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酒飲みは知っておきたい!【生ハム】の種類と選び方・食べ方

酒飲みは知っておきたい!【生ハム】の種類と選び方・食べ方

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 出口美輪子(でぐちみわこ)

鉛筆アイコン 2021年8月 6日

ここ数年で主にヨーロッパからの輸入量が増加し、高級な美食食材からぐっと日常の食卓に溶け込んできた感がある「生ハム」。家飲みのワインのお供やサラダなど家庭料理の常備食材と1つになってきた、生ハムの種類や選び方などを紐解いてみたい。

  

1. 生ハムの種類

もともとハムの語源は「豚のもも肉」。本来、ヨーロッパなどでは、豚のもも肉を骨付きのまま加工したものをハムと総称してきたが、日本では豚肉を整形、塩漬け、燻製したもの全般がハムとされている。ボンレスハムやロースハムなど加工工程で加熱したものと非加熱のものがあり、非加熱のものが「生ハム」と呼ばれている。

生ハムは形状によって大きく2つに分けられる。1つめは、最近イタリア料理店やスペイン風バルなどでよく見かける「骨付き生ハム」。長期熟成を目的に、乾燥・熟成するものと、燻煙・乾燥させるタイプがある。燻煙しないものは「ドライハム」というカテゴリーに属し、精肉を塩漬けし、じっくり熟成させる。長期にわたって自然熟成することで、柔らかくねっとりした肉本来の旨味を引き出した味わいが特徴的。日本でも主にイタリア産やスペイン産の生ハムが多く流通し、人気を集めている。

2つめは、「ラックスハム」と呼ばれ、もも肉以外の肩やロースでも作られるもの。Lachsとはドイツ語で「鮭、鮭色」を意味する。鮭の赤身の色にハムの色が似ていることに由来している。日本産も多い。

2. 生ハムの特産地

イタリア・パルマ産の「プロシュート・ディ・パルマ」、スペインの「ハモン・セラーノ」、中国・浙江省の「金華ハム」を合わせて、世界3大生ハムと呼ばれている。いずれもその国独自の伝統的製法が守られ、今に受け継がれている逸品揃いだ。
これら3大生ハムをはじめとした世界の主な生ハムを紹介しよう。
  • プロシュート・ディ・パルマ(プロシュット・ディ・パルマ)
    イタリアのパルマで生産された生ハム。なかでもパルマ近郊のランギラーノには生産工場が集まっていることで有名だ。パルマハム品質協会が全基準をクリアしていることを確認したもののみ、パルマ公爵の王冠マークの焼き印が押される。柔らかく、まろやかな口当たりのよいハムだ。
  • プロシュート・ディ・サント・ダニエレ(プロシュット・ディ・サン・ダニエーレ)
    イタリア北東部フリウーリ地方のサン・ダニエーレ産の生ハム。古代ケルト時代の伝統を継ぐ、ディ・パルマと並ぶ銘柄。独特の甘い香りとねっとりした食感が魅力。
  • コッパ・ディ・パルマ
    豚の後頭部から背中にかけての部分を熟成・乾燥させたイタリア産の生ハム。赤身に脂肪分がさし、ソフトな熟成香をもつ。フルーツとの相性もバツグン。
  • クラテッロ・ディ・ジベッロ
    イタリア産の生ハム。豚の尻に近い柔らかな部分を使い、塩だけで膀胱の中で熟成させる。独特の風味がクセになる。
  • ハモン・セラーノ
    スペイン産の生ハムで、白豚の後ろ足を原料とする。ハモンとは「ハム」、セラーノとは「山地の」の意味。繊維がやや多く低脂肪。
  • ハモン・イベリコ・ベジョータ
    スペイン産生ハムの最高峰。放牧し、ドングリで肥育したイベリア種の黒豚(イベリコ豚)を用いるゆえ、オレイン酸の含有率が多い。牛肉のような赤い色、きめ細かい脂肪、濃厚な甘味が美味しい。ドングリのほかに通常飼料も与えられ、放牧された黒豚で作ったものは「セボ・カンポ」。通常の飼料のみを与え放牧もされていない黒豚で作られる「セボ」と、ベジョータの下に等級がある。
  • ジャンボン・ド・バイヨンヌ
    フランスの南西部バイヨンヌ産。かつては世界の3大生ハムとして称された。暗紅色で光沢があり、粘り気がある柔らかい食感。
  • 金華ハム(金華火腿)
    中国の浙江省、金華地方で作られる生ハム。火腿(フオトイ)の名は断面が火のように赤いことから。一般的に生では食べず、料理に使う。

3. 生ハムの選び方&美味しい食べ方

生ハムは薄くスライスされてパック詰めで売られているものが多いが、切り立てのフレッシュな味わいは格別。時には専門店などで、吊るされた塊から、カットしたての生ハムを量り売りで購入してみてはいかがだろう。

合わせるワインや料理から生ハムを選ぶのもいい。基本的にイタリア産プロシュートなら、料理もワインもイタリアン。スペイン産ハモンも同様に、スペイン料理とスペインワインが合う。どれを選ぶか迷ったら、食べやすいプロシュートがおすすめだ。メロン、イチジク、柿などのフルーツと合わせたり、グリッシーニに巻いたり、ルッコラなどのサラダに入れても美味しい。同じパルマ産の微発砲の赤ワイン「ランブルスコ」と合わせれば、フルーティな香りが生ハムの美味しさを引き立てる。

スペインの生ハムは、やや硬くコクがあって、チーズや赤ワインとよく合う。パンにそのまま挟むだけでも、美味しくいただける。

結論

日本にも生ハム食べ放題の店が登場したり、スライス仕立ての生ハムを提供するバルが流行ったりして、いつの間にか生ハムの虜になった人も多いのでは。熟成期間や産地にこだわって選び、ワインや料理との様々なマッチングをさらに探求してみよう。

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  • 公開日:

    2018年9月11日

  • 更新日:

    2021年8月 6日

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