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【里芋】と【じゃがいも】の栄養の違いは?使い分けのコツもご紹介

【里芋】と【じゃがいも】の栄養の違いは?使い分けのコツもご紹介

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 出口美輪子(でぐちみわこ)

鉛筆アイコン 2020年2月13日

じゃがいもと里芋は一見似ている食材だが、どこがどんな風に違うのだろうか。「どんな栄養素が含まれているの?」「こんなときはどっちを選ぶ?」など、じゃがいもと里芋の栄養価や調理性などの違いについての疑問にお答えしよう。

  

1. じゃがいもの栄養と特徴

じゃがいもは、ナス科ナス属の植物で、南アメリカ原産。江戸時代初期に現在のインドネシア・ジャカルタからオランダ船で長崎に渡来した。明治時代に入るとアメリカから多くの品種が輸入され始め、国内での栽培も本格化することとなった。
じゃがいもは主食として世界中で食されているが、日本での主な利用法は、①でんぷん原料②調理用③加工食品用である。
可食部(食べられる部位)100gあたりの栄養素は次のとおり。(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より抜粋)
エネルギー:76kcal
水分:79.8g
たんぱく質:1.6g
炭水化物:17.6g
カリウム:410㎎
マグネシウム:20㎎
リン:40㎎
鉄:0.4㎎
亜鉛:0.2㎎
ビタミンB1:0.09㎎
ビタミンB2:0.03㎎
ビタミンB6:0.18㎎
ビタミンC:35㎎
食物繊維総量:1.3g
ビタミンCが豊富であり、その量はレモン1個分以上にもなるともいわれている。さらに、白米の3倍ものビタミンB1が含まれている。ビタミンB1は糖質の代謝に関与している栄養素だ。
じゃがいもの芽の部分や、紫外線があたって緑色に変色してしまった部分は、ソラニンと呼ばれるアルカロイド系の毒素が含まれている。ソラニンは、腹痛などの食中毒を起こす危険性がありることでも知られているので、芽の部分はくり抜き、緑に変色している部分は取り除いてから食べるようにしよう。

2. 里芋の栄養と特徴

里芋は、サトイモ科サトイモ属。東南アジア原産で、日本には縄文時代に中国を経て渡来したとされ、一説には稲よりも古い作物と考えられている。江戸時代には凶作に備えた救荒食物の一種とされていたため、今でも収穫祭としての「芋煮会」とよばれる習慣が知られている。
里芋は、中心の親芋を取り囲むように子芋ができて、そこから孫芋がつくというように、どんどん増えていく。このことから子孫繁栄の象徴として縁起が良いとされ、お正月などに好んで使われる。
可食部100gあたりの栄養素は次のとおり。(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より抜粋)
エネルギー:58kcal
水分:84.1g
たんぱく質:1.5g
炭水化物:13.1g
カリウム:640㎎
リン:55㎎
鉄:0.5㎎
亜鉛:0.3㎎
銅:0.15㎎
ビタミンB1:0.07㎎
ビタミンB2:0.02㎎
ビタミンC:6㎎
食物繊維総量:2.3g
里芋にはカリウムが豊富に含まれている。カリウムは、余分なナトリウムを体外へ排出して血圧を安定させる効果があるといわれる。
また、独特のぬめりのもとであるガラクタンなどの水溶性の食物繊維が豊富に含まれる。ぬめりは煮物のふきこぼれの原因となるため、水から煮て一度そのゆで汁を捨てる「ゆでこぼす」という作業が必要となる。
里芋は低カロリーで糖質も低いので、体型を気にしている方におすすめの食材といえる。

3. じゃがいもと里芋の使い分け

じゃがいもは地下茎が肥大したもので、里芋は根と葉の境目の茎が肥大したもの。
似ているようで、含まれている栄養素や仕上がりなども違うため、向いている料理も微妙に異なる。ここではじゃがいもと里芋の使い分けについて解説しよう。
① ビタミンCを摂りたいならじゃがいも
じゃがいもは里芋に比べてビタミンCが豊富である。ビタミンCは、コラーゲンを生成する際に必要となる栄養素である。さらに、ビタミンCは植物性食品からの効率的な鉄の吸収を促したり、免疫系の働きを助けたりする役割を持つ。
② カリウムを摂りたいなら里芋
じゃがいも自体もカリウムは豊富だが、里芋はさらに多くのカリウムを含む。カリウムは前述の通り、体内の余分なナトリウムを排泄するので、むくみや高血圧の予防に働くといわれている。
③ お正月の煮物には里芋
子孫繁栄の意味をもち縁起物の食材としてお正月に登場する里芋。お祝いの席には里芋であり、じゃがいもで代用することはできない。
④ 時短調理にはじゃがいも
分厚く毛のような繊維に覆われた里芋の皮と違って、じゃがいもの皮は薄いため、皮をむかずに食べる事ができる。時間のないときでも皮ごと蒸してそのまま食すことも可能だ。
⑤ ダイエットには里芋
里芋はじゃがいもに比べてカロリーが少ないので、ダイエットの時に芋料理を食べるなら里芋にするのがおすすめだ。しかし、カロリーは低くても炭水化物の多い食材であり、食べ過ぎてしまうのは逆効果。ほどほどにしておこう。

結論

調理の手間がかかる里芋は、縁起物食材としておめでたい席の料理にも登場しやすい。一方のじゃがいもは年中手に入りやすく、大衆的な料理にもよく馴染む。じゃがいもと里芋は栄養価に違いがあるため、摂りたい栄養面から使い分けるのも一つの方法である。

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  • 公開日:

    2018年10月 4日

  • 更新日:

    2020年2月13日

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