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食べ過ぎ厳禁!銀杏のいろは。簡単な調理方法も指南

食べ過ぎ厳禁!銀杏のいろは。簡単な調理方法も指南

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2018年9月25日

居酒屋や料亭でも人気の食材・銀杏。そのもっちりとした食感やほのかな甘み・苦味を家庭でも堪能するための、簡単な方法を知りたくはないだろうか。今回は殻付きでもできる手軽な3つの方法と、銀杏を食べる際の重要な注意点、選び方や栄養など銀杏に関する素朴な疑問についても紹介する。

  

1. 店で売られている銀杏と、公園や道端のイチョウ=銀杏は同じか?

紅葉の季節にイチョウの近くへ行くと、独特の臭いが漂ってくることがある。あの強烈な臭いの正体は、イチョウの雌株の実だ。丁度さくらんぼを大きくしたような形で、黄色の実に果柄が付いている。外から見ただけではわかりにくいが、スーパーや道の駅で見かける銀杏(ぎんなん)は、この実の中種皮の更に中にある、仁の部分だ。店で売られている殻付きの銀杏は、柔らかい果肉のように見える部分(=外種皮)を取り除いた状態である。

殻付き銀杏になるまで

収穫後すぐに外種皮を取ってしまう方法と、水・土や袋などの中に数日放置して外種皮を剥がしやすくする方法があるが、どちらの場合も臭いとの闘いが待っている。外種皮を取り除いたら大量の水で仕上げ洗いを行う。農家や工場などでは専用の機械を使ったり、川や水路で作業することもある。家庭で行う時はペットボトルや空き瓶に入れて何度も水を取り替えながら振り続けなければならず、なかなか骨の折れる作業だ。綺麗になったら3日~1週間ほど天日干しし、ようやく市場に出回る殻付き銀杏となる。

旬や栄養は

収穫時期は9月~12月にかけてで、最盛期は10月~11月まで。滋養強壮食材としても活用されるほど栄養価が高く、エネルギー源となる糖質・脂質・たんぱく質の他、体の機能を整えるカロテン・ビタミンC・カリウム・マグネシウム・リン・鉄も豊富に含む。漢方では肺を潤し温める食べ物とされ、夜尿症や頻尿などの泌尿器系疾患にも用いられている。

2. 銀杏をおいしく食べる方法

手軽さ重視、電子レンジ

電子レンジ......厚手の封筒に銀杏を入れ、口を3回くらい折ったらテープでしっかり止め、加熱する。目安は10個あたり、500 W~600Wで40秒~1分半。20個なら倍の時間かける。機種によって時間の調整がやや難しい場合もあるが、上手くいけば洗い物も出ない、とても手軽な方法だ。加熱時間が長すぎると、殻だけでなく中身まで爆発してボロボロになってしまうので気を付けよう。殻が割れていなくても、熱いうちなら手で簡単に剥くことができるので安心して欲しい。爆ぜる時の大きな音が気になるなら、加熱する前にキッチンバサミ・銀杏割り器・ペンチなどを使って、事前に殻に割れ目を入れておくと良い。

殻と薄皮を剥いたら、塩をまぶすだけで一品完成だ。ひと手間かけられるなら、ごま油やハーブソルトを使った炒め物や、揚げ銀杏もオススメだ。炒めたり揚げたりする場合は、薄皮を剥く手間を省いても美味しく食べられる。茶碗蒸しや混ぜ御飯の具にも適している。

香ばしさ際立つ、フライパン

殻に割れ目を入れた銀杏をフライパンに入れ、時々揺すりながら弱火で10分加熱する。爆ぜたときのために、念のため蓋をしておく。塩を振り、殻を剥きながら食べる。

レンジとフライパンの良いとこどり、オーブントースター

フライパンよりも焦げにくく、電子レンジのようにほぼ放置で作れる調理方法だ。殻に割れ目を入れた銀杏をトースターに入れたら、10分ほど加熱して焼き色を付ける。必ず割れ目を入れたものだけを使うこと。塩を振り、殻を剥きながら食べる。

良質なものを選ぶには

殻の色が白くなめらかで艶があり、なるべく大きなサイズのものが良い。振ったときにコロコロと音がするものは未熟か、古く乾き切ったものなので避ける。

3. 銀杏に含まれる有毒な成分

忘れてはいけないのが、有害成分・メトキシピリドキシンのことだ。過剰に摂取し過ぎると、神経伝達物質やエネルギーの合成に関わるビタミンB6の吸収が阻害され、体に不調をきたす恐れがある。食後1時間~12時間以内に嘔吐・痙攣・ふらつき・不整脈・呼吸困難などの中毒症状が現れ、過去には死亡事故も発生している。特に小さな子供には注意が必要だ。日本中毒情報センターでは小児なら7個~150個、成人なら40個~300個で中毒が生じるとしているようだが、これ以下の量でも中毒を起こした例はある。心配なら7歳未満には食べさせず、7歳~14歳までは6個以下、成人なら20個程度までにしておくのが無難だろう。妊婦や授乳期の女性も、食べるなら少量にしておいた方が良い。

また固い殻を包んでいる外種皮部分や葉には、ギンコール酸をはじめとするアレルギー物質が含まれている。肌に直接触れるとかぶれを生じたり、ひどければ全身に発疹が現れたりアナフィラキシーショックを起こす可能性もある。木の下に銀杏の実を採りに行く際は長袖を着てゴムやビニール製の手袋をし、帽子も被っておくと安心だ。採ってきた実の下処理をする際も、素手で触らないようにしよう。食中毒症状が出た場合も皮膚への症状が出た場合も、速やかに病院へ。銀杏かぶれを起こしたことがあると、経口摂取でもアレルギーを発症することがあるので気を付けた方が良い。

結論

つい次から次へと手が伸びてしまう銀杏だが、食べ過ぎは命や健康を脅かす。ちなみに銀杏は、割と長期の保存が利く食材でもある。冷凍であれば、殻付きだと最長1カ月程度・殻を外したものなら最長2カ月程度は、美味しさをそれほど損なわずにとっておくことが可能だ。できれば少量ずつ、長く楽しんでみてはいかがだろう。

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  • 更新日:

    2018年9月25日

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