目次
1. ガランガルとはどんなスパイス?生姜で代用可能?

アジア料理に使われる調味料や食材の中には、日本人には珍しいものが多い。とくにスパイスやハーブを多用する地域の料理は日本料理とは大きく異なる。まさに、「ところ変われば味変わる」である。今回のテーマ・ガランガルは、アジア料理によく使われるスパイス。タイでは「カー」と呼ばれている。そのガランガルについて概要を見てみよう。
ガランガルの見た目は生姜に似ている
ガランガルはショウガ科の植物の地下茎であり、その見ためはショウガにそっくりである。ちなみに、地下茎とはその名の通り地中の茎。根との区別が難しいが、地下茎は地上の茎同様に葉をつけ、根に生える根毛がない。赤みを帯びた褐色をしており、年輪のような模様が特徴である。通常食する根の部分のほか、茎や花も食べることが可能である。
ガランガルはピリっと辛い!
ガランガルには、ナンキョウ(大ガランガル/Greater Glangal)とリョウキョウ(小ガランガル/Lesser Glangal)の2種類が存在し、味も少し異なる。大ガランガルにはショウガとコショウを混ぜたような辛味があり、酸味も少しある。小ガランガルは大ガランガルよりもピリっとした辛味が強い。爽快な香りと刺激が料理のアクセントとなってくれる。
ガランガルと生姜の違い
ガランガルの見ためはショウガに似ていると説明したが味わいは異なる。ガランガルは酸味や甘みを含む奥の深さが特徴であり、辛味にコクを与えてくれるのである。ショウガと同様の使い方はできないことを心得ておこう。
2. ガランガルの種類や特徴

エスニック料理にほどよいアクセントを加えてくれるガランガルには、いくつかの種類がある。それぞれにはどんな特徴があるのだろうか。ガランガルの別称や種類について紹介する。
ガランガルは、ガランガ、カー、ナンキョウ、コウズクなどのいくつかの別称がある。ヨーロッパでは「タイのショウガ」などとも呼ばれ、十字軍の遠征によってほかのスパイスとともにヨーロッパにもたらされたという歴史をもつ。
ガランガルには、タイの伝統的な料理トムヤンクンに使われるナンキョウ、中国南部で産されるリュウキョウ、ウコン属のひとつとされるオオバンガジュツ、インド原産で生薬の原料となるバンウコンなどがある。それぞれの形状は異なるものの、スパイスや漢方薬に用いられるという共通点がある。
ガランガルには、タイの伝統的な料理トムヤンクンに使われるナンキョウ、中国南部で産されるリュウキョウ、ウコン属のひとつとされるオオバンガジュツ、インド原産で生薬の原料となるバンウコンなどがある。それぞれの形状は異なるものの、スパイスや漢方薬に用いられるという共通点がある。
3. ガランガルの栄養や働き

生薬などにも用いられるガランガル。その栄養や効能が気になるところである。ガランガルは繊維とビタミンを豊富に含んでいるため、腸の浄化や消化を助ける薬として漢方の世界で使われてきた。また、11世紀の神学者ヒルデガルト・フォン・ビンゲンは、ガランガルを生命のスパイスと呼んでいたことでも知られている。ただし、辛味に刺激があるため、過剰摂取には注意が必要だろう。
ガランガルエキスはエナジードリンクにも使用されている
ガランガルは覚醒作用も有しているといわれ、集中力向上の一助になるという説もある。そのため、製薬会社ではガランガルエキスを使用したエナジードリンクも販売されている。眠気を覚ましてくれるとうたっていながら、カフェインフリーであることが商品の売りとなっている。とはいえ、こうしたエナジードリンクも摂取した量と健康への寄与が比例するわけではない。節度をもった摂取を心がけよう。
4. ガランガルの料理への使い方

独特の辛味が特徴のガランガル。日本でも人気のエスニック料理には始終登場するスパイスのひとつである。具体的にはどんな料理に応用できるのであろうか。
ガランガルはいろいろな料理に大活躍
ガランガルは、主にタイやインドネシア、マレーシアなどの料理に使われる。肉にも魚にも、そして卵や野菜とも相性がよく、とくに煮込み料理には必需品である。では、ガランガルがどんな料理に使われるのかを見てみよう。
・タイ料理
グリーンカレー、トムカーガイ、マッサマンカレー、トムヤムクン、煮込み料理(シチューなど)
・インドネシア料理
サンバルソース(万能な辛味ソース)、グレ(カレー)、アヤムゴレン(唐揚げ)
・その他
カオマンガイ(シンガポールチキンライス)、ガランガルティー、チャイ
5. ガランガルを種や苗から栽培する方法

アジアの各地で栽培されているガランガルは、日本でも栽培が可能なのであろうか。種や苗でガランガルを自宅で育ててみたいというエスニック好きもいるかもしれない。一般的にガランガルの栽培方法は、生姜のそれに相似しているといわれている。種から育てるのであれば、3~6月に播種する。水はけのよい土壌と通年安定した温度が栽培の条件のひとつである。また、直射日光は避けるのが無難で、とくに真夏には注意が必要である。土壌の乾燥に気を付けるほか、冬場の寒さから守るために室内に避難させるのも忘れないようにしよう。
6. ガランガルを通販するならパウダーや乾燥も便利

生のガランガルの入手が難しい場合は、パウダー状のものを購入する方法がある。最寄りのスーパーで見つからない場合には、大手の通販サイトで比較的簡単に見つけることが可能である。カレーなどのエスニック料理だけではなく、ソーセージの味付けなどに活用してもよいだろう。また、ガランガルの精油も市販されており、リラックス効果を狙って浴槽に垂らすのも一興である。
結論
ショウガと似て非なるガランガルは、アジアの各地でスパイスや生薬として愛好されてきた歴史をもつ。ショウガとは異なる風味をもつガランガルは、トムヤンクンをはじめとする日本人にも人気の料理に使われている。パウダーやエッセンシャルオイルのガランガルも活用して、その風味や効能を確かめてみてほしい。
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