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2019年からあの食品が安くなる?EPAがもたらす食卓への好影響とは

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 出口美輪子(でぐちみわこ)

2018年9月29日

日常的に欧州の食品を購入しているなら、2019年からは日欧間のEPAの恩恵にあやかれることが予想される。EPAという言葉を聞いたことはあるが、具体的な内容はわからないという人も多いかもしれない。今回の記事ではEPAとは何かや、日本の食卓へのEPAの影響について軽く紹介したい。

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1. EPAとは何か

2017年末の国際経済ニュースといえば、アメリカのTPP離脱に関する、ネガティブな報道が大々的に取り沙汰されていた。だがその一方で、EU間とのポジティブな動きもあった事を忘れてはいけない。2017年12月、日本と欧州連合(EU)の間で経済連携協定(EPA)が妥結された。EPAはEconomic Partnership Agreementの略で、財務省のホームページによると「2以上の国(又は地域)の間で、自由貿易協定(FTA:Free Trade Agreement)の要素(物品及びサービス貿易の自由化)に加え、貿易以外の分野、例えば人の移動や投資、政府調達、二国間協力等を含めて締結される包括的な協定」の事を言う。このEPAに含まれる物品貿易に関わるFTAは世界貿易機関(WTO)によって「1.構成国間の実質上全ての貿易について妥当な期間内に関税等を廃止すること、2.域外国に対する関税を引き上げないこと」の2つの条件を満たす場合のみ認められる協定だと定められている。
我々の食卓に直接関係してくるのは、FTAの基準である「構成国間の実質上全ての貿易について妥当な期間内に関税等を廃止すること」の条件だ。この項目により、EUからの輸入品であるチーズ・ワイン・パスタ・チョコレート菓子・豚肉・牛肉・チーズ以外の乳製品・トマト加工品・水産物等、様々な食品の関税が、2019年に即時撤廃またはそれ以降段階的に撤廃される事となる。

2. 何がどのくらい安くなる?

2018年現在、EU加盟国は離脱の方向が決定しているイギリスを含め28カ国と多く、これらの国から日本への輸入品は全体の12%も占めている。EU加盟国からの輸入食品食品がどのように・どの段階で関税撤廃になるのだろうか。ごく一部であるが紹介しよう。
  • ワイン...現行関税は最大94~137円/ボトル1本(750ml)。赤・白・ロゼ・スパークリング問わず、EPAが発効されたら関税は即時撤廃。
  • チーズ...ナチュラルチーズの現行関税は29.8%。16年目までに輸入枠を最大3万1000トンまでに増やしつつ、その枠内において関税割当(定数量以内であれば、無税又は低税を適用すること)としている。
  • パスタ...現行関税は30円/1kg。段階的に11年目には撤廃。
  • チョコレート菓子...現行関税10%を、11年目に撤廃。
  • キャンデー...現行関税25%を、11年目に撤廃。
  • 豚肉...価格によって対応が異なる。価格が安い物の現行関税、最大482円/1kgは段階的に10年目には50円/1kgまで削減。価格の高い物の現行関税、4.3%は段階的に10年目には撤廃。
  • 牛肉...現行関税38.5%を、16年目には9%まで削減。
  • アイスクリーム...現行関税21.0~29.8%を、段階的に6年目までに63%~67%削減。
  • 鯵・鯖...現行関税7~10%を、16年目に撤廃。
  • キハダマグロ・大西洋さけ・ひらめ・かれい等...現行関税3.5~6.0%を即時撤廃。

3. 本物の味を確実に楽しむためにはGIもチェック

日本とEUとの正式なEPAの発行は、2019年を目指している。発行後はEU産のワインやチーズを始めとする名産品がより身近なものとなり、日本で作られた物とは一味違う「本場の味」を手軽に楽しめるようになることだろう。そこでもう一つ気にしておきたいワードが「GI」だ。GIはGeographical Indicationsの略で、日本語にすると「地理的表示」。その地理特有の優れた商品にのみ許される表示の事で、知的財産権の一つとして条例や法律によって保護されている物である。日本でも夕張メロン・十三湖産大和しじみ・神戸ビーフ・鳥取砂丘らっきょう・下関ふく・八丁味噌といった60もの品目が定められている。同様にGIが定められている物がEUにもあり、今回のEPAの妥結に伴い、日本国内でも保護すべきGIが現時点で71産品指定されている。内訳はチーズ26品目・バター1品目・食肉製品14品目・食用油脂10品目・菓子類5品目・生鮮&水産6品目・その他加工品等の9品目。

チーズならイタリアのゴルゴンゾーラやパルミジャーノ・レッジャーノ、フランスのエメンタール・ド・サヴォアやカマンベール・ド・ノルマンディやロックフォール、ギリシャのフェタ、オランダのエダム・ホラントやゴーダ・ホラントあたりを耳にしたことがあると思うが、これらの名称は他の産地のものに使うことは出来ない。カマンベール・エメンタール・エダム・ゴーダのように既に名称が一般化してしまっているものは「北海道カマンベール」等の表記をすることが出来るなど例外はあるが、それでもやはりGIで定められた通りそのままの表記をすることは如何なる場合も不可である。
本場の味を間違いなく楽しみたいのであれば、これらGIにどんな品目があるかや、正式名称を覚えておくのも大切だ。

結論

単品ごとに見てみると、撤廃や削減される税金の額は大したものではないと感じるかもしれない。しかし、「塵も積もれば山となる」という言葉があるように、デイリーワインをヨーロッパ産にしていたり、ワインの供に現地のチーズや食肉加工品を食している人であれば、その恩恵は中々の物になるのではないだろうか。関税が撤廃されたり削減されたりすることで、今までで手にしたことがなかった食品を試しやすくなることもあるだろう。EPAの発効後は、日本の食卓が今よりさらに華やかなものになるかもしれない。

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