのようにねっとりした食感。
- 早真子(未成熟):皮はまだ少し厚く、粒子もやや小さい。
- 真子(成熟):産卵直前で、張りがあり粒子感もある。
- 目付(過熟):放卵が始まり、皮が薄く軟らかめになってくる。
- 水子(完熟):卵に海水が入り液状になっている。
- 皮子:産卵後、皮だけ残ったもの。
未熟なうちは卵が小さく、成熟し過ぎると水っぽくなるので、ベストな状態は3の「真子」。さらに形や卵の状態で選別が行われ、たらこや明太子に加工される。ちなみに5のような完熟状態になると、ふりかけなどに利用されている。
2. 特産地と旬

たらこは非加熱で塩蔵する加工品。高級品は、国産や近海産の新鮮なスケソウダラの卵巣を、冷凍せずすぐに塩蔵したもので「近海真子」といわれる。粒子感も大きく張りがあり、豊かな食感と程よい塩みで、一度食べたら忘れられないほどの美味しさだ。旬はスケソウダラの産卵直前、11月~2、3月にかけて。北海道~東北近海やオホーツク海で漁が行われ、道南では白老町の虎杖浜、道東では知床や羅臼のものが名高い。
ただし、国産品は漁獲量が年々減少し、旬の時期も限られる。場所によっては船の中で卵巣を冷凍しているものもある。ロシアやアラスカ、朝鮮半島の近海からの輸入品も、船の中で卵巣を冷凍して輸送し、解凍してから塩蔵加工する。そのおかげで、たらこを1年中味わえるわけだが、解凍時に細胞が破壊されるので、食感はどうしても劣ってしまう。
ただし、国産品は漁獲量が年々減少し、旬の時期も限られる。場所によっては船の中で卵巣を冷凍しているものもある。ロシアやアラスカ、朝鮮半島の近海からの輸入品も、船の中で卵巣を冷凍して輸送し、解凍してから塩蔵加工する。そのおかげで、たらこを1年中味わえるわけだが、解凍時に細胞が破壊されるので、食感はどうしても劣ってしまう。
3. 美味しいたらこの選び方

新鮮なたらこは、皮に張りがあり表面が艶やかだ。小さすぎず大きすぎず、程よい大きさで、身が詰まってずっしりとした重みを感じるものがよい。ヘナッとしていたり、水っぽさを感じるものは避けよう。また、細く赤黒い筋の血管が多いと口当たりが悪くなる。これらの点を見極めて選んでいきたい。
たらこは卵の発色を良くして均等にするため、着色料が足されることが多い。「無添加・無着色」の場合は、淡い紅色をしていて自然な色に近い。ただし、漬け込む際に、塩と水だけで漬け込んだもの、または塩と砂糖、日本酒、みりん、醤油、昆布だしなど足したものなどがあり、その配合によって色味も若干変わってくる。いずれも、たらこ本来の旨味を損なわないように各社で工夫を重ねた配合となっているが、味わいの違いにもなるので、「無添加・無着色」を選ぶ場合は調味液にも着目して、好みの味を探っていこう。
たらこは卵の発色を良くして均等にするため、着色料が足されることが多い。「無添加・無着色」の場合は、淡い紅色をしていて自然な色に近い。ただし、漬け込む際に、塩と水だけで漬け込んだもの、または塩と砂糖、日本酒、みりん、醤油、昆布だしなど足したものなどがあり、その配合によって色味も若干変わってくる。いずれも、たらこ本来の旨味を損なわないように各社で工夫を重ねた配合となっているが、味わいの違いにもなるので、「無添加・無着色」を選ぶ場合は調味液にも着目して、好みの味を探っていこう。
結論
国内産のたらこはスケソウダラの漁獲量が減っているため、極めて希少な存在に。今のうちにぜひ産地から取り寄せて、旬ならではの鮮度のよさと、上質な粒子感をたたえた「近海真子」の味わいを心ゆくまで堪能しよう。