1. タイ料理ってどんな料理?
特徴的な5味と豊富な香り
タイ料理は、複雑な味わいが持ち味。一般的にどの国でも味の基本は、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5味といわれるが、タイでは苦味の代わりに辛味が加わる。さらに特筆すべきは、香り。レモングラス、コブミカン、パクチーなどのハーブの特徴的な香りがタイ料理をタイ料理たらしめている。味付けによく使われるのが、タイ生まれの魚醤、ナムプラー。主食はコメだが、日本のようなジャポニカ米ではなく、香り高く細長いインディカ米が多い。
世界の味が融合
タイは古くから、東南アジア一帯の貿易拠点として栄えた場所。故に、食にも他国の影響がいたるところに感じられる。北部では隣接する中国やミャンマーの影響が強く、東部ではベトナムの影響が感じられる。さらに、インドとも交易が盛んであったため、スパイスの効いたカレーなども存在する。
代表的な料理は?
まず、挙げられるのが世界3大スープの1つに数えられるトムヤムクン。トムは煮る、ヤムは和える、クンはエビを指す言葉。酸っぱくて辛いスープは、ほかのどの国のスープとも似ても似つかないオリジナリティに溢れる味。レモングラスやコブミカンの葉などのハーブが味の決め手になる。さらにカレーの種類も多彩。グリーンカレーをはじめとしたココナッツミルクベースのものをゲーンクアー、ココナッツミルクなしのものをゲーンソムと呼ぶ。
2. ベトナム料理ってどんな料理?
生野菜とハーブが命
ベトナム料理は生の野菜やハーブがふんだんに使われているのが特徴。市場などではとにかくたくさんの野菜がリーズナブルな価格で販売されている。さらに巻いて食べることが多いところも特徴。野菜で、ライスペーパーでと、いろいろなものを巻いて食べる。主食は基本的に米や米麺だが、パンも食べる。
フランスと中国がキーワード
ベトナムは、かつて中国とフランス領だったため、2国の食文化が色濃く反映されている。揚げる、蒸す、焼く、煮るなど、多彩な調理方法は中国から伝わったもの。醤油や魚醤ヌクマムにも中国の影響が感じられる。フランス色といえば、フランスパンやコーヒー。さまざまな国の食文化を自国らしく発展させたのがベトナム料理なのだ。
南北で異なる味
ベトナムは南北に長い国土を持つ。そのため、北部と南部では料理のタイプもかなり異なる。北部は稲作文化が盛ん。ごはんに合う塩辛い味付けが多く、揚げ物も多い。対して南部は蒸し暑い気候で、甘辛い味がよく見受けられ、タイ料理と若干似た部分がある。ちなみに代表的な米麺のフォーは、北部が発祥。そのほか、生春巻きや、もやしを挟んだ玉子焼き=バインセオ、フランスパンに肉やなますを挟んだサンドイッチ=バインミーなどが有名だ。
3. タイ料理とベトナム料理
辛さのタイと優しさのベトナム
タイにももちろん、辛くない料理は存在するが総じて辛い料理が多い。さらに酸味とハーブが効いたインパクトのある味が真骨頂。対してベトナムは、辛味の強い料理はあまり存在しない。野菜が豊富に使われることもあり、優しい味の料理が多い。
パクチーと魚醤は両国共通
タイ料理もベトナム料理もハーブが豊富に使用されるが、なかでも共通しているのはパクチーだ。現地のものはより香りが強いともいわれている。またナンプラーとヌクマムと名前は違えど、魚醤も共通して使われる。
結論
どちらかといえば、タイ料理の方が刺激的でレモングラスやコブミカンなど、癖のあるハーブの味が楽しめる。対してベトナム料理は比較的まろやかで優しい味付け。どちらも夏にぴったりの料理。ビール片手に作ってみてはいかがだろう?