1. ラム肉の基礎知識

マトンとラム
ジンギスカンで知られるラム肉は、羊の肉のこと。生後1年未満の仔羊の肉をラム、2歳以上の成羊の肉をマトンと呼ぶ。マトンは臭い、というイメージが強いが、きちんとしたものを選べば、そんな心配ご無用。ラム同様、美味しくいただける。
豊富な栄養
羊の肉は、他の肉に比べて栄養価が高く、特にビタミンB2を代表とするビタミンの含有量が豊富。高タンパクで必須アミノ酸や鉄分などのミネラル類の含有量も多く、とてもバランスが取れている。世界でも広く食べられている獣肉の1つだ。
ヘルシーの秘訣
羊は、脂肪の融点が他の肉より高いため、体内に入っても脂肪が吸収されにくいとされている。また、コレステロール値を下げるとされている不飽和脂肪酸も豊富に含まれているので、ダイエットに良い、とよく言われるのだ。さらにマトンにおいては、体内の脂肪を燃焼させるカルニチンが非常に多く含まれている。
2. 部位と選び方

肉質の特徴
ラムは、淡いピンク色で、柔らかい肉質。フレンチなどでは、高級食材として扱われている。対してマトンは、ラムに比べると色味も濃く、風味が豊か。スーパーなどで広く取り扱われているのは、圧倒的にラムが多い。
主な部位
主な部位は、もも肉、肩肉、肩ロース肉と他の獣肉とさして変わらない。よく見る骨つきのラムチョップは、ロースの部分。骨つきのロース部分はフレンチラックと呼ばれ、それを肋骨ごとに切り分けたものがラムチョップと呼ばれている。
料理に合わせて
もも肉は、脂身が少なく、肉質も柔らか。ステーキやローストに向いている。肩肉は脂身が多く、特有の香りが強い部分。歯ごたえもあるので煮込み料理におすすめだ。肩ロースはとてもバランスの良い部分。ステーキにしても、炒め物にしても美味しい。さらに羊肉の中で、最上の部位と呼ばれているのがロース。柔らかく、どんな調理法でも美味しい。
3. 美味しく食べるなら

火を通しすぎない
肉全般に言えることだが、羊肉も同様に火を通しすぎると固くなってしまうので、気をつけたい。火の通しすぎを防ぐためには、焼く前に肉を冷蔵庫から出し、常温に戻しておくこと。これだけで均一に火が通るようになる。時間にしておよそ30分前に出しておくと良い。
ステーキは強火&触らない
ステーキなどの場合は、強火で一気に焼き上げるのが正解だ。また、触ると温度が不安定になるので、極力触らないのがベスト。熱々のフライパンに肉を投入し、焼き付け、表面に肉汁が浮き始めたら、裏返すのである。裏返すときに初めて触るくらいがちょうど良い。
煮込みはトマトor豆で
ラム肉はトマトの缶詰で煮込むと味がまとまりやすい。また豆と煮るのもオススメだ。どちらも焼き色をつけてから、煮込んでいくのが正解。我が家ではよくひよこ豆やレンズ豆などと一緒に煮込むことが多い。
×スパイスが吉
ラム肉は、スパイスと相性抜群。特にクミンとの組み合わせは鉄板だ。炒めるときにクミンをホールのまま加えてもよし、パウダー状のものでマリネしておいても良いだろう。独特の風味とスパイシーさが混じり合うことで、奥行きのある味わいになる。さらに、料理上手&おしゃれな雰囲気になるところも優秀だ。その他、チリペッパーやコリアンダーなどを合わせても良いだろう。
結論
ラム肉は、健康に良い肉と言われている。ただ、特有の臭みが苦手という人も多いだろう。これは酸化しやすい不飽和脂肪酸を多く含むため。現在では、流通も発展しているので臭みの強いものは少ないが、買ってきたらなるべく早く食べることをおすすめする。